citrussinのチラシの裏

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サイトウケンジのフォークロアとハーレムとバトルものを掛け合わせた良作ラノベ 「101番目の百物語」がおすすめ。

前回
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フォークロア物っていろいろあるよね。
と、紹介したからにはラノベでも一作ぐらいはおすすめ書いておくべきだろう。
とか、考えた結果どれにしようか迷って「101番目の百物語」を紹介することにした。

101番目(ハンドレッドワン)の百物語 (MF文庫J)

101番目(ハンドレッドワン)の百物語 (MF文庫J)

作者はサイトウケンジ先生。
もともとPCゲーム業界出身のシナリオライターだ。
テレビアニメ化&CS移植した作品だけ取り出すと「祝福のカンパネラ」と「あかね色に染まる坂」が有名。
どれも女の子がかわいく、主人公を取り巻く環境がやさしい雰囲気で、あと若干依存系なヒロインがいる。いいよねプチ依存系
この作品にもそれは継承されており、とにかくかわいいキャラクターと好感のもてる主人公を基軸に話が進むタイプ。
全8巻の完結済み&ハッピーエンドなため、後味がいいこともポイントです。


 

あらすじ

主人公一文字 疾風(通称モンジ)は普通の高校生(こんなかわいい女の子が周りにいる普通があってたまるかという突っ込みは無しな)。
しかしある日、謎の少女から”Dフォン”という携帯電話を手渡され、Dフォンを操作したモンジは百物語を語る主人公という怪異『101番目の百物語』に選ばれてしまった。
その日から、日常の陰に潜む「実在する都市伝説」を探索し、百物語を完成させるためにモンジは奔走することになる。

そしてある日、彼の前に現れた転入生、一之江瑞江が耳元で囁いた――「どうして、電話に出なかったのですか?」

各怪異はロアと呼ばれ、純正ロア(都市伝説が実体化したもの)とハーフロア(人間が都市伝説になったもの)がいる。
例えばモンジは百物語を語る人間という都市伝説のハーフロア。
さらに、都市伝説の中には百物語や千一夜物語、学校の怪談など都市伝説を語る都市伝説が存在しますよね。
そのロアは主人公と呼ばれます。
基本的にロアは自らのロアに取り込むことができ、取り込まれたロアは取り込んだロアの物語の一部として生きていくことになります。
101番目の百物語の使命は、百個のロアを取り込み百物語を完成させること。
ロアたちは基本的に自我尊重のために取り込まれることを嫌い、他者を取り込むことを好く。
特に百物語は有名度が高く非常にロアにとって魅力的かつ危険な存在。
ということでモンジ君は様々な事情のロア(大抵女の子)に狙われることになります。

ヒロインいっぱい

メリーさんのロア、一之江瑞江に端を発し、様々なかわいい女の子ロアが登場するところがまずポイントでしょう。
正直各ヒロインのかわいさを存分に語りたいのですが、だれが何のロアなのかを知るとネタバレになるため自重します。(血涙)
でもまあ、一巻のロア「メリーさん」は速攻で発覚(転校生が初日に脅してくる)するのでこいつを紹介することで我慢しましょう。

一之江かわいいよ一之江。
最強のロアの一角として名高いメリーさん(振り向いて自分を見た相手を確実に殺し、どこにいても電話を掛ければ即背後にたてるため)は本来なら主人公がかなうはずのないロアですが、モンジの説得に根負けし、彼にかけてみることにします。
百物語最初の物語として取り込まれたモンジとの精神的なつながりが強く、非常に情の厚い女の子。
はた目から見るとクールビューティー&清楚キャラですが、話してみると毒舌、でも情に厚く優しい一面を持つというとてもcitrussinの胸に来るキャラクターでした。
しかも重要なのは最初の物語という点。
彼の一番の相棒にして師匠となります。
いついかなる時も支え合う姿はこのバトルものの中でも重要な位置を占め、シナリオ的にも今後襲ってくる相手は”振り向いた敵を必ず殺す”をどうするかという頭脳戦に強制的に持って行ける利点があります。
作品中モンジが恋い焦がれる相手やスタート前から好感度爆あげ依存ヒロインなど非常に強いヒロイン候補がいる中で一つも下がることなく相棒を突き通したキャラの強さは、さすがサイトウさんだなぁと思いました。
一之江と魔女喰いの魔女が二大巨頭が、そのあと出てきた強属性ヒロインに一切負けない奮闘ぶりを見せつけ、後発ヒロインたちも負けじと盛り返す水面下の争いも見どころです。
正直誰が一番好きかを最終まで読んでから答えるのは私には困難でした。
みんなかわいかったし、特徴あるキャラたちでした。


バトル展開が熱い

各キャラクターの都市伝説がそのまま能力になっているのが特徴で多くの都市伝説を知っていれば知っているほど楽しめます。
まぁ知らなくても注釈は入りますが。
人食い村、チェンジリング、神隠し、学校の怪談、そして謎の少女の正体。
有名どころがうじゃうじゃ出てきて、「あーこの物語ならこの強さも納得だな―」という妙な気分にさせられます。
バトルもので説得力がなんとなくあるって大事だと思う。
おお、この都市伝説をこんな風に使ってきたか!という楽しみと、絶体絶命のピンチにたいして物語をどう解釈して乗り切るかという逆転劇が熱い。
とはいえ、1,2巻で仲間になる一之江と魔女喰いの魔女が非常に強いため、敵のほうが頭をひねっているような。。。。

主人公のモンジも適度に熱血適度にお人よしでいい感じ。
こういうハーレムバトルものは主人公が好感良くないと読みづらいものですからね。



ハッピーエンドを防ごう

主人公は極度のお人好しで、他人の悩みや辛さを抱え込んでしまう傾向が強い。
それゆえに彼は最終的な判断として、「ネバーエンディング」を目指そうとするのが結構意外でした。
物語は終わらない、ゆえに取り込んだ女の子たちも終わらない物語となるというやつですね。
いい落としどころだと思います。
そもそもハーレム物の終わり方は苦労します。
どう転んでも浮気なわけで、ご都合主義、修羅場、俺たちの恋愛はこれからだぜなどなど。
キャラを増やせば増やすごとに展開が厳しくなっていきます。
その点8巻でおさめ、100物語の増やし方も無理がなく、取り込んだ物語=家族みたいな感じってのが悪くなかった。
そもそもモンジには惚れている女の子がいますしね。


ということで都市伝説バトル&ハーレム物の良作「101番目の百物語」おすすめでした。
可愛い女の子といちゃいちゃしながらバトルしている作品を読みたいならぜひぜひ手に取ってみてください。

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