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泥棒と弁護士が暴く多様な密室ミステリー。貴志祐介の「防犯探偵・榎本シリーズ」 感想。

前々から気になってた貴志祐介の「防犯探偵・榎本シリーズ」

  • 第一巻

硝子のハンマー (角川文庫)

硝子のハンマー (角川文庫)

  • 最新巻

ミステリークロック

ミステリークロック

凄腕の泥棒が探偵となり、弁護士のヒロイン(?)とともに様々な密室に挑む、密室にこだわった傑作ミステリーです。
「鍵のかかった部屋」というタイトルでフジテレビの月9がドラマ化(大野智、戸田恵梨香主演)してたそうで、小説知らないけどドラマは見たって人も多いのでは?
私は見てないですが、見た人から聞く限り評判は良かったそうです。

鍵のかかった部屋 DVD-BOX

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泥棒が「推理で密室をこじ開けていく」ってのが痛快で面白いですね。
様々な防犯システムや知識も出て来るらしく、読もう読もうと思いながら今まで読んでませんでした。
ほら、貴志先生ってホラー畑というか、「黒い家」や「悪の教典」みたいなスリリングサスペンスが得意な印象があって。
まぁ「新世界より」がアニメ化したので、SF方面が馴染み深い人もいるかもですが。

ですが、防犯探偵シリーズはコメディチックなテイストのミステリ作品と聞きまして、現在出版されている4冊を一気に全巻読みました。

ということで雑文感想。


注:この記事は「防犯探偵・榎本シリーズ 」の致命的でない軽いネタバレを含みます




全巻感想ということで、ちょい長くなったんで目次を挟みます。

シリーズ概要

「レスキュー法律事務所」に所属する美人弁護士・青砥純子(美人と呼ばれることに本人もまんざらではない)。
彼女はベイリーフ社長殺害事件の容疑者弁護をするために密室の謎を解く必要に迫られ、とある防犯コンサルトに調査を依頼する。
「F&Fセキュリティ・ショップ」店長・榎本径。
だがこの男、何処か怪しい。
それもそのはず、防犯ショップの店長とは仮の姿。彼の本職は凄腕の泥棒であった。
イザコザはあったものの最終的になんとかベイリーフ事件を解決した二人であったが、事件解決の実績を買われ、以降二人は様々な「密室」の事件に巻き込まれるハメになる。
次々と舞い込む奇々怪々な密室事件に、彼らはどう立ち向かうのか


というのがこのシリーズの概要。
次々と榎本が事件を解決していくことで、いつの間にか「密室殺人なら青砥弁護士」ってなって更に密室事件が飛び込んで・・・と青砥は意図せず数多の密室に関わることに。
彼女は自分で解いた事件は一つもないので、とりあえず「超怪しい、っていうか多分現役の泥棒」な榎本径に頼ることになります。

注意として、この作品は順々に読んでいってることを前提としていて、「以前の巻で出てきた事件や登場人物が後の巻で話題に上がる」ことが多々あります。
なので、できれば1から読んでいくことをおすすめします。



基本はワトソン役(青砥)が様々な仮説を立てては、ホームズ役(榎本)に反証され、それを繰り返しながら真実を探す「別解つぶし」を採用している。
別解つぶし系だとやっぱ島田荘司先生の御手洗潔シリーズが有名ですかね。
占星術殺人事件や斜め屋敷など、あらゆる「あり得た可能性」が潰されてからの思いもかけなかった真実が素晴らしいシリーズです。
当ブログでは、こないだ有栖川有栖先生のアリスシリーズを紹介しましたね。
アリスシリーズはホームズとワトソンの間柄や掛け合いがとても素敵なミステリ。

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この防犯探偵シリーズは、あまりに青砥が天然でポンコツなんで、密室事件自体は陰惨だったり重いストーリーなのに何処かコメディでユーモラスなのが面白い。
そしていろんなタイプの密室殺人が楽しめるのも特徴。
海の上だったり、監視カメラの中だったり、間接的に誰も入れないことが証明されてたり。
まぁ「防犯」探偵なので、防犯システムの欠陥や人間の間違いを奇想天外トリックに仕立て上げるというテイストが基本になってますが、本当にいろんな密室が出てきます。

