citrussinのチラシの裏

ゲームや読書感想、日々のことを適当につづる日記。TwitterID @sinensis197

オーバウォッチの歴史、ストーリーまとめ その2-2 戦後復興とオムニック和平政策

前回2-1

www.citrussin.com

では、オムニッククライシスの後、ぼろぼろになった国土を立て直そうとする国家と、それに便乗して動く大企業の話をしました。
その一方で、ロボットでしかなかったオムニックたちが自意識を持ち始めていました。

戦後から復興していく世界。
しかし、人類にはとてつもなく大きな課題が残っているのです。
取り残され、自意識を得た、新たな種族「オムニック」たちとどう付き合っていくのか。

今回は、戦後起きたオムニック和平政策の話をしたいと思います。





2018/04/11~
現在、全ストーリー記事を大幅リニューアル修正中。


オムニックとの和平と対立

戦後の復興以外にも人類には大きな課題があった。
オムニックとの融和である。
クライシス時、暴走オムニックが多くの人間を殺したことで、これまで人間とともに暮らしていた多くのオムニックが迫害される要因になった。
家政婦ロボットや通常業務用ロボット、受付ロボットなどなど、人の形を取り人間社会に溶け込んでいた彼らはオムニッククライシスを機に文字通り”恐れられ見捨てられる”存在となっていたのだ。

一方で、戦後の世界を立て直すためには友好的なオムニックの労働力は欠かせないものであった。
多くの人間がオムニックへの憎悪を持つ中で、それでもオムニックに頼らなくては復興できない。
さらに、「オムニックは人間と同じ知性生命体であり、ともに手を携えて生きていける」と主張するオムニック宗教「シャンバリ」も興る。

=>シャンバリについては前回参照
www.citrussin.com



友好的なオムニックと、今後どう付き合っていくべきか。
人とオムニックの精神に大きな傷を抱えたまま和平交渉がはじまった。

オーストラリアの和平政策

和平政策と、オーストラリア解放戦線

オムニック・クライシスによって大きな痛手を負ったオーストラリアでは、クライシス終結の翌年2028年頃にオムニックとの長期和平政策が発表された。
その政策で、政府は和平の証として「国土の一部をオムニックのための入植地として提供する」と発表した。

提供されるのはオーストラリア所有のオムニウム、そしてその周囲にあるアウトバックと呼ばれる広大な人口希薄地帯全てである。
そこをオムニックに全て譲渡し、彼らの居住区とすることを決めたのだ。
国際的には、これ以上ない戦争の終結と融和の象徴。
そして、「ぼろぼろになった国土を復興するオムニック労働力の確保」という復興策。
双方を睨む政治的な判断であった。

しかし、つねに多数を活かすために無視される少数がいる。
人口希薄、砂漠だらけ、しかしそこにも確かに日々を暮らす人々がいた。
比較的気候が穏やかな地域では牧羊・養鶏が盛んであり多くのソーラー・ファーマーが生活しており、またアボリジニと呼ばれるオーストラリア原住民が伝統的な暮らしを営む場所でもあった。
だがこの政策により、一帯に住んでいた彼らは性急かつ一方的に住処を追いだされることとなる。

ただただ「オーストラリア政府のため、オムニックのため」に故郷を追われた旧アウトバック住民。
彼らは政府とオムニックへの怒りと憎悪を募らせ、反乱組織を結束し、暴動を起こすようになる。
「我らが故郷オーストラリアを憎きブリキ共の手から救い出す」
オーストラリア解放戦線( Australian Liberation Front)の始まりであった。

そんな反乱組織ARFの中には、牧羊家として日々を暮らしていた少年もいた。
マコ・ラトリッジ。
嘗ては牧歌的で優しかった彼もまた、日々を生きる糧を、放牧をする腕を、毎日を楽しむ余裕を、その全てを銃弾と血しぶきへと変えていった。
全ては故郷を取り戻すために。

アウトバックオムニウム爆破事件

※この事件の時系列は公式で発表されていないため不明。


オーストラリア解放戦線は、オーストラリア政府とそこに居住するオムニック相手に長期間に渡り争った。
全ては奪われた土地を取り戻すために、彼らはオムニウム施設とオムニックたちを次々と襲い破壊していった。
彼らにとってオムニックとは憎悪の対象であり、オムニックに土地を売り渡した現政府も当然同罪である。

