極限脱出三部作の最終「刻のジレンマ」が発売されたためクリア次第記事を書くことを決意。
前回に引き続き第二部善人シボウデスをレビュー
シリーズ概要は前回を見てね。
注意:この作品群は続き物です。
この極限脱出シリーズは3部作となっているため順にプレイすることを超推奨します。
1.極限脱出 9時間9人9の扉 (DS、iphone,ipad)
レビュー:前回
www.citrussin.com
2.極限脱出 善人シボウデス (3DS,VITA)
レビュー:この記事
3.極限脱出 刻のジレンマ ZERO ESCAPE 刻のジレンマ (3DS,VITA)
レビュー:
www.citrussin.com
注意:このシリーズで決定的なネタバレを読むことは、面白さを9割減することと同じになります。前作未プレイならばこの後のレビューを観ないようにお願いします。
あらすじ
男子大学生・シグマ(主人公)が何者かに拉致られ、目覚めると謎の少女ファイとともにどこかのエレベータにいた。何とか脱出した二人は7人の男女と出会う。彼らも拉致され監禁されたのだという。そして周りを見ると謎の施設の中にいるようだ。謎だらけの状況でゼロ三世と名乗るウサギがモニターに映る。
君たちにはここでゲームをしてもらう。。。
「その名もノナリーゲーム・アンビデックスエディション!!」
- 出版社/メーカー: チュンソフト
- 発売日: 2012/02/16
- メディア: Video Game
- 購入: 1人 クリック: 17回
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アンビデックス、直訳で二心のあるノナリーゲームですよ。タイトルと合わせてわくわくしません?
誰が、何が、裏切るのか。いろいろ想像しながらゲームを進めてください。
そして、またノナリーゲームです。
前回で終わったんじゃねーのかよ!!今度のゼロは誰なんだよ!!
そんな疑問を抱きながらも読み進めるといいんじゃないでしょうか。
今回は幼馴染なんて生易しい存在もなく、知り合いがいない状況でのスタートです。
前作やってから
前作キャラがいろいろ出ます。
前作をやってる前提の言葉や知識が飛び交い、前作の伏線消化やアフター話も出てきます。
前作やりましょう。iPhoneでもiPadでもDSでもPC(Steam)でもすきなものをお選びください。
進めかた
とりあえず悩むくらいなら、全て一番上の選択肢を選んで、最後まで行けば一つ前に戻って二番目と進めればいいんじゃないですかね。
それでシナリオマップ左から埋まっていきますので。
私は不都合ありませんでした。
シナリオジャンプもスキップもとても快適。
いや、しかし。もしかしたらこの作品は”あなたがどのルートから進めるか”で体験が変わるかもしれません。すでに物語は始まっているのです。
驚愕、焦り、期待、そして謎、謎、謎。あのドキドキは未読の状況でしか得られません。
けっして攻略サイトを観たりしないようお気を付けください。
少なくともノベル部分はシナリオマップを埋めれば、最後のトゥルーまでたどり着けます。脱出パートは。。。まぁがんばって。
ここがおすすめ
快適になったゲーム性
シナリオマップが見れるようになり、シナリオジャンプも可能になりました。
これで煩雑な分岐確認や、スキップ不要です。
また、ToBeContinueで止まっているシナリオの位置にマークがつき、進めるようになったらマークが変わるため、次に進めるシナリオがすぐにわかるようにもなりました。
シナリオスキップも強化されており、一度読んだところは別のルートでも飛ばしてくれるようになっています。
当然脱出パートもスキップ可能。シナリオマップから脱出後のシナリオに飛ぶだけでOK。
さらに、1度解いた脱出パートは脱出パート中いつでも即脱出可能になっています。すべての脱出は最終的に鍵が必要であり、鍵のパスは解いたものならいつでも参照可能です。
ヒントの量も変更可能。脱出パートに何度も苦労し、もう少しヒントが欲しい場合easyモードに変更することが可能です。仲間からもたらされるヒントが詳しいものに変わります。
じっくり何度も挑戦できますね。
さらに裏パスワードがあり、easyで空けたら一部、hardで空けたらすべてのTIPSが閲覧可能となります。
easyで解いた後、hardでパスワードだけ入れなおしてもOK。
親切設計。
シナリオだけ求めている人にも、ガチで頭を使いたい人にも優しい設計です。
つまり、前回のような煩雑な作業が減り、リプレイ性が非常に上がりました。
前作のキャラも登場。魅力的なキャラクター
四葉が再登場!しかもボイス付きですよ!
