citrussinのチラシの裏

ゲームや読書感想、日々のことを適当につづる日記。TwitterID @sinensis197

オーバーウォッチ講座:オーバウォッチの歴史、ストーリー その15 そして動き出す者たち

前回
www.citrussin.com

では、「ヌンバーニの災厄」脱獄に端を発する”セカンド・ドゥームフィストテロ”の結末までを話しました。
とうとう姿を表したタロン重鎮”3代目ドゥームフィスト”と、それによって目覚めた新たなヒーロー ”オリーサ”。
彼女の物語は、まだ紡がれ始めたばかりです。

しかし世界の未来に、オリーサや新生オーバーウォッチの準備を待つ余裕はありません。
なぜなら世界の各地で、いま、「一切見通せないほどの何か」が起こり始めているからです。
そして、世界の脈動につられるかのように”動き出した”者たちがいました。
今回はそんなお話。


もう十字架は背負わんよ

贖罪に生きる男

世界一不幸な男がいた。
世界一平和を愛し、世界一技術力を持ち、そして世界一その力を悪用され続けている男がいた。
昔も、そして今でさえ、「自分が開発した発明品で人々を幸せにする」という彼の願いが叶ったことはない。

トールビョーン・リンドホルム。
オーバーウォッチ黄金期を支えた天才技師。世界中の兵器の生みの親。
そして何より、「クライシスの悪夢の設計者」
『トールビョーンとは、オムニックの危険をいち早く突き止めていたにも関わらず、それを止めなかった男である』と、クライシス後に生まれた多くの人間たちが誤解している。
あのロシアの英雄アレクサンドラ・ザリアノヴァ(ザリア)でさえも、「トールビョーンがもっとしっかりしていれば、多くの命が助かった」と思っているのだ。


トールビョーンという稀代の天才は、その才能と人生の大半を贖罪に費やす。
嘗て、彼は「多くの人を救う発明をする」と誓う若き天才であった。
その誓いのまま、研究開発グループ「Ironclad Guild」に所属し、多くの画期的な発明をやってのけた。
治安維持用ロボット:バスティオンや土木建築用ロボット:タイタンを始めとするあらゆる画期的な機械の発明。
ーーーーーだが彼の発明は、政府や企業により軍事転用された。
バスティオンは「鎮圧用兵器」に、タイタンは「都市攻撃用兵器」にと、様々な発明品がその運用方法を変更されて現場に投入されていったのだ。
そしてついには、暴走オムニックによって改良を施された彼の発明の多くが「人類虐殺機械」へと姿を変えた。

彼は、その”発明の結果”をとても重く受け止めていた。
それは、彼が初代オーバーウォッチに参加したことからもわかる。
トールビョーンは、オーバーウォッチのために自身があれ程に嫌がっていた”兵器”を設計することすら躊躇わなかった。
それは贖罪だった。
自らの「希望」が人類の「絶望」に変わったことへの。彼の嘗ての”誓い”への。

しかし、時は流れる。
オーバーウォッチは解体され、彼の作った数々の”オーバーウォッチ用兵器”は、多くのテロ組織や民間企業が接収した。
誓いへの贖罪のために生み出した道具たちが、今度は「組織が利益のために民衆を弾圧するための道具」になったのだ。

自分の息子たる「発明品」達の末路を。
そして嘗ての誓いの末路を。
トールビョーンはオーバーウォッチ亡き今、その償いをするために各地を旅し、人々を助けている

=>軍事転用された兵器と、彼の闘いのエピソードは例えば公式コミック「破壊者」
=>嘗てアイロンクラッドでともに過ごした研究仲間との、トールビョーンの悲しい闘いが描かれます。
Blizzard | Overwatch Comic

バスティオン’S バイナリ

=>最後のバスティオンについてはストーリーその5参照
www.citrussin.com


その日TVにあるニュースが流れるたことで、スウェーデンはひっくり返ったような大騒ぎとなっていた。
「夜、森の深くで逢引していたカップルが、森のなかで”バスティオン”をみた」
SST研究所製治安維持ロボットE54:通称「バスティオン」
しかし、最も世界中で呼ばれる名は「オムニッククライシスの悪夢」
その悪夢の再来に、雪崩のような鉛玉の記憶に、スウェーデン中の人々は恐慌に陥った。
(ドイツで目を覚ました彼をスウェーデンで発見したわけだから、人里を避けて旅していた例のバスティオンはどうやら北へ北へ向かっていったようですね)


