前回その10-3では
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タロン側についたソンブラにより、メキシコの復興を行っていたルメリコが崩壊していく事件を語りました。
ギジェルモ・ポーテロ自身も後ろ暗い何かがあったことは確かですが、ルメリコが崩れたことによりメキシコの復興が停滞したことも事実です。
更にそこに乗じてロスムエルトスがテロを起こしたことで、メキシコは大混乱状態に陥りました。
タロンの活動は世界に様々な紛争と混乱の種を植え付けます。
今回は世界で起こった大きな事件、テサルカ暗殺とヴォルスカヤ襲撃について。
イギリス:テサルカ・モンデッタ暗殺事件
オムニックVS反オムニックの争いが最も起こっている中心地、イギリスのKing'sRow。
日に日に高まる紛争は、タロンにとっては非常に都合のいいものだった。
=>King'sRowの暴動については、8-1
=>オーバーウォッチ講座:オーバウォッチの歴史、ストーリー その8-1 セカンド・オムニック・クライシス - citrussinのチラシの裏
しかし、そのある種の熱狂は一線を超えない。
それはオムニックと人類の融和を目指す一人の偉人がいたからだ。
シャンバリの精神的指導者テサルカ・モンデッタ。
彼はオムニック自身や彼らと親しい人間にとって動乱の時代における光でもあり、オムニックの権利を最前線で訴える人物でもあった。
そしてオムニックと人類の争いを止め手を取り合おうとする融和派の第一人者でもあった。
(そのためヌルセクターもいち早くテサルカを人質にとりました)
当然このKing's Rowでも絶大な人気を誇り、広場前には銅像が建てられるほどである。
オムニックや人間に多くの信者を抱え、融和を目指す絶対的指導者。
それはタロンにとっては非常に都合の悪い、いわば敵と言える存在であった。
オーバーウォッチが解体し、世界が暗黒に包まれた中で。
その日も人々に請われ、テサルカ・モンデッタはKing's Rowの広場で説法を説いていた。
「人もオムニックも虹彩の中では同じ」
我々は反目し合うのではなく、ともに歩むべきなのだと。。。
その観衆の中にはテサルカのファンであるトレーサーと、その友ウィンストンもいた。
リコール後、いち早く集合したトレーサーとウィンストンは世界各地の情勢を確認しあっていたのだ。
=>リコールについてはその9参照
=>オーバーウォッチ講座:オーバーウォッチの歴史、ストーリー その9 ヒーローは死なず - citrussinのチラシの裏
排斥派の暴動を警戒した厳戒態勢の中で説法は続く。
その時トレーサーは家々の屋根の上を走る影を見つけた。
ウィドウメイカーだ。
テサルカが危ないと感じたトレーサーは急いでその影を追った。
テサルカの演説が空に響く中、King'sRowの屋上では2人の対決が続く。
「スナイパー発見!」
機密回線にトレーサーの叫びが割り込み、ようやく事態に気がついたテサルカ・モンデッタは護衛に守られながら広場を退場しようとする。
緊張が高まる中二人の戦いは激化し、トレーサーの追撃を受けたウィドウメイカーはセキリュティー達にも囲まれていく。
トレーサーが抑えている間に、なんとか護衛車にたどり着くテサルカ・モンデッタ。
間一髪かと思われたその瞬間、しかし悲劇は起きたのだ。
ウィドウメイカーの巧妙な計算によってトレーサーの胸に放たれた一発の銃弾は、目の前のトレーサーではなく、それを通り越して遠く離れたテサルカの頭を貫いた。
「やっぱりお馬鹿さんね」
自らの過ちを知ったトレーサーが振り向くと、そこには倒れ伏す指導者と悲鳴を上げる人々。
偉大なるシャンバリの伝道者、テサルカ・モンデッタはこうしてその生涯を終えたのだった。
この事件については、ウィドウメイカー公式アニメーション参照
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オムニックと人間との対立を煽りたいタロンからすると、共存を訴えるテサルカはかなり邪魔な存在だった。
その暗殺を対立問題が深まるKing's Rowで行うことで、対立に油を注ぎつつ邪魔者を消す一挙両得の暗殺であった。
タロンの陰謀は功を奏し、この事件以来抗議行動は都市全体でますます激しくなっていく。
もはやこの暴動を諌めるものは一人もなく、オムニックの権利を唱えられる有力者も消えた。
King'sRowの対立はもはや取り返しのつかない段階へと発展しようとしていた。
- ”テサルカ・モンデッタの死”は非常に大きい衝撃を人々に与えました。いまでも彼のために、King'sROWの片隅(テサルカが倒れた場所)には遺影とろうそくが添えられています。
テサルカの死は非常に大きな影響を世界に与えたそうです。
一説ではこの事件を堺に「セカンド・オムニック・クライシス」という言葉が使われるようになったと言われます。
=>セカンド・オムニック・クライシスについては8-1
=>オーバーウォッチ講座:オーバウォッチの歴史、ストーリー その8-1 セカンド・オムニック・クライシス - citrussinのチラシの裏
タロンの政治変化
ドゥームフィストとヴィアリ
=>ドゥームフィスト収監の話は6-2参照
オーバーウォッチ講座:オーバウォッチの歴史、ストーリー その6-2 崩壊していくヒーローたち - citrussinのチラシの裏
タロン内で一大派閥を作り上げ、タロン内の政治闘争を制していた幹部アカンデ・オグンディム(3代目ドゥームフィスト)。
彼が収監されたことでタロンの中では大きく方向転換がなされようとしていた。
ドゥームフィストに座を奪われていた男、ヴィアリが動き出したのだ。
=>タロンの幹部:ヴィアリについては、4-3参照。
=>オーバーウォッチ講座:オーバウォッチの歴史、ストーリー その4-3 凋落への序章 - citrussinのチラシの裏
タロンの幹部ヴィアリはタロンの教義を信じていない人間だ。
- タロン幹部の一人ヴィアリ。名前からしてもイタリア人かね?