「鍵のかかった部屋」の劇場型密室、「佇む男」の死体密室、「鏡の国の殺人」の迷路密室。
「盤端の迷宮」のように『やる意味がわからないが、結果的に密室になってる」ってのもありましたね。



クールな泥棒とポンコツ弁護士の掛け合い推理

「わかったわ!そうかそういうことだったのね・・・」
「自分の閃きに鳥肌が立った。もう間違いない」
「どう考えてもコレしかありえない。犯人はアレを使ったんだわ」
自分の勝利を確信したドヤ顔から繰り出される奇妙奇天烈な推理・・・いや妄想。
回を経るごとに青砥純子さんのポンコツ具合が加速していく・・・
最初はあんなにクール美人な弁護士さんだったのに、今じゃもう残念な状態に。
普段は常識人だから、なおさら事件に巻き込まれた後の天然具合が・・・おおぅ、もう(´;ω;`)
最新作ミステリークロックで、「せめて”愚かしい”ぐらいにとどめてほしい」とかいいだしたし。
事有るごとに「私の美貌に見惚れたなら仕方ない」とか言うし。
残念美人が極まってる。
でも仕方ないよね。アホな子ほど可愛い。
榎本さんも何処かほっとけない彼女だからこそ力を貸してる面がある。


自分の閃きや推理に凄まじい確信を持った青砥がとんでもない妄言推理を話し、
周りのみんなが「大丈夫かこいつ?」みたいな状況で榎本が
「期待せずに聞きますけど、何か思いついたんですか」
「まぁ、一応拝見しますが何がわかったんでしょう」
「面白い推理ですね。でも今回は違うと思います」
「残念なのは犯人じゃなくて青砥さんの頭かもしれませんね」
とか全く信用してない相槌を打ちながらフォローしていくのがお決まり。
この掛け合いがなんかすっごく相棒感してていいんですよね。


また、ヒロインの可愛さ(?)だけでなく、榎本径の胡散臭さとかっこよさもいい。
証拠や調査が足りないとなれば、ぬるりと夜の闇や昼の死角を利用してターゲットの部屋に忍び込み、あらゆる情報を取得する。
泥棒稼業で培った腕は様々な防犯システムの裏をかき、いろんな防犯グッズ知識とともに「こんなんじゃまだまだ甘いですよ」と言わんばかりに密室の欠陥を看破する。
クールでリアリストで犯罪に加担することも意に介さないけど、「”殺人”という簡単な逃げに手を出した人間は見逃せない」という心に秘めた熱血がすごくいい。
それでいて時折、犯人や青砥に見せる情の深い・・・というかどことなく甘いところも素敵です。

そして、とにかく犯人や被害者(復讐されたクズ)のサイコパス具合が絶妙という点も推しておきたい。
ほんとに救いようもないいい感じの外道が奇怪な密室に華を添えます。
探偵物シリーズはねー、キャラが良くないと長々と楽しめないからね。

各作品雑感

防犯探偵第一巻 硝子のハンマー

12階建てのオフィスビルの最上階から3フロアを占める介護サービス会社『ベイリーフ』。
少し前に起きたとある「事件」を受けてセキュリティーが強化されたオフィスで、その日最上階の社長室でベイリーフ社長が撲殺された。
ビルエレベータからは暗証番号なしでは最上階へ行けず、しかも最上階の監視カメラには誰も映っていない。
更に社長室に行く前のフロアには秘書たちがいた。
そう、社長室は密室状態だったのだ。
唯一誰にも見られず通り抜けられたのは部屋内の扉でつながっている専務だけ。
専務の弁護士となった青砥純子は、なんとか密室を破ろうと防犯コンサルトを名乗る怪しい男、榎本径に事件解明を依頼する。
二人の前に立ちふさがる数多のセキュリティー、異様な介護ザルと介護ロボットのコントラスト、そして不可能犯罪。
どう考えても専務以外は通り抜けられない密室ロジック。
泥棒と弁護士の異色タッグが挑む難攻不落密室ミステリの結末やいかに。

硝子のハンマー (角川文庫)

硝子のハンマー (角川文庫)



榎本と青砥が出会った最初の事件であり、一冊丸々「ベイリーフ事件」を扱う長編密室ミステリ。
あらゆる可能性を虱潰しにあたり、粗方可能性が否定されたところで意外な「真実」への糸口が見つかる前半と、
真犯人視点で犯行に至った動機と実行風景を語る後半という二部構成。

