citrussinのチラシの裏

ゲームや読書感想、日々のことを適当につづる日記。TwitterID @sinensis197

オーバーウォッチ講座:オーバウォッチの歴史、ストーリー その6-1 死にゆくもの去りゆくもの

初めての方はストーリー記事その1へ(リンク)



前回までは、
www.citrussin.com

オーバーウォッチ凋落の際に起こった世界的事件の話をしました。
その6は本題。
すなわちオーバーウォッチの凋落開始です。


 

ラクワ夫妻の悲劇

ジェラール・ラクワVSタロン

オーバーウォッチでも屈指の実力をもつヒーロー:ジェラール・ラクロア。
ヴェネチア事件のあとも、彼とタロンとの戦いは延々と続いていた。


爆破事件は4-2。ジェラール結婚は3参照

アントニオによるローマでの爆破事件で大怪我を負ったジェラールであったが、その後奇跡の復活を果たす。
彼はヴェネチア事件後も対タロン作戦のリーダーとして辣腕を振るい、大きな犠牲を払いつつも彼らに対抗していた。


タロンによるオーバーウォッチへの破壊工作。
ときには、様々なオーバーウォッチの汚職情報や流言飛語、政治工作といった情報戦。
ときには、オーバーウォッチの任務を邪魔するあらゆる妨害行動。
ときには、直接的なオーバーウォッチメンバーへの暗殺計画。
あの手この手でオーバーウォッチを破滅させようと蠢くタロンの精鋭に、しかしジェラールはその計画の尽くを封殺していった。


オーバーウォッチ対タロンの戦いは苛烈を増し、当然タロンはジェラールをあの手この手で排除しようと動き出す。
数々の暗殺者や政治工作、武力と権謀術数。硬軟織り交ぜた暗躍でジェラールを排除しようとするも、彼はその度に窮地を逃れ、逆にタロンを追い詰めていった。


延々と障害となりつづけるオーバーウォッチ随一のエージェント。
もはや一刻の猶予もない。
ジェラールに業を煮やしたタロンは、ジェラール本人ではなくその妻アメリに目をつけることとなる


誘拐されたアメリとジェラールの死

その日、ジェラールの妻アメリ・ラクロアがタロンの構成員によって誘拐された。
予期せぬ事態にジェラールとオーバーウォッチメンバーは手段の限りを尽して、アメリの情報を追った。
数日後なんとか妻の居場所を突き止めることに成功した彼らが発見したのは、たった一人倒れ伏す彼女の姿であった。
幸いにも彼女の体には異常も何ひとつなく、彼女は無事日常生活へと戻ったかに見えた。。。。
(このアメリ救出作戦についての公式からの詳しいエピソードはなし)


しかし、すでにタロンによる神経操作実験の被験体とされた彼女の意志と人格は破壊され、彼女は潜在化で“スリーパー”エージェント(眠れる暗殺者)となっていた。
2週間後、”スイッチ”の入ったアメリは睡眠中のジェラールを殺害し、証拠を消して逃走。


オーバーウォッチは、手段不明の暗殺によりジェラールとアメリが死亡したと判断することとなった。

  • 殺人鬼と化したアメリ・ラクロア

タロンアメリ


この日、オーバーウォッチはタロンの手から組織を守り続けた偉大なヒーローを失うこととなったのだ。


ウィドウメイカーの誕生

”ジェラールの殺害”
任された使命を無事完了した暗殺者アメリはタロンに帰還。
彼らは仕上げとして、アメリを人間兵器へと改造する。
すでに彼女の人格はなく、徹底した隠密技能の集中訓練に加え、生理機能をも改造。
彼女の心拍数、体温は極端に低下し肌は青ざめ、人であったときの名残はもう無い。
人間的な感情をすべて失った彼女は、もはやアメリではなかった。

感情を失なった非の打ちどころなきタロン最高の暗殺者、ウィドウメイカー
彼女が心を震わせるのは、一発の銃弾が標的に命中した時に起こる、任務達成の満足感だけである
ウィドウメイカー立ち絵