稼働するバスティオンの発見がニュースで流れてから数日後。
「どうやら軍隊は、デマだ見間違えだと、派遣を渋っているらしい」
軍隊も、国連も無視を決め込んだこの自体に、スウェーデンの人々はライフルを持っての山狩りを行おうと話し合っていた。
そこにひょっこり老人が現れる。
「この一件。わしに任せてもらおうか」
議会に唐突に現れたトールビョーンは、「数日で終わる」と言い残して森に向かった。



「なんじゃ?わしが信じられんのか?」
「あんたのことは調べた。あんた、あのバスティオンを作った設計者だそうだな」
「・・・・・・・帰る気がないなら、黙ってそこで待っとれ」
森まで追ってきた市民の代表は、不審な目でトールビョーンを見張る。
悔恨と、懺悔と。
トールビョーンは、それらを覆い隠し、黙々とバスティオン破壊のための装置を整えおえた。


しかし、このバスティオンはトールビョーンの知る”それ”とは全く違った。
人間を見た彼は、”逃げた”のだ。
ーーーーバスティオンが、逃げただと??
やつらはどんな状況でも、人間と戦うようにプログラムされとるはず。
一度起動すれば、いつ人を殺してもおかしくない「全自動人間虐殺兵器」。それがE54の正しい姿であるはずだ。
しかし、目の前のバスティオンは、まるで「人を傷つけないように」姿を隠そうと逃げ回る。

「ばかな!」
そんなことがあるはずはない。
「どうした、撃ってこんかブリキ。プログラムに従え!」
トールビョーンの必死の挑発にも、”彼は”その一切の装備を起動しようとしなかった。
まさか、まさか。
「お前さんは。ほんとうに他の奴らとは違うのか」


何かを悟ったトールビョーンの手が止まった時、唐突に森に衝撃と爆発が起こった。
スウェーデンの市民からなる自警隊が大量の兵器を抱えて森への狩りを開始したのだ。
「撃つな!撃つなぁ!!やつは違う。やつは大丈夫なんじゃ」
「何を言っている、バスティオンに殺されそうなお前を助けたんじゃないか!」
必死に自警隊を止めるトールビョーンに対し、しかし”一般的なバスティオン”を知る彼らは一切の耳をかそうとしない。
「こいつは、他のブリキとは違うんじゃ」
「ふざけるな!やつが街に降りてきたら、全員が殺されるんだぞ!」
平行線をたどる自警隊とトールビョーン。
そしてじれた自警隊側が、とうとう動いた。
「このひとを、取り押さえろ!」
しかし、武装した自警隊の腕がトールビョーンを捉えるよりも、彼の親指が手の中のボタンを押すほうが早かった。
そこら中に張り巡らされた罠が起動。あっという間に自警隊員全員が完全に縛り上げられ無力化された。

「なにをしている。また!あんたのせいで多くの人が死ぬんだぞ」
その言葉にもトールビョーンは揺らがない。
バスティオンの元に戻る彼は、背中を向けながらつぶやいた。
もう・・、十字架は背負わんよ」

  • コミックの一コマから抜粋
    • バスティオン側につくと決めたトールビョーン
    • その嬉しそうな顔を見ると、ああ、よかったな~と思います。

落ち着け何もせんわ

「バスティオンよ、生き延びたければわしのルールに従え」
ある日、自分を恐れて森に逃げ込んだ一人の機械はとある男と出会い友人となった。
そして、その日。
後悔ばかりだったその男は”贖罪”以外の何かを知った。希望という何かを。

  • このトールビョーンとバスティオンの邂逅エピソードは公式コミック「バスティオン-バイナリ」参照
    • ずっともがき苦しんできたトールビョーンが初めて救われた、全トールビョーンファン必見のエピソード。読むべし。
    • Blizzard | Overwatch Comic
      • 英語原本の「Dont you have ENOUGH blood on your hands」=> 「ENOUGH for lifetime」を、日本語版コミックで「また・・、あんたのせいで」=>「もう・・、十字架は背負わんよ」に翻訳したBlizzardローカライズスタッフの仕事はマジでお見事だと思いました。

さあ、戦争を始めるぞ

=>ドゥームフィスト脱獄については、その12参照
www.citrussin.com

=>カティア殺害計画やヴィアリ派閥については、その7参照
www.citrussin.com



リーパーとソンブラとウィドウメイカーが行った、ドゥームフィストの脱獄。
それはヴィアリ率いる現在の「営利主義テロ組織」タロンが、嘗ての「世界最悪のテロ組織」タロンを取り戻すことを意味した。
だが、当然ヴィアリはそのことに納得できるはずもない。
いまは、彼がタロンの最大派閥なのだから。


