前回、ケムコの名作怪奇サスペンス「レイジングループ」を攻略しまして
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内容の良さもさることながらキャラクター造形が魅力的なライターさんだったので、俄然前作「DMLC」が気になりました。
めー子ちゃんのその後も気になりますし。
ということで、前作にして、時系列的にはレイジングループの10年後の話。
レイジングループextraシナリオ5でヒツジさんが危惧していた問題。
ジンクスシリーズ第一作目
告白されたら爆発する。死をかけたラブコメ「D.M.L.C. -デスマッチラブコメ- 」
- 公式=>D.M.L.C | スマートフォン
- WiiU版サイト
- youtubeのPV
WiiU版クリアしました。
感想雑記
注:この記事は「D.M.L.C. -デスマッチラブコメ- 」の致命的でないネタバレを含みます
- ケムコのADVって?
- 知っておくといいこと
- あらすじ
- 次回作のレイジングループを先に読んだことの雑感
- 様々な複雑な裏事情を土台にした薄氷の上で踊るデスマッチラブコメ
- 今回も仄めかしが素晴らしかった。
- 低予算をカバーする魅力的なキャラクター造形
- 賛否両論点
- 問題点
- 推奨攻略順
- 総括
- 関連記事
ケムコのADVって?
前回参照
=>レイジングループ感想記事:ケムコとは
シナリオライター:amphibian氏を擁する、いわゆる「デスゲームもの」を得意とするADVブランドです。
様々な憶測を呼ぶ意味深なテキスト、数々の伏線とそれをキレイに回収する手腕。
そして、強烈な個性を持ちつつ一貫して信念を揺るがさない魅力的なキャラクター造りが素敵な制作会社です。
今回は、そんなケムコADVチームがなんとラブコメを作りましたよ!・・・・と見せかけて。
っていう作品です。
知っておくといいこと
- ヒントコーナー「とろりんの巣」は、ヒントだけでなくその後起こったことなども教えてくれます。是非読みましょう。
- 選択肢がある程度絡まってます。選択肢の前は別枠での(上書きせずに新規での)セーブ推奨
- TIPSは、「今まで出た伏線や布石」の一覧です。が、真ルートのとある演出にも関わります。ちら見しておいても悪くないでしょう。
あらすじ
誰だって、弱い心を持っている。
思春期の少年少女ならなおさらだ。
でも、弱い心は時として形をなして実体を持って、おかしなことを起こす。
それは三角関係だったり、”三人縛りの天使様”だったり。
心に巣食う有刺鉄線だったり、たまには見たくない現実を”なかったコト”にしてみたり。
はたまた予言なんてものを嗜んでみたり。
そして、時には、一人の少年が「告白されると爆発」する呪いをかけられたり。
でも、きっとそれは僕らの中にある僕ら自身のことだから。
高校に入って、バカ話ができる親友ができて、仲のいい女の子なんかもいて。
そして、ある日。
矢木景は学校の中庭で、学内でも有数の美少女にして問題児:津野るみ子と白詰乙羽から中庭に呼び出される。
ワクワクする思い、ドキドキする心、そこはかとない不安感。
思春期真っ只中の少年は、二人の美少女に告白され・・・・・
彼の体は爆発した。
あたり一面に巻き上がる粉塵と高熱。破壊される学校。
死屍累々の焼死体。その圧倒的な威力を示すかのように撒き散らされる破壊痕。
ーーーそして、直後全ては”なかったことになって”元通りになった。
幻覚?幻聴?幻痛?
野次馬根性丸出しで見に来ていた友達4人も、「確かに爆発した」と口にする。
傍らには謎のピンクの浮遊物。
「今回はお試し。次からは本当に死ぬから気をつけろ」
そう。矢木景は、なぜだか告白されると爆発する体になっていた・・・
この現象は呪い?それとも夢?