反乱軍対政府の争いは日に日に激化の一歩をたどり、戦いの末に悲劇は起きた。
ARFはオムニウム系施設を爆破していき、そしてついにはオムニウム融合炉へとその手をかけたのだ。
爆発と同時にオムニウム融合炉、すなわち核融合施設は吹き飛んだ。

核融合炉の爆破に伴い、アウトバック周辺には大量の汚染物質と金属片、そして瓦礫が四散し飛び散った。
汚染と破壊。
粉々に砕け散った金属が降り注ぎ、あの広大な大地はどうしようもないほどに放射能で汚染された。
かつての施設の瓦礫などが散乱し、過酷な不毛地帯と化したアウトバック一帯は、もはや人が住める状態ではなくなっていた。


そう、あれだけ取り戻そうとした故郷を、ARFは彼ら自らの手で地獄へと変えてしまったのだ。

ロードホッグの誕生

故郷を追われ、オムニックを憎み、そして最後には自らの手で故郷を「人の住めない荒野」へと変えたマコ・ラトリッジ。
自分のかつての故郷の惨状を見た彼の目に、優しかった少年の影は微塵も存在していなかった。
汚染された環境に適応するためにガスマスクを被ったマコは、壊れかけのバイクにまたがった。
崩れ落ちたかつての故郷アウトバックの道を走るうちに、マコの人間性は少しづつ失われ、その最後の残滓が消えたとき、少年マコはもはや存在せず、冷酷な殺し屋ロードホッグだけが残っていた。


嘗てのアウトバックの荒野には、冷酷な豚が住む。
現在のロードホッグは、無情、残酷、無慈悲な殺し屋である。



無法の街”ジャンカータウン”

※このジャンカータウンが生まれた時期と、生まれたときのエピソードは公式で発表されていないため不明。

世界は責任を取る必要がある。

俺たちは故郷を守るために戦った。その結果がこのアポカリプスさ。
女王も、他の連中もみんなくたばればいい。

人の住めない土地となったアウトバック。
しかし後ろ暗い、日の下を歩けない無法者にとっては好都合の場所だった。
汚染と金属片にまみれた嘗ての街は、今は法も秩序も及ばないアウトローの楽園だ。
破壊されたオムニウムの残骸と、オムニウム施設の廃墟(英語版では”遺跡”としている)から回収できる金属や部品(ジャンク品)を拾い集めて売り払う。
彼らは“ジャンカーズ”と呼ばれた。

そして時が立つに連れ、集まったジャンカーズたちは、かつてのオムニウム施設の側に街を築いた。
冷酷な女王”ジャンカークイーン”によって支配された街「ジャンカータウン」
ここは焼け跡から産声を上げた新世界。
弱者は死に、強者が全ての栄光を手にする。
暴力と、金と、混沌が渦巻く世界の最果てだ。

  • ジャンカータウン外観

ジャンカータウン外観

  • ジャンカータウンの主 ”ジャンカークイーン"
    • 見るからに女傑!って感じ。

ジャンカークイーン

  • ジャンカータウンPV

youtu.be




イギリスの労働力確保政策

King's Rowでのオムニックと人の対立

イングランドの中心に位置するキングス・ロウ。
ココはロンドンの世界的にも有名な高級住宅街が立ち並ぶ地域で、豪華な地区と石畳の通りがあるこの都市は自警団と呼ぶべき独自の警察(The King's Row Constabulary:通称KRC)が治安防衛に当たっている。
クライシス以前、ここのオムニックは独自の民族集団とも呼べるコミュニティを築いていた。
そしてクライシス終結後、その復興のために多くのオムニックたちが労働力として動員された。

しかし、高級住宅にすむ富裕層の人々はオムニックを危険視し差別。
奴隷のようにこき使い、それでは飽き足らず労働力となっている彼らを不当に排除しようとしていた。
このKing'sRowを始めとしたイギリス貴族階級のやり方には、オムニックだけでなく彼らと親しくする多くの人間が反発していた。


しかし、KRCを始めとしてKing'sRowを牛耳るのは富裕層の方である。
結果King's Rowでは、オムニックたちがその街の根幹を支えているにもかかわらず、彼らに人権は与えられていない。
日々排斥され、それでもロンドンの復興を担わなくてはいけないKing's Rowのオムニック達は地下に押し込められた。
故に、King'sRowのアンダーグラウンドにはオムニックたちの独自の都市があり、彼らは閉鎖された地下で暮らすことを余儀なくされていた。