脱獄後リーパーから情報収集しながら、ドゥームフィストは今後の計画を考える。
「ソンブラの怪しい動きは問題ない。あいつは俺が何も知らないと思っているようだが、、、まぁ部下の野心ぐらい気にはせん」
「それにカティアは紛争の大事なファクターとなる。それよりもーーーロンドンだ」
カティアの殺害計画は、ドゥームフィストにとっては”ありえない手段”だった。
ソンブラのお友達計画は、奇しくもドゥームフィストにとってもファインプレーとなっていた。
脱獄し、ガントレットも取り戻した彼は、次なる目的に向けて早くも動き出していた。


兎に角、タロン内の影響力と資金を取り戻さなくてはいけない。
ヴィアリは無視だ。
まず最初にタロンの内部評議会メンバーであるマクシミリアンへ会いに行く必要がある。

  • タロンのinner councilとして大きな影響力を持つ人物、マクシミリアン。彼の正体はまさかのオムニック
    • マスカレードコミックより一コマ抜粋
    • タロンという謎の集団は、オムニックも人間も巻き込んだ異様な組織であることがわかる。

マクシミリアン

ウィドウをお供にカジノを訪れたドゥームフィストは、ソンブラの挑発も無視して、マクシミリアン側の席に着く。
「元気そうだな、アカンデ」
彼から得たのは、マクシミリアンはドゥームフィスト側につくという返答と、キャッシュフローが足りないという要請だった。
そして、二人の会話をヴィアリの派閥が放った銃声が引き裂いた。
「ーーーヴィアリの連中か」
武装した兵士を丸腰のままあっという間に制圧したドゥームフィストは、次の一手に打って出る。
「ヴェニスで会おう」
(ソンブラの行った挑発については、この段落の最後に注記します)



イタリアはヴェネツィア。
「アドリア海の女王」の街は、眠らない夜。
そこは世界一有名なマスカレード(仮面舞踏会)が開かれるカーニバルの街。
魑魅魍魎も、正義も悪もなにもかも。顔を隠して、身分素性を偽り、夢の世界で練り歩く。
現代の悪霊「タロン」の内部評議会が開かれるお膝元でもある。

その祭りの空に銃声が響いた。
世界一のスナイパーの銃弾が、一切気付かれることもなく、ヴィアリ派閥のメンバーたちを突然死させていく。
世界一のハッカーの手により、ヴィアリによって張り巡らされた警備網もすべてずたずたに引き裂かれて沈黙している。
そして、死神が二丁のショットガンで評議会を制圧した時、もはやそこにヴィアリが動かせるものはなくなっていた。
静かに、そしてあっという間に。
ドゥームフィストはタロンをヴィアリから奪い取った。

  • 評議会強襲時のマスカレード衣装は、最古参2人はゲーム内でスキンとして使用できます。
    • 発売日後追加ヒーローであるソンブラと、ドゥームフィストのはまだ未実装(´・ω・`)
      • リーパーはエル・ブランコ、ウィドウはオディールがそれ。
    • はよ4人揃えて並べたいですね。。。
      • こうして並べると、ウィドウってやっぱ背高いよね。リーパーと同じくらいかぁ。

マスカレード衣装




何も知らないヴィアリが、ヴェネティアの橋の上でドゥームフィストと出会ったのはちょうどそんな時だ。
「アカンデ。あなたが何故ココに?」
ああ、老人が、嘗ての栄光にすがって姿を表したか。。。
ヴィアリの目には、ドゥームフィストが”既に終わった人間”と映っていた。
「別にあなた個人に恨みがあったわけではないのです。しかし、あなたのやり方は利益を生まない。タロンはもう変わった」
「ーーーータロンは。我々は利益だけを求めるチンピラではなかったはずだが?」
「アカンデ。もうあなたの”我々”ではないのです。あなたを置いて、タロンは新しい道を歩む。」
そうだな
差し出された手に優越感を持ちながら握手したヴィアリは、次の瞬間空を舞っていた。
「だが、貴様はここにおいていく」
高い高い橋の上から落とされ、凄まじい勢いで迫る地面を見ながら、ヴィアリは己の勘違いを悟った。


「他の連中は始末した」
端的なリーパーの報告を聞きながら、ドゥームフィストは皆が待つ「タロンの評議会」へと向かう。
随分と人が減った円卓。
ドゥームフィストの声が響く。
「さあ、戦争を始めるぞ」