その日から景たち7人は、爆発を回避するために原因を突き止めようと奮闘する。
誰かのために誰かを呪う「三人縛りの天使様」
放課後になると強制的に熱に浮かされ景に愛を告げようと迫る「るみ子と乙羽の暴走タイム」
広がっていく「三人縛りの天使様」の噂と、三つ編みの少女。
予言めいたことを言う友人。
”なかったことになった”現実。
たんなる三角関係の、たんなるラブコメの、単なる7人の友情物語だったはずが・・・
謎の怪異と現象が次々と勃発し、事態は思わぬ方向に動き出す。
コレは「告白されると爆死する」という奇妙な体質になってしまった少年が、自分を好きだと言う美少女二人のアプローチを避けながら爆死の原因を突き止める。
世にも奇妙奇天烈な、デスマッチラブコメ怪奇譚。
めー子チャンこんなに大きくなって(´;ω;`)
レイジングループのあの人やこの人がひっそりと出てきます。
まぁ正確に言うと、この物語とつなげるために、あの人の名前が決まったりしたんでしょうが。
一応制作されたのはDMLCが先だから、そこに妄想の羽根を伸ばすのは辻褄が合いにくくなるんですけどね。
でも、時系列的にはレイジングループ=>数年後=>DMLCなので・・・まぁ、うん。
っていうか、めー子ちゃん掛け算女子になっちゃんったんね(ノ∀`)タハー
房石さんも腐った妄想の餌食になったんだろうか。
レイジングループextra5最後を考えるに、間違いなく餌食になってんだろなぁ。
次回作のレイジングループを先に読んだことの雑感
致命的な問題にはなりませんでした。
十分に楽しめましたし、先に「10年前」を知っていることで、更に妄想を飛躍させることが出来ました。
ただし、得したこともあった反面、部分的には不具合もありました。
- めー子ちゃん可愛いよめー子ちゃん。
- レイジングループではいまいちキャラが掴みづらかっためー子ちゃんが満を持してメインキャラへ。可愛すぎる。
- 特に「めー子ちゃんの過去」や「房石さんとの約束」を知っていることで、彼女に格別の愛着がわきました(*´∀`*)。
- めー子ちゃんの正体を知っていることでの不具合
- デスマッチラブコメがただのラブコメじゃなくて、ジンクスを交えたシリアスものだと身構えてしまう
- 起こった怪奇現象も、ある程度読みとけてしまい、怪奇度や驚きが薄い。
- extraシナリオや、めー子ちゃんの権能の一つについて楽しく
- レイジングループで登場したあれこれがアレコレします。
- あの名前って、真ん中取ったんですよね。ってことは他の子もそれで読み解けるんですかね。
- レイジングループのextra5の最後は、デスマッチラブコメの最後
- なので、デスマッチラブコメのラストシーンの後の一幕を知っていることで、最後のスチルが更に楽しくなった気がします。
- まぁ、これはどちらかというと、本来はレイジングループプレイ後に感じるべき話なんでしょうが
- UIが・・・
- レイジングループで洗練されたUIが、今作ではまだまだ荒削りすぎます。
- そのため、イライラする場面が出てくる。
- チャート機能ほしぃ(´・ω・`)
様々な複雑な裏事情を土台にした薄氷の上で踊るデスマッチラブコメ
まず名前からしてぎょっとする。
「デスマッチ」であり、「ラブコメ」。
そんで、次に設定に興味を惹かれる。
「告白されたら、爆発する」
その「ある種の違和感」を裏切らない、多様で名状しがたいラブコメでした。
序盤はもうべったべたの定番ラブコメ。
意図的なのか、書き慣れてないのか、ちょい下ネタギャグや唐突なギャグが多すぎる感じがします。
そこは少々残念。
暴力系ヒロインがいて、不思議クール系ヒロインがいて、バカがやれる友人と、ヒロインたちの友達で「アレこっちのほうが魅力的じゃね?」っていうサブヒロインがいて。
そんな7人で、不思議な出来事を解決しようと奔走する。
いやぁ、ほんとに王道ラブコメ・・・・だったんだよなぁ。