監禁された9人の中に四葉がいます。やっぱかわいいわ。残念ながら兄ニルスはおりません。
その代りか知らないですが、前作の茜ENDの最後に出てきたICE9アリスらしき人物もいます。
これで前作の一番意味不だった、ミイラが生きてたのかよ!でもあそこは再現施設で実際の船じゃねえよ!の部分が語られるということでしょうか。
やってからのお楽しみ。
相変わらず全キャラ魅力的で、敵役となるXXXもルートを進めるごとに不思議な愛着がわきました。
しかし、やはり一番気になるのは最初に出会うファイでしょう。
すっごい気に入りました。聡明、用心深さ、それでいて情の深いところ。
知的クールなのにおちゃめなところもあってすごくいいですよね。
善人ではいられない囚人のジレンマ
囚人のジレンマはまぁ有名なので割愛。
要するに「個々が利益を追求すると全体を見ると不利益になることがある」ということです。
相手を信用できない状況では裏切りたくなります。
ましてや施設内では様々なトラブルが起こります。
全員が賛成に投じ続ければ、3回で全員が脱出できる。
それがわかっていてもできない。信じられないし、善人ではいられない。
そもそもBAD含む全ENDみるためにプレイヤーは容赦なく裏切りを選んでいかなくてはならないですしね。
疑心暗鬼と謎が蠢くクローズドサークルにはぴったりのテーマです。
すべてのENDとルートに意味があるストーリー
前回も先が気になる展開でしたが、今回も怒涛展開の連続です。
いや、UIが整備されたおかげで没入感は前作以上です。
全てのルートに謎があり、必死にどういうことだ?と考えながら進めます。
一つといたら、また謎が。一つといたら自分の仮説に矛盾が。
寝る間を惜しんでのめりこみました。
ちなみに、私は深く考えすぎて、重ね合わせがかかわっていると思ってました。
各通路が入り組んでいることで、シナリオのルートによって使う通路が違うためです。
最初は全ルート、全キャラクターが同時存在しているのかなと推理しながら読んでました。
せっかくXXXがXXXなんだから、そういう要素あってもいいと思うな。
ストーリーのわかりにくさは減った。
非常に気を使っていると思いました。
シナリオマップは時系列に並び、最終的に様々なことがいろんなキャラクターや主人公の口から語られます。
前作は必死に考察しても仮説を立てるしかなかった部分が多かったですが、今回はきっちり畳まれます。
まぁ、そのことにたいして賛否両論があるかもしれませんが、やはり「そうだったのか!」には”納得”が必要です。
回答をしっかり用意してくれているのは、個人的には好印象。
前作結局いろんなことが分からないままとなった人も、楽しめると思います。
歯ごたえのある脱出パート
前作も脱出ゲームとしても楽しめる良作でしたが、如何せん何度も脱出させられる都合上、
そのうちいい思い出より面倒くさかったという思い出のほうが強くなってしまうきらいがありました。
また、操作性の都合や奥行きの都合がありおそらく十全に作れなかった感があったのも残念でした。
その快適性や表現の自由が拡張された今作はすべての問題を払しょくした脱出パートになっており非常に楽しめます。
わかりにくいアイテムや見た目に対してはキャラたちがさりげないセリフや会話で補助し、キャラへの理解も深まり一石二鳥。
操作の快適性は上記で触れたようにやっぱり素晴らしいものですね。
アイテムの交換やファイル閲覧も簡単にできとても捜索が捗ります。
そして何より部屋が立体になったことによる表現方法の拡張。前作ではやりきれなかった様々な仕掛けが使えるようになり、非常に頭を使い楽しかったです。
やはり長時間苦しみながら解き明かした脱出は後から思い出してもいいものになりますね。
あえて言えば、残念な部分
3Dキャラクターの出来があんまりよくない。と最初は思ってしまう。
特にルナ。まぁ、原画の髪型の際限が難しいことは良くわかります。
しかし、なんか途中から全く問題なくなります。ルナもすっごい可愛い。みんないいキャラ。
あとは、終わり方ですかね。
第三部へ続く。。。完
ってやつでした。決着はつくといえばつきますが、次回持越しの話が大量に出てきます。
最初は見逃した選択肢や隠しでもあるのかと必死にシナリオマップを探しましたよ。
結局完全クリアでした。
alternative endがラストになります。
総評
前作やったなら絶対やってほしい良作。飽きさせないシナリオはそのままに、よくなったUI、文句なしの快適性。
VITAのほうがスクショでヒントや情報を丸ごと保存できるからおすすめですが、3DSはペンが使え、メモが取れる利点も。
持ってる方を買えばいいと思います。
ただし、エンディングを見ると必然的に刻のジレンマを買うことになります。
さあ、みんなゲーム屋、ネットショップ、コンビニへGOだ。
ちなみに、
最後までクリアした人にのみわかると思いますが、このノナリーゲームの仕掛けはとある小説に似てます。「高畑 京一郎のタイム リープ(根幹部分のネタバレになるので反転)」あれも超お勧めですよ。このゲームの仕掛けが気に入ったらぜひ読んでみてください。