彼にとって組織とは「富と権力を手に入れるための共同体」であり、アカンデの「理想や大きな争いを起こすという目的ために、不利益な因子をあえて容認する」という原理とは全く思想が異なっていた。
より大きく、より強く、そしてより富と権力をもたらすために、組織とは営利主義であるべきである。
「争いが人を進化させる」という教義に狂うアカンデとは、まるで対照的な人物だ。
ヴィアリに将来に渡る教義的ビジョンはない。
現在の富が優先だ。
とはいえ、わかりやすい利益は人を集める。
アカンデがウィンストンに捕らえられ監獄に収監された後、ヴィアリはタロンの政治闘争を制し、ドゥームフィストの派閥を排除していった。
多大なるカリスマを持つアカンデだが、監獄の中に長く閉じ込められ、その求心力は日増しに弱まるばかりだ。
活動資金の管理もままならず、ドゥームフィスト派閥の力は低下し、タロンの姿はヴィアリの目的にそうようになっていった
すなわち、
「紛争の火種をばらまくよりも、暴力によって富と権力の獲得を目指す」ありきたりな”テロ組織”となろうとしていた。
最悪の3人組
死神と恐れられ数々の戦場で死体の山を築き上げた謎の傭兵リーパー。
タロンと共闘関係を築いた彼は、監獄から指示を出すドゥームフィストと密かに接近する。
(ココらへんのリーパーが如何にドゥームフィストと協調したのかは不明)
世界中に散らばった元オーバーウォッチメンバーの殺害と、ドゥームフィストの「今後に向けてのプラン」について協力していくことになった。
=>リーパーについては7-3
=>オーバーウォッチ講座:オーバウォッチの歴史、ストーリー その7-3 3人の元英雄 - citrussinのチラシの裏
そして、タロンのもとには今、ルメリコを崩壊せしめた世界最強のハッカーと、テサルカやアナ・アマリさえ葬った世界最高のスナイパーがいる。
当然もっとも重要なミッションは彼らに任せられることになる。
ソンブラもリーパーも、一応ウィドウメイカーも基本的にはドゥームフィスト側の派閥に属してはいたが、だからといってヴィアリが掌握したタロンからの仕事をはねのけることはなかった。
時折タロンからの重大な仕事が入ると、度々ソンブラ、リーパー、ウィドウメイカーは手を組みながらあらゆる任務をこなすこととなる。
そうしてタロンからの任務をこなしつつ、彼らはドゥームフィストと密かに連携を取り、計画を進めていった。
ロシア:ヴォルスカヤ襲撃事件
乗っ取られたルメリコのジグラット
ルメリコのシステムはもはやソンブラととあるハッカーに完全に乗っ取られていた。
=>10-2参照
=>オーバーウォッチ講座:オーバウォッチの歴史、ストーリー その10-2 タロンの暗躍:ソンブラVSルメリコ - citrussinのチラシの裏
HP上には、「次の目的のためのリソースが得られた」と祝うドクロマーク。
そして、乗っ取られたシステム上では奇妙なプロトコルが走っていた。
...Estableciendo conexiуn...
...Protocolo Sombra v2.3 iniciado......Desviando datos del zigurat de LumériCo hacia el objetivo...
...Descifrando contraseсas del objetivo...
...Acceso otorgado al directorio de volskayaindustries.com......boop ;)...
...Terminando conexión...
...LumériCoジグラットからターゲットにデータを転送中...
...ターゲットのパスワードを解読中...
...volskayaindustries.comのアクセス権を取得......ブープ ;)....
