citrussinのチラシの裏

ゲームや読書感想、日々のことを適当につづる日記。TwitterID @sinensis197

未来日記で有名 えすのサカエの原点、傑作都市伝説バトルコミック「花子と寓話のテラー」がおすすめ。

未来日記、ビッグオーダーとアニメ化し非常に有名になったといってもいい、えすのサカエ先生。
ヤンデレ、異能、デスゲームを得意とし、主人公、ヒロインによる頭脳バトルも人気。バトルもあってアニメ化が非常に映える。
しかし、あまり有名でない作品が原点であることを知っているでしょうか。
えすのサカエ初連載作品「花子と寓話のテラー」がおすすめです。

 

あらすじ

都市伝説を信じ込んだ人間はとり憑かれる。そんな不思議な力を持った物語を「寓話」と呼び、それに憑かれた者は「寓話憑き」と呼ばれる。
自身も「100回続けてしゃっくりをすると死ぬ」、「トイレの花子さん」の寓話に憑かれる「寓話探偵」亜想大介。
物語は、「ベッドの下の男」に憑かれた少女が彼のもとを訪ねたところから始まる。
探偵のもとに訪れる様々な寓話に憑かれた人間たち。彼らの問題は寓話だけの話なのか。
果たして彼らは寓話に憑かれたのか、寓話に憑いたのか。不思議な不思議な事件を亜想大介が解決していく。


大小さまざまなフォークロア、近年ネットの普及から流行りだしたネットクロア。それらを題材にする物語は非常に多いです。
多くの都市伝説を科学とオカルト両面から迫るPSPの傑作”流行り神”、ジャンプコミックの名作”地獄先生ぬ〜べ〜、2000年にヒットしたアニメ”学校の怪談”などなど。
枚挙に暇がないと思います。
友達の友達。その侵しがたい神秘性と奇妙さは多くの面白さと怖さを体験させてくれます。
大ジャンルの一つである都市伝説ホラーにえすのサカエ特有の解釈とバトル展開を盛り込んだ傑作。おすすめです。

人が犯した寓話なのか、人を侵す寓話なのか。

最後は結局バトルになるわけですが、寓話のつき方にもいろいろあります。
寓話が憑いた人、人間の罪が発生させた寓話。そして、ただただ犯罪者が巻き起こした事件。
果たして寓話がただただ悪なのか。そんなことはないです。
彼らには彼らの事情があり、その事情とは憑かれた人間の問題です。
人間の闇、やむに已まれぬ事情。人は多くの罪を背負います。
彼らはなぜ寓話に憑かれてしまったのか。
もしかしたら自分にもあり得るかも。こういうことは気を付けるべきだ。
まさに、「寓話」は人に警告を行うものであるわけです。

魅力的なキャラ

4冊の短さですが、非常にキャラが立っています。
寓話探偵であり、寓話を対峙するごとに寓話に変質してしまう主人公。
彼もさることながら、2人のヒロインがいい味出しています。
ヒロイン、カナエは健気な女の子。いろいろな人間の闇を見ながらも大介を信じてついてきてくれます。
寓話に憑かれやすい体質”寓話体質”で彼女自身も多くの問題に見舞われます。
やはり見どころは最終話「”花子”と”寓話のテラー”」でしょう。彼女の芯の強さも魅力的な一面です。
メイン?ヒロイン、花子は寓話の女の子。
トイレのあるところなら自由に移動できるけれど、トイレ自体からは離れられない。
寓話であることから動物の目に映らず動物を嫌うなど繊細な面も持ち合わせます。
正体は実はXXXX。ということであまりの健気さにキュンキュンくること間違いなしですよ。

”花子”と寓話のテラー

ラストは”花子”の話。なぜこの話は花子と寓話のテラーなのか。
パラドックスを狂わしながら、亜想と花子の寓話を追っていきます。
果たして”あなた”は「花子」と「寓話のテラー」どちらを選ぶのか。
タイトル回収が作品根幹にあるのっていいですよね。
最後までテンション下がらずに読めました。


ちなみに。
この作家さんのポリシーとして、ハッピーエンド主義というのがあります。
彼らの結末はぜひ自分の目で確かめていただきたいのですが、大丈夫、バッドエンドじゃありません。
全ての物語が、新しい物語につながり、めでたしめでたし。
寓話はこの方が後味いいですよね。
都市伝説バトルもの、花子と寓話のテラーがおすすめです。

スポンサーリンク