citrussinのチラシの裏

ゲームや読書感想、日々のことを適当につづる日記。TwitterID @sinensis197

極力ネタバレを回避して「極限脱出 9時間9人9の扉」をおすすめする。(シナリオ分岐攻略も書いときます)

極限脱出三部作の最終「刻のジレンマ」が発売されたため、プレイして3部作の感想記事を書くことを決意。
まずは第一部極限脱出 9時間9人9の扉をレビュー

極限脱出 9時間9人9の扉(チュンセレクション)

極限脱出 9時間9人9の扉(チュンセレクション)

=>PC所有者ならば、ノナリーゲームシリーズとしてSteamでセットがでてます。

注意:このシリーズで決定的なネタバレを読むことは、面白さを9割減することと同じになります。くれぐれも攻略サイトを見てプレイしないように。

注意:この作品群は続き物です。
この極限脱出シリーズは3部作となっているため順にプレイすることを超推奨します。
1.極限脱出 9時間9人9の扉 (DS、iphone,ipad) 
レビュー:この記事
2.極限脱出 善人シボウデス (3DS,VITA)
レビュー:次回
=>書きました
www.citrussin.com

 
3.極限脱出 刻のジレンマ ZERO ESCAPE 刻のジレンマ (3DS,VITA)
レビュー:
www.citrussin.com


シリーズ概要

極限脱出シリーズは、途中途中の脱出パートを楽しみながら読むアドベンチャーゲームです。
アドベンチャーはノベルゲーのこと。文字を読むスタイル。
脱出パートはあれですね、密室等の閉鎖された環境から脱出するゲームです。室内(とすると)にはいろいろな物やおかしな仕掛け、パズルなどが存在しそれを解いていくことで、脱出方法を発見したり、出口の扉の鍵を見つけたりするゲームとなります。
リアル脱出ゲームとか流行りましたよね。
バッドエンド、グッドエンドに様々なものが存在し、それらをすべて読み進めてトルゥーエンドまで見終わればクリア。

一回のプレイで全ての脱出ゲームを回る事は出来ず、いろんな選択肢を見ていく必要があります。

そしてなんといっても、本作のシナリオ&ディレクターの打越鋼太郎は名作”infinity”シリーズを手掛けた人だということです。
このシリーズにもinfinityシリーズの特徴「シナリオ全体に施されたトリック」が盛り込まれ、スリリングかつエキサイティングな体験ができるようになっています。
続きが読みたくて仕方なく、脱出パートでがんばって頭をひねる。
そんな作品。

ただ、999と善人ではすべての謎が明かされないままTo Be Continuedになってしまうので、あくまでの1つのゲームに1つ完璧な筋をと考えているならば注意。
まぁ、上中下巻だと思ってください。

これから始める皆さんはある意味幸せです。。。一作品目が出てから、最終作がこの間出るまで約6年半ほどかかりました。多くの人がすべての謎が明かされるまで長い間やきもきしたことになります。

あらすじ

淳平(主人公)が目覚めると、そこは客船の一室だった。何者かに拉致されたことを思い出し、部屋を何とか脱出し、自分以外にも8人の男女が連れてこられていることがわかる。そこに響き渡る「ゼロ」を名乗る謎の声。
「このゲームはノナリーゲーム。制限時間は9時間。9の扉を開けて船から脱出せよ……」

いやー、クローズドサークルものですねー。いいですねーこの入り方。
ちなみに客船は浸水していて、9時間以内に脱出できないと溺れ死ぬことになります。
クローズドサークルといえば、おなじスパイクチュンソフトから出ている「ダンガンロンパ」を思い出します。あれも名作でした。
1,2セットが売ってるのでよければどうぞ。

ダンガンロンパ1・2 Reload - PSVita

ダンガンロンパ1・2 Reload - PSVita

ちなみに、ダンガンロンパの元となった小説は米澤穂信さん著の「インシテミル」です。あれもすごく面白いので、おすすめ。
インシテミル (文春文庫)

インシテミル (文春文庫)


よかったところ

やっぱり最後まで謎を解いたときの衝撃が大きい。
この人のシナリオ全体に施されるトリックはすごく好きです。
次から次へと謎が噴出して、一つわかったかと思うとまた別の謎が下りてくる。とても続きが気になるシナリオとなっています。
トゥルールートに至るまでの伏線の回収を含め、「あっそっか!なるほど。」と何回も言ってしまいました。
ていうかXXXのXXXを利用したトリックは、最後に明かされるまで全く気づかなかった。。。。めっちゃ驚いた。
そのことで、謎が解けた後の2周目もすごく楽しいです。真実を知った後の伏線回収は至高。