でもね、そんなラブコメの端々にケムコの得意の不穏当で意味深なテキストがふんだんにあって。
「どう考えてもおかしい」出来事が頻発して。
しかもギャグで済ますかと思ってた色々な「ラブコメ的要素」にも違和感があって。
例えば「爆発のギャグの後ろで、実際に主人公が爆発の余波で大量の吐血をする」とか、「暴力ヒロインが実際に町を破壊して、それにガチで怯えなくてはいけない」とか。
「バカバカしいデッドエンドの結果、大量の死者がでる」とか。
読み進めるごとにそんな不穏当さが膨張していき、徐々に徐々に主人公の周りの雲行きも怪しくなってきました。
最初は「告白されたら爆発するから、告白されないようにしないとね」っていう一風変わったラブコメだったのにね。
中盤からはそんなお気楽ご都合主義が影も形も・・・(´・ω・`)
話が二転三転し、あっちにこっちに奔走し、ライターの思惑に振り回されること数時間。
後半はほぼシリアスになり、伏線が尽く詳らかになっていき、急転直下でENDしました。
いやぁ、ここまでとっちらかって複雑になった話をよくもまぁ纏めたものです。
後から読み返すと、様々な事象や一見意味のない会話、些細な一言が伏線になっているのがよく分かる。
インパクト重視かと思った「告白されたら爆死」や「デスマッチラブコメ」にさえ、根深い問題が食い込み。それらが最後までキレイに伏線として畳まれていく。
序盤からは全く想像できない話に広がって、楽しく読ませてもらいました。
そして、さすがの如く。
次から次へと新たな怪奇現象が起こり、物語が破綻しているようで、現象に一貫性があり、全てに原因があり、最初の茶番劇にすら様々な伏線が引いてある。
日常の裏側が非常に複雑怪奇に絡み合った現代怪奇譚でありました。
正しくデスマッチ✕ラブコメ
ラブコメの文脈を正しく守りつつ、デスゲーム系の不穏当さが引き出されているというか。
デスマッチ要素がきっちりデスマッチ要素として織りなされている。
「ある日急に死亡を伴うゲームを強要され」「原因や犯人を探りつつ共闘や裏切りを重ね」「最初のありきたりな人間関係が見たこともない模様に様変わりしていく」
うむ。ある意味コレはいつもどおりのデスゲームといえそうです。
レイジングループでもそうだったけど、「どんどん意味深な出来事、違和感、謎が増えていき、その真相がちょっとづつ明らかになることで読者を飽きさせないように誘導する」という手筋と構成は見事でした。
ある意味残念なのは、レイジングループを先にやったことで
「めー子ちゃんの正体をある程度知っている」
ことですかね。
おかげで最初っから構えまくってました。
幾つかの怪奇現象も、「まぁ、めー子ちゃんがいるしな(´・ω・`)」で終わらせてしまったしなぁ。
今回も仄めかしが素晴らしかった。
ケムコADVチームお得意?の「多様な伏線と布石」や「巧妙な言葉選び」。
いや、まさかあんなところの言動までが最後に繋がるとは思いもしなかった。
今回は暴露モードや便利なチャート機能がないので、読み返しが不便なことがとても残念でならないです。
様々な言葉が後の伏線になっており、その時の話だけを読むと唐突感や後出し、または勢い任せのように感じられるんですよ。
猛烈な違和感や、痛々しい文章。前後がつながっていないかのような不当さ。
しかし、全てが明かされて改めて思い返すor最初から読み返すと、意外なところで意外な言葉が伏線になっていて・・・・ということに気がつく。
中にはこんなに前から張られてたか!と驚愕することもしばしばありました。
まさか、最初の最初に「デスマッチラブコメ」とるみ子が名前をつけたのが、こんな伏線になるとは・・・・
さらに言えば、今回は暴露モードこそありませんが、各ヒロインENDに真ルートの仄めかしが入ります。
「黒幕は思った。この結末はXXXXXXである」
「怪物は思った。この結末は〇〇〇〇である」