この日、狂気の集団が帰ってきた。
富や権力などただの手段でしかなく、ただただ「人々を争わせ混乱を巻き起こすことのみ」を目的とする理解不能のテロ集団。
それを主導するのは、タロンの幹部の一人。堕ちた神の子「アカンデ・オグンディム」
オーバーウォッチさえも追い落とした彼らの、真の世界紛争への歩みが再開する。
そしてそれは、辛うじて体裁を保っていた仮初の平和が崩壊するということだ。
その標的はロンドン
ーーーーーーー反オムニック派とオムニック融和派の争いに揺れる街King'sRow。


=>公式コミック「マスカレード」参照
=>ドゥームフィスト渋いなぁ。個人的には、CV中田譲治さんのこの戦争宣言をゲーム内でも聞きたいっすね。
Blizzard | Overwatch Comic


注:ソンブラの挑発について
ソンブラがカジノでドゥームフィストに言った「サンクトペテルブルクの件について聞かないの?」とは、行間を埋めて読むと

  • 「サンクトペテルブルク(で起こしたカティア・ヴォルスカヤ暗殺事件とその失敗)の件について」
    • 「(ヴィアリ自身に先に)聞かないの?(彼、調子乗ってるわよ?)」という、彼女流のからかい。
    • 「(その失態の理由を私に)聞かないの?(あなたが私の目的に感づいていることぐらい知ってるわよ?」という、彼女流の挑発。

のどちらかであると考えられます。
わざわざ、エピソードの最初にドゥームフィストの口から「あいつは俺が何も知らないと思っているようだが」と言わせているので。
まあ、後者だと思います。
なのでこのブログでは「双方相手の考えていることはお見通しであり、それをからかいあう余裕がある」という認識で描かせてもらっています。
この関係性を考えるとヴォルスカヤマップでドゥームフィストピック時にある「俺がいるからこの任務に以前のような失敗はありえない」という特殊ゼリフの意味も色んな意味を持ち始めて色々と楽しい。





これは単純な問題ですよ

=>前回の話はその7の襲われたヴォルスカヤ参照
www.citrussin.com



ロシア最大のメック開発企業ヴォルスカヤインダストリー。
その最上階で、ヴォルスカヤのCEOカティア・ヴォルスカヤは頭を抱えていた。

あなたと、ずっと友達になりたかったの♪

悩みは当然、先日侵入したテロリスト。その中でも”お友達”になってしまったソンブラについてだ。
ソンブラという通称は「大規模なハッカーテロ集団ソンブラ・コレクティブ」であると信じられていた。
それが実はたった一人の女性であり、しかも彼女はカティアのこともヴォルスカヤ社自身のこともすべてを掌握していたのだ。
完全にプライベートであり誰も知らないはずの”娘との秘密のボディランゲージ”でさえも真似されたカティアは、最悪の想像をしていた。
「ソンブラと名乗るあの女性は、ヴォルスカヤが抱えるあの致命的な秘密さえ知っているのではないだろうか」


いてもたってもいられなくなった彼女は、ツテを頼ってある女性を呼び出した。
ロシア最強の女性。ロシアの守護神。アレクサンドラ・ザリアノヴァ
ロシアを敬愛し、カティア・ヴォルスカヤをロシアの英雄だと信じている軍人。
対外的にすべての事情と秘密を隠し通しながら、それでもソンブラを捕まえるならば、彼女にしか頼めない。
カティアは、追い詰められていた。
ソンブラへの恐怖と、そして何より、絶対にバレてはいけない秘密のために。

  • 公式トレーラーの最後でカティアに呼ばれたザリア

カティアに呼ばれたザリア


「お言葉ですが、必要なのは私のような軍人ではなく、諜報員では???」
カティアに呼び出され、「ヴォルスカヤとカティアを狙って襲撃者が来たこと」を知らされたザリアは、自身が呼ばれた理由が全くわからなかった。
ロシアの英雄であるカティアに頼られた事自体は名誉だが、「暗殺者を探し出して捕まえる」という仕事はどう考えても軍人のそれではなく、諜報員の分野だ。