感情移入もゲームが進むごとに深まりました。
キャラがまたいいんですよ。いろんな特徴のあるキャラ達で。知的で、悪徳もいれば美徳もあって。
いろんな事情や隠し事なんかも抱えてて。
最後の脱出なんてまるで主人公になった気持ちで
「早く、早く解かないとぉぉぉぉ」
ってなりました。めっちゃ焦った。時間制限ないんですけどね。

ノナリーゲームの動機もすごく良かった。ゼロの正体も含め驚きましたし、改めてこのノナリーゲームへの見方が変わりました。
後味も含めてとてもいい作品だと思います。

だめなところ

アドベンチャー部分のスキップ機能が弱い。(iOS版では強化されているらしい)
続編は非常にスキップ機能が快適になっていることからも、その点は指摘受けたんじゃないですかね。
マルチエンディングの構造上もっとユーザインタフェースには最初っからこだわってほしかった(高望みすぎですかね)

さらに言うと、マルチエンディングのための分岐が非常に、極めて分かりにくい
すべてのシナリオを読んで初めて解放されるトゥルーエンドもあり、全エンド6種類へ行くには様々な選択肢を選ばないといけません。が多くがダミーや即BAD確定です。正直どれがどのENDに向かう選択肢かわかり辛い。
それだけならノベルゲーム、特にミステリー物にはよくあることですが後述の”最大の難点”と合わせると本当にきつい。
続編はどの分岐がどのルートにつながるのか簡単にわかるようになりました。きっといろんな指摘を受けたんだろうなと思います。
この分岐だけはあれですよ、攻略サイトみてもいいと思う。
ていうか、極力ネタバレを省いた最少全シナリオ分岐図を作りました。ほかの選択肢はちゃんと考えて選びましょう。ガンバ。
9時間9人9の扉シナリオルート分岐
赤がスタート、緑が分岐、青がEND
全6ENDになります。バッドも含めすべてのENDをプレイ推奨。


まぁ、いいです。上の2つは高望みしすぎでしょう。
ゲームだしね、第一部だしね、スキップ機能あるといえばあるし。。。。
でも、一番難点はそんなところじゃない。問題は
脱出パート自体に、スキップ機能がない。
なんでやねん。
淳平が最初の客室を脱出するの二桁回ほどやったぞ。スキップさせろや。一発で開けさせろや。
暗証番号や回答を知ってれば謎解きのショートカットが可能とはいえ、それでもきつい。
しかもこれ、考察のし甲斐があるゲームやぞ。
なんども同じシナリオを読んで、真実との差異や起こったことを”そうだったのか!”と言いながら楽しめるゲームやぞ。
なんでおんなじ脱出を何回もやらなあかんのか。。。
ディレクター曰く「脱出パートの中で重要な話があるためスキップが入れられなかった」とのことです。
わかるけどさ、すっごいよくわかるけどさ。
ちなみに続編では重要な会話はシナリオ部分で行われるようになり、脱出パート自体をスキップ可能になりました。きっと多くの指摘が行ったんでしょう。


人を選ぶところ

脱出パートは歯ごたえもありつつ、キャラたちがヒントを出してくれる初級者にも優しい設計で、万人にお勧めできる。
しかし、シナリオの難度が高い。
独自の科学理論やオカルトに近い独自設定を持ち出すので、理解するのに結構頭使います。
さらに例のシナリオ全体のトリックがいくつか仕掛けてあるので、最後のトゥルーエンドにそうだったのか!をするには劇中疑問に思ったことをいろいろ覚えておく必要もあります。
結構大変。

加えて、シナリオの考察どころが多いところもポイント。
三部作すべてクリアしてもなお説明されない部分があります。(続編で明かされた伏線も大量にあります)
まぁ、好きな人は好きですし、私もめっちゃこういうの好きですが、疲れて考えがまとまらない時にできるゲームでないことは確か。


総括

頭は結構使いますが、すごく面白い作品です。
ミステリー、特にクローズドサークルがすきならぜひどうぞ。
内容もコンパクトにまとまっていて(上に書いた分岐を見るならば)土日の二日で終わるかとも思います。

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