しかしKing's Rowの人々の中にも、オムニックを毛嫌いする人も言えれば、オムニックを恋人や、パートナー。または家族の一員と見る人もいる。
街中にはオムニックの権利を叫ぶポスターと、オムニックはただのガラクタだと叫ぶスプレーが混在していた。


  • ロボットへの権利を訴える張り紙と、それを否定する落書き

King's Rowの張り紙と落書き



そんななか、「オムニックと人間の調和」を是とする新宗教「シャンバリ」が急速な勢いで布教し、多くの親オムニック派の拠り所となっていく。
共にオムニックと暮らそうと願う人々にとって、シャンバリは新たな平和の光であった。

  • 町には人権運動の象徴であるテサルカ・モンデッタ像。彼とシャンバリはオムニックとオムニックを愛する人々の光となっている。

テサルカ・モンデッタ像



クライシス以後、世界の他のどこにもキングスロウのような対立と緊張が漂っている。
しかし、この場所は世界中で最も大きな歪みを持つ、最大の係争地となっていた。
その対立は、日に日に溝を深め歪さを増していき、とある事件を呼ぶこととなった。
=>ヌルセクター事件は、4-2で語ります。
オーバーウォッチ講座:オーバウォッチの歴史、ストーリーについて知っておくと、ゲームをもっと楽しめる その4-2 世代交代とアップライジング - citrussinのチラシの裏



南アフリカの調和都市

”調和の都市”ヌンバーニ(Numbani)

クライシス後、南アフリカのナイジェリア近くに新たな都市が誕生した。
ヌンバーニ(Numbani)と名付けられたこの都市は、世界でも稀に見る挑戦を成功させる。
それは「オムニックと人間が手を取り合い、世界で最も優れた都市を創る」こと。
ヌンバーニは"調和の都市"として知られ、オムニックと人間が平等に住んでいる数少ない場所の1つだ。
そして、世界有数の科学都市でもある。
オムニックと人間が”調和”することで、(オムニック・クライシス終結後に建てられたにもかかわらず)極短期間で世界で「最も偉大」かつ「最も先進的な技術を誇る」都市の1つを創り出す。


「オムニックと人間の手で新たな未来を」という考え方に、世界中の科学者や思想家が軒を連ね、様々な協賛者や協力者を呼び寄せることとなった。
例えば、あの「国連独立部隊オーバーウォッチ」を生み出した元国連事務次官ガブリエル・アダウェも協賛している。
アダウェが立てた優れた研究者ならば年齢経歴を問わず助成金を出す「天才助成金」など、優秀な研究者を育てる下地と自由な思想を許す巨大科学都市。

「調和都市」ヌンバーニ。ここは間違いなく「科学者の楽園」オアシスや「ヴィシュカーの技術結集」ユートピアに並ぶ世界有数の科学都市である。

  • オアシスは、今後のストーリーにて登場します。

ヌンバーニと反オムニックテロ

調和都市として多くの仲間を得たヌンバーニであったが、当然敵も多かった。
「オムニックと人間が手を取り合う」ヌンバーニは、数々の「オムニック至上主義者」と「反オムニック集団」そして「タロンを筆頭としたテロ組織」の第一級標的に指定されることとなる。


オムニック至上主義者は、「オムニックは人間より優れており、彼らはオムニックに支配されるべき」という思想を持ったオムニック集団であり、彼らにとってヌンバーニは「弱い人間に媚びへつらうオムニックの風上にも置けないクズども」の都市である。
反オムニック集団はオムニッククライシスで生まれた全てのオムニックを適しする過激派組織で、彼らにとってヌンバーニは「憎むべきオムニックに尻尾を振った裏切り者達」の都市である。
そしてオムニックと人間の紛争を煽り、人間達を争わせることで教義を果たそうとするタロンにとって「オムニックと人類の融和の象徴」は破壊すべき存在であった。


特に、ヌンバーニが軌道に乗った後、タロンの幹部である二代目(このときは当代)ドゥームフィストがヌンバーニに様々なテロ行為を働き続けていた。
彼はその苛烈な諸行により、「ヌンバーニの災禍」と恐れられていた。