それにしても、「硝子のハンマー」なぁ。
本のタイトルの意味がわかった時に、思わず声が出た。
「別解つぶし」の面白さはこういうとこやね。
何度も何度も考えて「これしかない!」ってなった推理が一つの証拠であっさり覆されて。
いやほんと、介護ロボットや介護猿等の介護サービス企業という舞台や、監視カメラ等のギミック類が良い味だしてますわ。
誰も彼もが怪しいし、何もかにもがミスリードに見える。
あれでもない、これでもない、それもない。
じゃあもう方策が無いじゃない!ってなったところで、探偵が気付く些細な違和感の正体。
そしてなるほど!と、あっと驚く真実が提示される。
まさかこういう手があったとは。
長編だからこそ、くねりまくった思考の迷路を抜けた先の真実が心地良い。

防犯探偵第二巻 狐火の家

家に帰ってきた父親を出迎えたのは娘の遺体であった。
しかし彼の民家の前では近隣農家のおばちゃんが一日中仕事をしており、「父親が帰ってくるまで誰も家に近づかなかった」と証言していて・・・
ーー「狐火の家」

青砥は動物愛護を捲し立てる依頼者に困惑していた。
どうやらペットを譲り受ける約束をしていたそうだが、飼い主が事故で死亡し飼い主の妻がペットを殺そうとしているという。
とりあえず飼い主の自宅を訪問した青砥を待っていたのは想像を絶する光景だった。
ーー「黒い牙」

ホテルの一室で倒れていたのは竜王戦を控えた五段棋士。
彼の部屋は鍵がかかっており、さらにチェーンまでされていた。
果たして犯人は如何に彼を殺し逃走したのか
ーー「盤端の迷宮」

ベイリーフの一件で知り合った劇団女優が青砥に事件相談を持ちかけた。
どうやら犯人も動機も目星がついているが、当日彼は現場に近寄れなかったはずだという。
劇団『土性骨』シリーズその1
ーー「犬のみぞ知る Dog Knows」

表題作「狐火の家」を含めた4作からなる短編集。

狐火の家 (角川文庫)

狐火の家 (角川文庫)

基本的に長編は一巻の「硝子のハンマー」のみで、後に続く2,3,4巻はすべて短編集です。
そして巻を経るごとに青砥弁護士のポンコツ具合が酷くなっていきます。

狐火からの黒い牙の流れがいい。
まぁどう考えてもしっかり話を聞かずに飼い主宅に向かった青砥がポンコツなんですが、いや当事者にとっては中々に壮絶な事件だと思います。
黒い牙でどんどん追い詰められ馬脚を表してく青砥弁護士の涙目加減がすっごくいいですね(・∀・)
それと第一巻は長編だったので結構丁寧に描かれた犯人の動機ですが、短編になるとよりココらへんが短くなって濃い。
狐火の家は特にドラマ映え、映像映えしそうな出来でした。

そして現れた防犯探偵最大のキワモノ「土性骨」。
あまりにも単純で当たり前の話を、ココまでスラップスティックに描かれるとなんか逆に深く悩まされてしまった感があって悔しい。

防犯探偵第三巻 鍵のかかった部屋

葬儀会社の社長が遺書を置いて自殺した。
部屋のドアにもたれかかり机に挟まれる形で蹲った死体によって入り口が塞がれ、現場は問答無用の密室状態。
しかし、残された遺書の内容と現場の異様な光景から、顧問弁護士が青砥へ調査依頼を持ちかけた。
ーー「佇む男」

かつて「サムターンの魔術師」と呼ばれた凄腕の泥棒が、榎本に事件の調査依頼を請うてきた。
彼が甥っ子の家に訪ねた日、甥っ子が部屋を密室にして自殺したのだという。
どう考えても養父が怪しいと訴える元泥棒だが、魔術師と呼ばれた彼自身が密室であったことを確認していて・・・・
ーー「鍵のかかった部屋」

夢のマイホームは欠陥だらけの歪んだ住宅だった。
開き直ってこちらを脅してくる施工会社に憤った男は、ついに業者を手に掛けてしまう。
だがまあいい、不幸な事故と処理される。だってここは密室なのだから。
ーー「歪んだ箱」