とは言え、試合前会話

アナ「そなたを愛したことがジェラールの最大の過ちだ」
ウィドウ「あなたにジェラールの何が分かる!」

と声を荒げていることから、旦那への想いは完全に消せなかった模様。
そこら辺がウィドウの悲劇を一層強くしてますねー。

デスマッチマップ:Chateau Guillard

デスマッチマップとして採用された城、シャトー・ギラードはその名の通りアメリ・ギラード=アメリ・ラクロア=ウィドウメイカーの実家。

何百年も続くギラード家は、フランスの貴族としてフランス南東のAnnecy(アヌシーまたはアネシー)にシャトーを築き居城としていた。
とはいえ、フランス革命以後の数十年間でギラード家も他の貴族同様力が衰えていき、それに従ってシャトーも徐々に荒廃していく。

荒廃にまかせ、人も寄り付かなくなっていたギラード家代々の城であったが、近年、シャトーは新たな主人を得た。

タロンのエージェント:ウィドウメイカーはその資産を使い先祖代々の家を隠れ家としたのだ。
シャトー・ギラードには、ウィドウメイカーの作業環境や最近の動向が知れる様々なものが存在する。

  • シャトー・ギラード外観

シャトー・ギラード外観

  • 向こう岸にはAnnecyの町並み

Annecy

  • ウィドウメイカーの作業部屋には小物類。
    • 机の上に乗っているチケットは、パリ:シャルル・ド・ゴール空港からニース:コートダジュール空港への飛行機搭乗券

ウィドウメイカーの作業部屋

  • 机に立てかけられているのは、ウィドウメイカーのスナイパーライフル:ウィドウ・キッス

ウィドウ・キッス

  • 本棚に立てかけられた、「アメリとジェラールの結婚写真」が物悲しい
    • 自ら手にかけた最愛の夫。彼女の心中は彼女にしかわからない。

アメリとジェラールの結婚写真

  • PCにはモナコへの旅行のためのメール

PCにはmonaco旅行のためのメール


メール内容適当意訳

こんにちは。マダム・ギラード

このメールは、午後9時30分にリムジンがニース - コートダジュール空港に到着し、あなたの到着を予定通り待つことを確認するものです。
ニースとモナコの間のドライブは、約30分かかります。
もちろん、あなたの都合でこの予約を変更することができます。
もし、その他にご要望があれば、なんでもお申し付けください。


つうことで、どうもパリから、モナコに行くようですね。
でも、アヌシーからならジュネーブ空港からニースに飛ぶだろうしなぁ。。。。


しかもウィドウはラクロアではなく、「ギラード夫人(Madame Guillard)」とギラード性を名乗っているところが面白い。


オーバーウォッチの凋落

ジェラールの排除に成功し勢いづいたタロンに、オーバーウォッチは後手に回らざるを得なくなった。
次々とタロンの妨害は成功し、オーバーウォッチは内外に不安を抱え任務失敗も頻発するようになる。
更にブラックウォッチが犯した違法行為暴露や正体不明の【オーバーウォッチ内部協力者】からの様々な告発が世界をゆるがし、オーバーウォッチは信用されなくなっていく。


いつまで立っても終わらない世界的なテロ騒動。
次々と明らかになるオーバーウォッチの汚職行為。
タロンVSオーバーウォッチという裏事情を知らない一般市民からすれば、それはオーバーウォッチの傲慢にしか見えなかった。
そしてその不満を増長するかのように、ある噂が囁かれるようになる。

「このテロや世界中の混乱を引き起こしているのは、オーバーウォッチ自身なのではないか?」
「オーバーウォッチ自身が、テロ組織に手を貸しているのではないか?」

誰がいい出したかもわからない噂。
(多分タロンの破壊工作なのだとは思いますが、真実は不明)
しかしそれは不自然なまでに急速に世界中へと広まった。

そして実際に、ブラックウォッチには数々のテロ組織のメンバーが在籍していた。
マッド・サイエンティスト:モイラ・オデオレイン。
デッドロックギャングの生き残り:ジェシー・マクリー。
シマダ・クランの頭領息子:シマダ・ゲンジ。
何れも世界的に有名な悪党である。

世界中の混乱は、ある種の真実味を持って語られ、そして民衆の糾弾は日に日に増加していった。
私達が不幸なのは、全てオーバーウォッチが悪い!!」
メディアはまるで誰かに操られているように一斉にオーバーウォッチへの批判を繰り返すようになり、民衆はそれを信じていった。