「ーーは思った。この結末はーーーーである」
・・・・
みたいな。
各ヒロインENDにて、「裏にいるやつら」がどんな思いでこのENDを見ているかが綴られるんですよ。
この「ほのめかすだけほのめかすEND」がいい味出してますね。
こういうのまじで気になるんですよ。
「あれ、さっきのルートでは”こう言ってた”ってことは、こいつの目的は”こういうこと”なんじゃないかな」
みたいな、憶測が立てられたりして。
低予算をカバーする魅力的なキャラクター造形
どうも予算がなかったらしく、立ち絵や登場人物がほとんどいません。
なので黒幕当てという意味では、候補がかなり絞られてしまう。
まぁ、それでも最後まで振り回してくれたストーリーテラーには脱帽しますが。
そんな低予算の中で動き回る彼ら登場人物はまさに少数精鋭。
いや、ホント登場人物のキャラ
特にヒロイン勢4人。
まじで全員かわいい( ・∀・)
序盤明かされるラブコメ的テンプレ設定での個性が、次々と明かされる真実を持って徐々に変遷するのがすごくいいです。
最初に思ってたキャラクターが、実は様々な思いや個性を秘めていて。
全員キャラが濃くてめんどくさくて、こういうヒロイン大好き。
個人的に一押しは志乃歌ちゃん。。。と言いたいところですが、やはりブラックおっぱいさんがですね。素敵です。
志乃歌ちゃんは脆さと醜さとそれをカバーして余りある気高さと母性がとても素敵で、こいつのENDが個人的には一番大好きです。
っていうか、プレイ中は八木くんのヒロインは終始志乃歌ちゃんでした。
しかし、ブラックおっぱいはブラックおっぱいさんなので。
一番好きなキャラクターを選べと言われたら、このポンコツ腹黒エロス実は純情etcetcな美弥様となります。
どこまでも頼りになり、でも肝心なところで八木くんに出し抜かれるポンコツ具合を晒し、悪人になろうとしてなりきれず、結局友達思いな行動をとってしまう。
ああ、ホント可愛い。
腹黒系大好き。
美弥様はどれだけからかってもいいってところがね。ドンドン深みに嵌りそうになる。
っていうか、るみ子と乙羽は暴走モードになるため主人公としては(爆死するので)近づきにくく、ほぼメインヒロインは志乃歌ちゃんと美弥様になってる感じがします。
もっと言えばるみ子と乙羽は、ある意味で主人公ですからね。二人の恋の変遷が全てを巻き込んで、複雑怪奇になっていく。
始まりも、終わりも、コイツら二人。
八木くんはある意味語り部に近い。
彼女たちは八木くんと一緒で、読者としては応援したいキャラであり、愛でるヒロインでは無い気がします。
女の子だけでなく、親友の亜須賀や隆斗。そしてみんな大好きとろりん。
そして、我らが八木景くん。
決してわかりやすいとは言えないストーリーや、とっつきづらい構成をしていながら最後まで一気に
ええ、それはもうそれぞれ違った魅力を持っているので、大いに語りたいところなんですが。
どう語っても重大なネタバレをしてしまう(´・ω・`;)
コイツら全員腹に一物抱え過ぎなんですよ
賛否両論点
to be continued・・・
作品内で全てが完結しない。
というよりも、今後のジンクスシリーズ(レイジングループのような)の土台を丹念に創った感じがする。
特にextraシナリオを読むと、「ここからが事件本番」って感じがする。
教会、学会、ななつ子の黒山羊、牧羊犬、レイジングループの10年後のヒツジさん。
ラブコメじゃないしサスペンスでもない
中盤からシリアス入ります。
底抜けに明るいギャグとか、安心して読めるラブコメディを求めた人には合わない。
かといってシリアスまみれなサスペンスでもない。
真剣に読もうとスタートした人は、怒涛のようにやってくるギャグや下ネタに辟易するだろう。
だから、やっぱこれは「デスマッチ・ラブコメ」何だよなぁ。
キャラクターの個性が読み進めないと分かりづらい
特にヒロイン勢を好きになれるかどうか。
私は大好きです!
