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citrussinのチラシの裏

ゲームや読書感想、日々のことを適当につづる日記。TwitterID @sinensis197

次世代のウルトラマンが、セブンが、エースが、そしてタロウも。清水栄一✕下口智裕が送るヒーロー活劇コミック「ULTRAMAN」はウルトラマンが地球を救ったその後を描く元ネタリスペクトに溢れた新ウルトラ活劇。

少年の体に宿る正義(ウルトラマン)の遺伝子、運命の子は本物のヒーローになれるのか?

円谷プロが生み出した特撮ヒーロー「ウルトラマン」
仮面ライダーとともに日曜の特撮ヒーローとして絶大な人気を誇るシリーズです。
その作品を別歴史としてオマージュし、見事に新ウルトラシリーズとして連載しているコミックがあります。
清水栄一✕下口智裕の「ULTRAMAN」

ULTRAMAN 1 (ヒーローズコミックス)

ULTRAMAN 1 (ヒーローズコミックス)

スーツに入った姿からわかるかもしれませんが巨大ヒーローではなく強化装甲を纏い戦う戦士として、地球に帰化した異星人や地球人との軋轢を始めとする諸問題に立ち向かっていきます。
主人公も高校生で、初代ウルトラマンの同化先”ハヤタ・シン”の息子でもあります。
ウルトラシリーズの設定を深く落とし込み、新世代ヒーロー物として描く一作おすすめです。


公式サイトは下記になります。
heros-ultraman.com


あらすじ

そうかつての話。この世界には「光の巨人(ウルトラマン)」と呼ばれる存在がいた。光の巨人は1人の地球人と同化し、異星人の侵略や「怪獣」と呼ばれる巨大生物による幾多の破壊と混乱からみんなを守ってくれた。。。そして、光の巨人は最後に宇宙恐竜ゼットンと戦いその役目を終えた。巨人は自らの故郷へと帰還し、同化していた地球人はそれまでの記憶を失った。
40年後、そこはウルトラマンの存在が過去のものとなった世界
模型と映像で語られるかつての英雄譚。

ウルトラマンと同化した地球人、早田進(ハヤタ・シン)も年を取り、妻と息子に囲まれ平和に暮らしていた。
しかし、彼の息子・早田進次郎(ハヤタ シンジロウ)は、生まれながらに特殊な力を持っていた。その身に宿す、ウルトラマンの遺伝子が息子に遺伝したのだ。
高校生になった進次郎はある日突然、謎の敵に襲われた。命の危機を救った父から彼は衝撃の告白を受ける。「自分こそがウルトラマンだったのだ」
年老いて防戦一方の父の危機を前に、元科特隊の井手からウルトラマンスーツを与えられた進次郎はウルトラマンとなり新たな地球の危機に挑む。





「進次郎くん。右手を立て左手を右肘の後ろに合わせるんだ。」
「まさか!これは」
「そう、スペシウム光線だ」
熱い。特にウルトラマンを知っていると端々のオマージュが非常に熱い。
セブン以降続いているウルトラ世界とは別時空、別歴史の話です。ただし違った形でセブン、エース、タロウなどのウルトラ戦士が合流します。
そしてウルトラマンは巨大ヒーローでしたが、今作では仮面ライダーバリの「強化装甲を纏い戦う戦士」です。
敵も味方も人間相当の大きさなので、日常と非日常、絡み合う人間関係や人種問題といった中高生から大人でも楽しめる要素が詰まっています。

最初の仕事が災害の被災者の救出だったり、周囲の人間へのPRだったりと政争もふんだんに絡んできます。
ある意味、ファンは”こうじゃない!”となるかもしれませんが、ウルトラマンリスペクトの別作品として見ることをおすすめします。公式二次同人というか。
ちなみに元々は初代ウルトラマンオマージュの、ウルトラマンとはストーリー上の繋がりのない「等身大でスーツを着て戦う」全く別のウルトラ作品として描かれる予定だったものが方針転換してこの形になっています。

政治劇を含んだ展開はいざという時に頼れる大人がいる。というかおっさんたちがかっこいい。

初代ウルトラマンのハヤタ・シンがね、かっこいいんですよ。
防衛大臣でもう老体になっていても子供のために鞭打ってね。
「連中に教えてやろう。ウルトラマンを怒らせたらどうなるか」
ってセリフが最高にしびれました。
ゼットン星人とイデ・ミツヒロがウルトラマンの政争利用を推し進めたり、味方だったはずの異星人や地球人が敵に回ったり。
そもそもこの作品は政治劇を含みます。
「力じゃ解決しない様々な問題が絡み合っており本当の敵はだれなのかさえ不明」とか、「大きくテクノロジーに劣る星(地球)と異星人の軋轢」とか腕ずくでは解決できません。
そういうところに、おっさんとなった初代の科学特捜隊日本支部が立ち向かうわけですよ。
しかもゼットン星人まで味方になって。
ワクワクするよね。戦闘は新世代。政争は旧世代。
過去の因縁が今につながって、それを若者たちが切り開き、大人がバックアップするわけです。
大人が頼れる作品は名作が多いよね。
悪役も味方役も中々アレな大人が揃ってます。
8巻のあの展開は中々衝撃なので要注目。