ラインハルトの引退

ラインハルトの誓いの話はその1-2参照
=>オーバーウォッチ講座:オーバウォッチの歴史、ストーリーまとめ その1-2 オーバーウォッチの結成 - citrussinのチラシの裏



オーバーウォッチがジェラールを失った時期に、もうひとりのオーバーウォッチ古参メンバーが組織を去ることになる。
ラインハルト・ヴィルヘルム。
左目の傷は「みんなの盾となる」という友との誓いを示す。
J8が誇るクルセイダーアーマーをかぶり、オムニック・クライシスを終結へと導いた彼は、クライシス後も頑健な戦士として名を馳せた。

数々の危険な任務から味方を救い、その独特な倫理観と豪快な性格で多くの仲間から敬意を集めた男。
相手が誰であっても臆せず主張し、ときには厳しい批評も辞さず、オーバーウォッチの「声」となって皆を支えた男。
彼の存在は、オーバーウォッチが正義の組織であることを人々に改めて認識させるに足るものであった。

しかし、そんなラインハルトも50代後半。
オーバーウォッチ上層部は高齢を理由に「あなたがいては戦闘任務に支障が出る」と彼に引退を迫った。
そして、ラインハルトは為す術なく、半強制的に、半ば追い出されるようにオーバーウォッチを去っていった。
(ブリギッテとトールビョーンいわく、非常に不当で無理やりな追い出しであった・・とのこと)

仲間を守り、正義をなし、世界のために戦った、あの今栄光と意欲に満ちた輝かしい日々が終わる。
引退したラインハルトは、何よりそのことを恐れていた。
今世間はオーバーウォッチをバッシングし、オーバーウォッチの腐敗とテロへの扇動疑惑が騒がれ、仲間たちは民衆の非難にさらされている。
しかし、オーバーウォッチから追い出された彼にはもはや何もできない。
仲間を守ることも、かばうことも。
あのとき死にゆく友と誓った「仲間を守る」という誓いさえ、果たせずに。

かつて仲間たちと命をかけた大義に泥が塗られるさまを、ラインハルトはただ指をくわえて見ているしかなかった。



アナ・アマリ隊壊滅と失われたラーの眼

世界最高のスナイパー、アナ・アマリの両目は特別製である。
通常の6倍もの視力を持つ彼女の目は、殆どの場合スコープすら必要としない。
そして彼女のスナイプの極意は、敵に対して躊躇しないこと。

自らもファリーハというかわいい娘をもち、オーバーウォッチの実働部隊からは”おふくろ”と呼ばれ慕われている。
しかし思うのだ。自らがその右目で狙い定め頭を撃ち抜いた彼らにも、家族がいたのではないだろうかと。
せめて一撃であの世に送るのが、彼女の最大の手向けだった。

オーバーウォッチを支える副司令として、ジャックやガブリエルと計画立案をしながらも50歳にして未だに現場に出撃するアナ・アマリ。
彼女の存在はオーバーウォッチに無くてはならないものだった。

ジェラールが死に、タロンの暗躍へ後手に回るオーバーウォッチ。
ある日、アナ隊が参加したとある人質救出任務中に、タロンの凄腕スナイパーに待ち伏せされることとなる。
その優れたスナイプ技術に、一人、また一人と倒れていく家族同然の実働部隊達。

「私は家族を守れなかった。しかしもう二度としくじらない」
敵スナイパーの攻撃を躱しながら、敵の位置を掴み必殺の照準を合わせたその時。
彼女の右目に映ったのは、かつての友ジェラールが愛し、彼とともに殺されたはずの女性アメリ・ラクロアの姿だった。
戦場で初めて起こしたその一瞬の躊躇が彼女から光を奪う。
ウィドウメイカーの放った弾が、スコープを通してアナの右目を貫いたのだ。


「私は、もう終わりだ。しかし、私の家族は誰が守ってくれる?」
かつては親友の妻アメリ、今はウィドウメイカーと呼ばれるタロンの暗殺者に狙撃され倒れ伏した体。
その日、世界最高のスナイパー アナ・アマリは命を落とした――誰もがそう思っていた。


アナとウィドウメイカーの戦いは公式webコミック「受け継ぐもの」参照
Blizzard | Overwatch Comic








以上。
次回はオーバーウォッチ解体前夜


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