「ザリアノヴァ軍曹・・・・いや、アレクサンドラと呼んでもいいか? 今必要なのは、友なのだ。」

信用でき、信頼できる友なのだと。
英雄に「社長ではなくカティアと呼んでくれ」とまで言われ請われたザリアは、もはや断る言葉を口に出せなかった。

「ありがとう。ココにかつて誰も手に入れられなかった、ある情報が書いてある。きっと暗殺者を探し出す手がかりになるだろう」
手渡されたファイルには、たしかに誰も手に入れられなかった「ソンブラを縛り付けられる情報」が書いてあった。


中国は麗江、日本はハナムラ、英国はロンドンに至るまで。
様々な場所にソンブラの名が轟いているが、誰も”ソンブラ”とは何かを知らない。
誰も、何も、だ。
そして、ロシアをでて世界中を回る彼女の目には、「人類の宿敵であり、故郷を燃やした憎むべきブリキたち」が人とともに過ごしている姿が常に映っていた。

何もない情報。ソンブラという言葉だけがそこにあるという手応えのなさ。
そして憎むべき対象と仲良くする人間を見なくてはいけない苛立ち。
ザリアは、何もつかめない現状を途中報告で受けたカティアから、打開のためにハッカーを紹介された。
カティアから提示されたのは、最悪なことに「人間とオムニックが手を取り合う」という気の狂った奴らが集まる街ヌンバーニ。
しかも、ハッカーとして紹介されたのはオムニック。彼はリンクス・セブンティーンと名乗った。

延々と喧嘩腰のザリアと、歯に衣着せぬリンクスは、それでも、軽口を叩きあいながら2人でソンブラを追い続ける。
「ハッカー集団ソンブラ」などという勘違い情報たちは無視し、「一人の人間である女性」を探す二人は、メキシコはドラドにたどり着く。
かつてソンブラにハックされた企業ルメリコでの収穫はなかったが、ドラドの街で聞き込みをした結果わかったことは、住人はソンブラを英雄視し庇っているという事実だった。
すなわち、ソンブラという女性を知っている人も確実にいるはず。
二人には、ヴォルスカヤの監視カメラが映したソンブラの横顔写真も合った。
そして、地道な調査の結果。とあるパン屋で、ソンブラを知る女の子に出逢うことに成功する。

  • ソンブラを見かけたことのあるという娘「アレハンドラ」。オーバーウォッチ界ではそこそこ有名なパン屋の娘。
    • 要するに下記ソルジャー76アニメのヒロイン。
    • ザリアの説得のキーワードが「ヒーロー」でることからも、おそらく下記PV後の76に憧れるアレハンドラですね。
    • ソンブラ自身の特殊セリフからも、どうやら常連さんのよう?

www.youtube.com



「はぁい。ロシアの守護神。カティアの犬。アレクサンドラ・ザリアノヴァね」
奇襲をかけたはずの建物で待ち構えていたのは、飄々としたソンブラの姿だった。
からかいながらも、現れたり消えたりを繰り返すソンブラをザリアの攻撃は掠りもしない。

「残念ね。カティアとは友だちになれたと思っていたのに」
「お前は彼女を殺そうとした!!!ロシアを破壊しようと!私がお前をぶっ壊す」
ザリアの雄叫びに全く見に覚えがないソンブラは、?マークを浮かべながらもワープで逃走しようとした。

しかし、
「ザリア、いまです!!」
視界の外においていた相棒・リンクスがソンブラのワープ装置指し示す。
ソンブラのワープ終了と同時に、グラビトンサージが彼女の自由の一切を奪った。

「今すぐコレを外して。カティアの、ヴォルスカヤの秘密をばらされたいの?」
「何のことだ」
「彼女のご自慢の技術。あれ、あなたの大っ嫌いなロボットが提供してるって話」
「なんだと??」

憐れむようなソンブラの目がザリアの心を刺す。
「あらら、カティアから何も聞いていないのね。あなた、もしかして自分側が正義だとでも思っているの?」
挑発するソンブラを、ザリアは力の限り押したおした。

「たとえ、そうだとしても!
お前はココで終わりだ・・・・・・、オリビア・・・・コロマール・・・・・
「ーーーーーーっどこでそれを!」
それはかつて捨てた名前だった。
”奴ら”から逃げ切れなくなった廃棄品。
何者でもない存在が、かつて少女だった頃の残骸。
”奴ら”しか知らないはずの”ソンブラを縛り付けるたったひとつの情報”