ソンブラはルメリコ後略の裏側で、乗っ取ったジグラットを踏み台に密かにヴォルスカヤへと手を進めていた。
ちなみにブープは後述するカティアの秘密を皮肉ったものです
ソンブラARG : ミスディレクション
ソンブラARGについては10-1
=>オーバーウォッチ講座:オーバウォッチの歴史、ストーリー その10-1 タロンの暗躍:ルメリコ崩壊前夜 - citrussinのチラシの裏
ソンブラがHPを乗っ取った時点でルメリコのHPにロスムエルトスのドクロマークが出る。
TOPページにはソンブラからのメッセージ
Good job, folks. I would not have done it without your help. Anyway, I got the resources needed for my next hit - you'll love it. Expect to hear from me in the coming days... I'm going to send something to thank you ... Hopefully you can use it. Dasvidanya friends
皆さん良い仕事だったわ。あなたの助けなしではなしえなかったでしょう。
とにかく、次の目的に必要なリソースを手に入れたわ。あなたも気に入ってくれると思う。
また今度私からの連絡を期待してて・・・・感謝の印に何か送るわ・・・使ってくれると嬉しい。
Dasvidanya friends
Dasvidanyは、досвиданьяの表音=>つまりロシア語でgood bye friendの意味です。
次はロシアですよーということを示しつつ、ユーモアをきかせたものだと思います。
ここでいう「感謝の印」は、ARGイベントの後新規スプレーという形でPC版のみに配信されました。
- PC限定で新規に追加されたスプレー「Díade Los Muertos」
- 日本語名は「死者の日」
TOPページのソースコードを見ると、コメントが追加されていて
「MISDIRECTION」
となっている。
今までと同じ様に/MISDIRECTION/index.htmlへとアクセスすると、下記ソンブラ・プロトコル2.3のログ
...Estableciendo conexiуn...
...Protocolo Sombra v2.3 iniciado......Desviando datos del zigurat de LumériCo hacia el objetivo...
...Descifrando contraseсas del objetivo...
...Acceso otorgado al directorio de volskayaindustries.com......boop ;)...
...Terminando conexión...
襲われたVolskayaIndustries
「どこが世界最先端のセキュリティーなんだか」
ロシアの国家プロジェクトを推進する国策企業VolskayaIndustries。
彼らは今、Svyatogorの次世代機である巨大メックを開発していた。
コレが製造されれば、全てのオムニックを駆逐できることだろう。。。
企業のCEO Katya・Volskaya(カティア・ヴォルスカヤ)はそう信じていた。
- ちなみに、彼女の家がVolskayaマップ攻撃側開始地点(教会)の前に立っている。
- 家の中にはヴォルスカヤ親子の写真や、カティアの肖像画、次世代メックの図形が置いてあります。
- ヒールパックもあるよ!
しかし、カティアの目的と強情なまでの自前主義は、タロンの支配を受け入れない障害となるものだ。
特にドゥームフィストに変わりタロン内で勢力を増したヴィアリ率いる一派としては、見逃せないものだった。。。
そして、タロンはカティア・ヴォルスカヤの殺害計画に打って出る。
(ドゥームフィスト派閥は、彼女の強情なまでのオムニック敵視から”カティアは利用価値のある人間”とみなしています)
ソンブラによっていとも簡単にハッキングされた世界最高クラスのセキュリティーシステム。
ウィドウメイカーとリーパーは何の苦労もなくVolskayaIndustries内部に侵入する。
無反応の警備システムを乗り越え、カティアが視察する次世代機開発場に潜入する二人。
そして、侵入者は視界にカティアを捕らえた。
ウィドウメイカーが狙撃位置につき、彼女の構えたスコープが、カティア・ヴォルスカヤの頭を射抜くその瞬間。
何故か、けたたましく警報が鳴り響いた。
ウィドウメイカーの一撃はとっさにかわされ、追走撃が繰り広げられた。
しかしウィドウとリーパーはセキュリティーの妨害を受け、ソンブラだけが(彼女の目論見通り)カティアに肉薄する。
そして・・・・秘密のお話がなされた。
最終的に言えば、警備システムによってタロンの目論見は達成できず、3人の任務は失敗となる。
この事件の顛末は下記公式短編アニメーション参照
www.youtube.com
ソンブラが何を狙ってタロンに身を寄せているのかの一端がわかります。
(あと、リーパーのおちゃめなところも。こいつ復讐復讐って言ってるけど、根は面倒見のいいおっちゃんだからなー)
マップ:VolskayaIndustriesについて
おそらくですが、アサルトマップであるVolskayaIndustriesはこの戦いを描いているのではないかなーと思います。
攻撃側は教会に潜み、閉ざされたゲートがハックされて開くのを待って、まず市街地から潜入。
工場前の搬出エリア?(A拠点)を占領します。
- 開かれたまま閉じられない第一ゲート
- A拠点には作りかけで最終工程を待つSvyatogorと搬出口
無事出入り口を確保したら、次は工場内部に潜入。
Svyatogorが作られている工場中心部(拠点B)を制圧します。
- 閉じられない工場ゲート
- 工場最深部と奥に見える完成したてのSvyatogor
以上、タロンの暗躍によって行われた2つの事件の顛末でした。
次回は”現在”。
オーバーウォッチ発売日のオープニングエピソード「博物館襲撃事件」を予定しています。
関連記事
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- 前回 その10-3
- 次回 その11
- ランクマ攻略記事目次
- リライトした初心者向けキャラ別最低限知っておいたほうが良い知識