Doomfist(ドゥームフィスト)について

Doomfist(ドゥームフィスト)とは何者か。
ドゥームフィストとは、非常に強力な”拳”銃、つまりガントレットを装着し、その強大な力を持つ拳を振るう者の名称である。
その名は世代を経てそのガントレットとともに継承される。
現在確認されているドゥームフィストは3人の”個人”だ。

  • "The Savior"(救世主) - Adhabu Ngumi
  • "The Scourge"(災禍) - Akinjide Adeyemi
  • "The Successor" (後継者) - UNKOWN

彼らは何れもその大いなる力で”個人の意志”を世界に叩きつけていく。
最初のドゥームフィスト「アダム・ヌグミ(Adhabu Ngumi)」はその結果救世主と呼ばれるようになった。
(adhabu = 罰則・罪、Ngumi = 拳 。ともにスワヒリ語)
しかし、現在は彼やその功績についてはほとんど知られていない。




次に現れた二代目ドゥームフィスト アキンジデ・アデイェミ(Akinjide Adeyemi)はタロンの重鎮としてヌンバーニやオムニックに対して数々のテロ行為を働いた存在だ。
略奪者として知られた彼は、タロンによる「理想の世界の実現」のためにヌンバーニに対して数々の攻撃を繰り返し、金品等の略奪を行い続けていた。
故に彼は通称「ヌンバーニの災禍( Scourge of Numbani)」と呼ばれていた。


そして、後の時代、三代目たる「後継者」が現れる。

  • ゲーム当初のヌンバーニマップにて、博物館内に飾られているDoomfistの歴史ポスター
    • 後にプレイアブルキャラクターとして参戦する三代目ドゥームフィストは、このときは顔もシルエットも黒塗り。名も明かされていない。

Doomfistのポスター



ヌンバーニの「災禍」とオグンディム

前回は1-2参照
=>http://www.citrussin.com/entry/2018/04/14/151112#%E3%82%A2%E3%82%AB%E3%83%B3%E3%83%87%E3%82%AA%E3%82%B0%E3%83%B3%E3%83%87%E3%82%A3%E3%83%A0%E3%81%A8%E3%81%84%E3%81%86%E9%9D%92%E5%B9%B4:title=その1-2 アカンデ・オグンディムという青年


クライシスで受けた傷により、格闘家としての道を閉ざされたオグンディム。
暗い虚無感から抜け出せない彼のもとに、ある日悪魔の声が囁いた。


タロンの重鎮アキンジデ・アデイェミ。
二代目ドゥームフィスト、ヌンバーニの災禍と呼ばれる男に会ったオグンディムは一つの道へと誘われることになる。

「傭兵として生きてみないか」


アデイェミの誘いに疑念を抱きつつも、そこにかすかな光を求めたオグンディムは結局その誘惑に乗ることにする。
そして、戦場に出たオグンディムを待っていたのは、夢のような世界だった。
何不自由なく、誰にはばかることなく戦いへ没頭できる世界。
不幸の象徴であった右腕を、その新たな力を活かせる世界。
強力なサイバネティックス技術による義肢能力と、長年の研鑽の末に身に着けた独自格闘技術を存分に振るい、戦場を駆ける。
彼は、程なくして「傭兵」として確固たる地位を築き上げていった。


オグンディムが傭兵となってから数年後。
ようやく戻れた戦いの日々に酔う彼のもとに、再度アデイェミが訪れた。
「私の所属している組織に、来ないか?」
アデイェミは、オグンディムの強さを評価し、今度は「タロン」に誘いに来たのだった。


タロンが持つ「人類は紛争や戦いを通してのみ進化する」という信念は、栄光と挫折を戦いの中で勝ち取ってきたオグンディム自身の経験と強く共鳴し、さらにタロン内部で繰り広げられる権力闘争は、彼の優れた知略を存分に発揮させる事となる。
タロンでの生活は、アカンデ・オグンディムが持つ戦いへの渇きを満たすのに最適の場所だったのだ。

こうして、将来を嘱望されたナイジェリアの御曹司「アカンデ・オグンディム」は、数奇な運命とともに「世界一のテロ組織」タロンに所属することとなる。





ということで、各地での戦後復興とオムニック和平についてでした。
次はまだ健在だった頃にあったオーバーウォッチの黄金期の話


スポンサーリンク