それを彼女が知っているという事実。つまり、それはーーーーーーー
「・・・・いい? あなたに、カティアがついた嘘は2つ。」
ザリアに、そっと大切なことを伝えるソンブラ。
「さっきの秘密と、あともう一つ。
わたし、カティアの失脚を望んでないわ。殺そうとなんてしていない。
もっと大きなことが起ころうとしているの。万人万物が影響を受けるようなことがね。
カティアがいれば、その真相にたどり着けると思ったのよ」
「そんな話、あたしが信じるとでも?」
「フ、フフフフ。私はカティアと違って嘘なんかつかないわ」



憧れたロシアの英雄は、敵組織と取引をしていた。。。
そして、そもそも今回の任務”暗殺者ソンブラの抹殺”でさえ嘘であった。
そんなバカな⁉︎
唖然としてソンブラを武器で貫けないザリアに、彼女は間髪入れずに囁いた。
「あ、それと。ココもうすぐ爆発するから。お友達を連れてさっさと逃げたほうがいいわよ」
指差す方を向くと、倒れ伏し動かないリンクス。
「・・・・・何をした?」
「ヌンバーニでハックしてあったの。私を追跡した罰」
そう。この追走劇は、最初からソンブラに監視されていたのだ。






ーーーー果たして、わたしは失敗したのか? それともコレは成功なのだろうか。
ザリアは、爆発する建物を背中にひとまずカティアに連絡をする。
しかし、彼女の心には振り払えない幾つもの疑念と疑問しか残っていなかった。
「正直、ある意味期待以上の成果だよ。よくやってくれた、アレクサンドラ」
報告を受けたカティアからの作戦成功の返答。
何が期待以上の成果だ。
あなたが私に乞うたこの任務の目的は、”カティアを狙う暗殺者ソンブラを殺すこと”だったはずだろう!?

「なぜこんなことを。そもそも真実を告白すれば、脅迫もされずそれですんだ話ではないですか」
「いいか、アレクサンドラ。これはそんな単純な問題ではないのだよ。
ーーーあれは必要なことだった。いつか人々もわかってくれるはずだ・・・・・だが、それは今ではない」

肩に担いだリンクスが、呻きを上げて目を覚ます。
結局彼を見捨てることができず、ソンブラを殺すことも---いや、そもそも何もできなかった。


「国民のために、このことはすべて胸にしまっておいてほしい。
コレは我々の間だけの秘密なんだ。
わかるね、アレクサンドラ」

最初に、ロシアの英雄カティア・ヴォルスカヤが友と呼んでくれたときは、嬉しかったのだ。

こちらは・・・・単純な問題です。ウソを付くような者を友人とは呼べません。わたしはザリアノヴァ軍曹に戻ります。」

しかし、もう。今後は”彼女にアレクサンドラと呼んでほしい”なんて思わないだろう。

「ですが、あくまでも、ロシアのために。コレは我々だけの秘密とします」


起き上がった、気に食わない相棒が首を傾げる。
「あの、私の記憶が正しければ。ザリア、あなたはオムニックが嫌いで、そして私が嫌いだったはずでは?」
「ああ、確かにそうだった。しかし、今はもう関係ない。」
「なぜ? 何故助けてくれたんですか?」
「どうしてだろうな。少し前の私なら、そもそも私自身の手でお前を殺していただろう・・・・・」

ーーーだが、今となっては








「ザリア、あなたはこれからどこへ?」
「ロシアに帰る。闘いの最前線に。ーーーーその後は・・・・私もまだわからない。」

  • 「捜し物」コミックより、ラストのコマ抜粋
    • 睨みつける虚空に何を見ているのか

闘いの最前線に


  • 色々省略もしたので、ぜひ公式コミック「捜し物」読みましょう。
    • 日本語版もいつもどおりあります
    • ただ、(特に大本の問題に迫るエピソードはそうなのですが)、非常にウィットと比喩に富む内容のため、英語=>日本語時の欠落が多いです。
      • 例えば「It's so not sinple」からの「it IS sinple」の返しや、「期待以上の成果」のニアンスなどは、英語版でないとかなり意味を取りづらいやり取りとなってます。
    • できれば、英語版を読むことを推奨します


上のストーリーは、私が「日本語と英語両方を読んだ上で、行間を妄想で補完しながら書いている二次小説」に過ぎないと思ってください。
特に、最後のカティアとの電話は、英語版コミックを基準に大量の妄想補完を突っ込んでいますので注意





ということで、その15でした。
タロンに狙われたKing'sRow。きな臭いヴォルスカヤ。何より、”奴ら”の影しか見えない闇の深さと、なかなかめんどくさい錯綜劇が行われているため、できれば公式のコミックも合わせて参照いただければと思います。

スポンサーリンク