そこらかしこにウルトラマンシリーズオマージュ

ネタを知ってたらとても楽しいでしょう。
名前や設定ぐらいしか知らない私でも楽しめました。
「この設定をこういうふうにアレンジしてくるか!」みたいな。
wiki片手に読んでもいいかもしれない。
まず名前からしてね。
北斗の名前が出た瞬間にウルトラマンエースだってわかるしね。北斗くんのヒロインは夕子ちゃんって名前だろうなってわかるわけで。
で、そこからのオマージュと設定落とし込みがすばらしい。
セブンがウルトラマン自身が擬態しているという設定を活かして諸星を追加装備ヒーローにするとか、北斗くんの「最後までとっておくから切り札(エース)っていうんだよ」ってやつとかね。
あーやっぱ知ってたらもっと楽しめるのかねーというのがちょっと残念。
一番の見せ場は何と言っても各ウルトラ戦士の誕生理由とバックボーンでしょう。
「通称、セブンだ」とかね。ああ、こうやってウルトラセブンを誕生させたかーみたいな。
8巻のタロウの誕生の瞬間も良かった。俄然9巻が楽しみになってきます。
1巻で見せたスペシウム光線を出すシーンとかも印象深いです。
こういう象徴的なシーンが実際に使われていると「ああ、ウルトラマンシリーズなんだな」って一本筋が通りますよね。


主人公が等身大だけどかっこいい

何ていうか、超ヘタレでわがままな若者なんだけど自分以外が傷つくのが嫌で飛び出しちゃう熱血なところもあって。
もともと金属を簡単に握りつぶせたり、不良に絡まれて蹴りを受け止めただけで不良の足が折れたりして、「俺って化物なんだよな」と思ってしまっていた彼。
それがウルトラマンになって「化物じゃなくてヒーローなんだ!」って認められて嬉しくなっているときに、「正義なんていないんだ」ということを見せられる展開。
更に敵と闘うたびにどんどん自分の体が普通じゃなくなっていくわけですよ。
友人と話していても日常に戻れなくなっていって。
でもどれだけ酷いやつでも殺す事ができず化物にもなりきれない。どうやっても割り切りできずどっち側にも立てない不安が募っていくわけです。
そんなジレンマも押しのけて、それでも立ち上がっていくのがこの進次郎のかっこよさだと思います。
セブン編で落ち込んだ彼がエース編で立ち上がっていくのはすごくかっこいい展開でした。


敵役もライバルたちもかっこいい

敵や味方がみんな一筋縄ではいかないキャラでいい味出してます。
”最初の敵”ベムラー、”異星人絶対殺すマン”諸星弾(セブン)、”かつてウルトラマンに助けてもらった刑事”遠藤庸介とか。
様々な敵やライバル、味方がウルトラマンシリーズから名前をもじって(遠藤刑事はオリジナル?)進次郎の周りに現れます。
ジャックとかね、もうあいつ名前と風貌でわかりきってるけど只者じゃないしね。
どうなんだろう順番的にはもう登場済みと考えていいんだろうか。一応初代=>セブン=>帰ってきた=>エース=>タロウと出現順番はきっちり守っているみたいですし。
ベムラーもなー。巻を追うごとにいろんな魅力が付加されていって。やっぱこいつもウルトラマンなのかねー。
まだ思惑も立場もバラバラウルトラ兄弟たちが今後いかにして集結していくのか。
そして、7~8巻で判明した黒幕にどう立ち向かっていくのか。
続きが凄く気になっています。



ウルトラマン知っていたほうがいいのか?
という問いには、「知らなくても楽しめるけど、知識があるとニヤニヤできるよ」という答えが正解だと思います。
王道正義物に、政治劇を混ぜた作品が好きなら別に前知識はいりません。
もしこの作品で興味が出てきたら別のウルトラ作品を見ればいい話だしね。
ということで、まっとうな王道正義ものとしても新たなウルトラシリーズとしても楽しめるおすすめ作品
良作コミック「ULTRAMAN」
もしよければ手にとって見てください。


ULTRAMAN 1 (ヒーローズコミックス)

ULTRAMAN 1 (ヒーローズコミックス)