が、人によるんじゃないかなぁ。
特に全員の複雑な事情やある種の歪んだ感情が曝け出されるのは中盤以降であり、
序盤で表面だけをなぞるような(そしてその裏になにかありそうな)テンプレ性格は、人を選ぶと思う。
例えばヒロインの一人である乙羽は、一見すると「理不尽暴力ヒロイン」の典型であり、昨今ではヘイトの対象であるキャラ付けがされてる。
まぁ、当然読み進めていくと「暴力を振るう理由」や「彼女自身の葛藤」なんかもわかっていくんだけど、そこにたどりつくまでにある程度の時間は擁する。
例えばヒロインの一人であるるみ子は、ある程度読まんとよくわからんキャラで、魅力がかなり伝わりにくい。
(ヒロインはほぼ全員そうだが)数々の真相を経てようやく人物像が特定出来るようになっていて、こいつをパッケージヒロインに据えたのはある意味挑戦だと思う。
そういう事情から、おそらく多くの人は(初見でもわかりやすい)九段志乃歌ちゃんやおっぱいに走るだろうし、私も九段ちゃん大好きだし。(当然おっぱいは言わずともがなだし)
でも志乃歌も志乃歌で歪んでるし、
美弥様は・・・・大好きです(*´∀`*)
なんで、ちゃんと読み進めないキャラ付けが確定しないので、ラブコメに初速を求める人は、最初が辛いかもしれない。
下ネタが大量。悪ふざけも大量。
幾つかは重要な伏線を帯びますが、それでも下ネタや悪ふざけがかなり多いです。
苦手な人は注意。
とはいえ、そういう「シリアスに対してどうしようもないとっ散らかったギャグで対抗する」ってのが、重要な話でもあるんで。
九段志乃歌について
志乃歌のあれこれは、おおよそ九段の名前を見ればわかることです。
あまりにあからさますぎて。
そして、extraシナリオにて、ある程度の事情も語られます。
ですが、九段を件と読めなければ、そして件とはなんぞやということを知らなければ「おい、何だこいつ」ってなるかもしれません。
他のキャラは(一応)作品内で解説されているにもかかわらず、彼女のことだけはほぼ「一般的な”件”の話を知っていること」が前提となっています。
わからなかった人は、読んだ後クダンで検索してください。
=>件 - Wikipedia
そう言えば以前、件が主人公なミステリコミックを紹介したりもしましたね。
あれはあれで異端だけど。
=>城平京×片瀬茶柴のミステリコミック「虚構推理」が面白かった。虚構の真実に嘘で挑む、良作”言葉遊び”ミステリー。【おすすめコミック紹介】 - citrussinのチラシの裏
土呂 鈴が
とろりんが攻略できません(´;ω;`)
なんでや?
問題点
UIが・・・
- バックログの戻れる上限がかなり短い
- (レイジングループでは実装された)チャート機能がない
- スキップ速度も早いとはいいづらい。
- 選択肢が複合や「選んでからずっとあとで効く」ものがある
一つ一つはそんなに大きくないんだけど、昨今の快適ADV事情を鑑みると、ここまで合わさると辛いものがあります・・・
ボイス無し
ひとによっては致命的。
まぁ、昔はボイス無しが当たり前だったしさ。
家計も月姫もうたわれもkey作品も、ていうかアリスソフトなんていまでも声ついてないしさ。
とはいえ、やっぱ声ほしいです(´・ω・`)
低予算感
- BGMが少ない
- このため無音区間がかなり存在する
- 効果音も少ない
- やたら爆発音を多用する
- 背景も少ない
- オレンジ色の背景が多用される
- 立ち絵もスチル(一枚絵)も少ない
- あのお風呂シーンぐらいはスチル入れても良かったんじゃないですかね(´;ω;`)
推奨攻略順
全BADを回収しつつ、ENDNoに沿った各ヒロインENDを順にクリアするのを推奨します。
END順番を文字に起こすと、
るり子=>志乃歌=>美弥=>乙羽=>真ルート
解説。
さて、このゲームはBADを交えた枝葉構成を取っており、基本は真ルートに向かいつつ
- 間違った選択肢を踏むと爆死BADEND
- ヒロインルート選択肢を踏むと、その時点で即特定ヒロインEND
- 全選択肢を真ルート選択肢で踏むと真ルート突入
となっています。
また、真ルートはかなり長く全体の1/3以上を締めます。
というか、考え方としては、「ヒロインルートも一種のBADEND」と見る向きが正しい気がします。
言い換えると、構成上
- 「ラブコメを繰り広げる序盤」
- 爆死BADエンドのみ
- 「シリアスに転向してく中盤」
- BADエンドと、ヒロインEND
- 「真ルートたる後半」
- 選択肢なし。最後に真END
となってます。
BAD選択肢を無視したヒロイン選択肢事例を解説します。
八木景の家出イベントからが中盤です。
家出後真ルートへ分岐するための選択肢フラグがあります。
選択肢フラグを立てないと、各ヒロインENDかBADENDかに強制着陸します。
家出後
- るみ子の問いかけに「反発する」、乙羽の問いかけに「正直に言う」
でフラグ1成立です。
その後、とある路地裏での美弥の問いかけ【「二人で」or「あくまで1人で」】に対し
フラグがどっちだろうが
- あくまで1人で=>命=>るり子END
フラグ1を満たさず(どちらか一方でも問いかけをミスる)
- 2人ならまあ => 志乃歌END
フラグ1を満たして、
- あくまで一人で=>「告白」=>本ルート
フラグを立てて「告白」を選んだ後ストーリーが進むと、さらに真相に近づくための選択肢が発生します。
- 夢の問いかけに「ミる」、美弥の問いかけに「今聞きたい」
でフラグ2です。
その後、
フラグがどっちだろうが
- 美弥のPCを「使う」=>美弥を「待つ」=>乙羽END
フラグ2を満たさず(どちらか一方でも問いかけをミスる)
- 美弥のPCを「使わない」=>美弥を待たずに「でも行く」=>美弥END
フラグ2を満たして
- 美弥のPCを「使う」=>美弥を待たずに「でも行く」=>真ルート
それ以外は全てBADENDとなります。
よって進め方としては
フラグ1を満たさず、るり子ENDと志乃歌END
↓
フラグ1を満たして、本ルート
↓
フラグ2を満たさず、美弥ENDと乙羽END
↓
フラグ2を満たして、真ルート
が、順番的に妥当と言えるかと思います。
ちなみに「フラグ2を満たして、乙羽と真ルートをクリアする」という方が一見(PC使用選択肢分)戻りが少なく見えますが、【フラグ2を満たさずPC使って「でも行く」を選ぶ】BADを拾う場合、回数は変わりません。よって、BAD全回収前提ならば、どっちでも一緒。
総括
レイジングループはどことなく「ひぐらしのなく頃に」を思い出したけど、こっちは月姫とかの古いエロゲを思い出しますね。
個人的には、文章構成というか、ジンクスの唐突さにお朱門ちゃんを思い出す。
確かに、低予算感やラブコメに不慣れなテキスト、不親切なUIは目に付く。
特にラブコメ(というかコメディ)を書き慣れてない感が結構しましたし、シリーズ第一作目ということで全体的に荒削り。
全体的な完成度としてはレイジングループのほうが上だと思います。
そもそも、レイジングループはamphibianの得意分野全力って感じがしましたし。
ですが、そんな不満を全てチャラにするぐらいのパワーと独自性で輝く作品だとも思います。
「リア充が実際爆発する」という強烈な設定と、それを見事に支える多様な伏線。
風呂敷を広げすぎて破綻しそうに見えながら、ちゃんと全て回収する巧妙なストーリーテーリング
謎が謎を呼び、話が二転三転する構成展開
そして何より、強烈なキャラクターたち。
「人を選ぶが、コアなファンはかなりコアになるゲーム」でした。
全体的な感想としては、
この7人の、この後の話が読みたい。
クリアした現在、彼らにめちゃくちゃ愛着が湧いてます。
extraのアレで生殺しを加速させやがって(´;ω;`)
第三のジンクスシリーズ頼みますよ。期待して待ってます(^○^)
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