前回の『土性骨』の事件解決を祝い、劇場に招待された青砥と榎本。
前衛的すぎる意味不明な劇を鑑賞したあとに楽屋へ行くと、そこには死体と劇団員たちの姿。
しかし、犯行は劇中に行われたもので、手を出せた人間が絞り込めないという。
劇団『土性骨』シリーズその2
ーー「密室劇場」

表題作「鍵のかかった部屋」を含めた4作からなる短編集。

鍵のかかった部屋 (角川文庫)

鍵のかかった部屋 (角川文庫)


ドラマ化した際はこの巻の表題「鍵のかかった部屋 」がテレビタイトルに使われましたね。
まぁ密室が主題なのだから「防犯探偵・榎本」より視聴者に伝わりやすかったんでしょう。

何よりやはり「鍵のかかった部屋」ですね。
魔術師と共に「密室だった現場」を読者は体験しており、それゆえに魔術師の言う「養父のあやしさ」も知っています。
短編で有るがゆえに真っ向からの「密室解き」が楽しめました。
防犯探偵シリーズの密室はキワモノだらけですが、個人的には鍵のかかった部屋みたいな密室は結構好きです。
それにしても(佇む男や歪んだ部屋もそうですが)ミステリ部分の骨子をタイトルにするのがうまいなぁ。

さて、土性骨シリーズその2。
なんだろう。ひどい劇だったね(´・ω・`)
この適当さ。「人が死んでるんやで!」っていいたくなるレベルのドタバタ加減。
ただ土性骨のキワモノを持て余した感も多少あって、どちらかというと文字よりも「映像で輝く作品」な気がします。
そういう意味では個人的には狐火の家と同じくくくり。
こっちはアットホームコメディだけど。


防犯探偵第四巻 ミステリークロック

鍵がしまった暴力団事務所内で一発の銃声が鳴り響き、構成員が死んだ。
部屋の鍵開けに呼ばれた榎本は、その現場の様子についつい口を出してしまう。
「自殺だとすると、妙な点があります」
ーー「ゆるやかな自殺」

「新しい美術館のセキュリティーが破れるか試してみてくれ」と依頼された榎本。
だが、侵入したその部屋で待っているはずだった依頼主は、すでに事切れていた。
犯人にはめられたことを知った榎本は青砥を頼って事件を解決しようとするが、そこに待ち受けていたのは「迷路の密室」であった。
ーー「鏡の国の殺人」

女流ミステリの大物作家が開いた晩餐会に呼ばれた榎本と青砥。
しかし全員がロビーに居る時に、作家は自身の部屋で毒をあおって死んでしまう。
時間が支配する密室の中で、果たして彼女を殺せたものはいるのだろうか。
ーー「ミステリークロック」

とあるパッシブソナーの実験中、夜の海の真っ只中でゴムボートが転覆し、乗っていたダイバーが死んだ。
誰も近づけなかったことから事故と判断されたが、ダイバーの婚約者は納得できなかった。
彼女は「密室に強い弁護士がいる」とのアドバイスを受け、青砥のもとへと訪れる。
なぜなら現場はソナーによって常に監視されている、いわば「音の密室」だったのだ。
ーー「コロッサスの鉤爪」

表題作「ミステリークロック」を含めた4作からなる短編集。

ミステリークロック

ミステリークロック


これまで以上に、非常に入り組んだミステリが並ぶ短編集で、「ミステリークロック」や「鏡の国の殺人」では大事な情報に太字をつけたりと工夫されてましたね。
ミステリークロックの時間に縛られた密室ってのは定番ですよね。
推理作家の集いということで、いろんな推理(と青砥のポンコツ妄想)を交わしていくのが印象的。

あと、全体的にこの1冊は本当に青砥さんがポンコツ。
ポンコツかわいいよポンコツ。
TV映り気にしたり、榎本に「いいんですか。いつもと違って映像に残りますよ?」って言われて自分の推理に一瞬躊躇したり。
スクリュー音を口で真似しながら空き缶を振り回してお人形遊びしたり。
榎本に褒められて無邪気に喜んだり。
青砥さんの印象が1巻から全く変わってしまってるのが、なんかもう。
最終章のコロッサスの鉤爪とかポンコツの可愛さが極まった感あります。


あとストーリーの上で忘れてはいけないのが「鏡の国の殺人」の導入ですね。
今までの話は大抵
「そこには誰も行けなかったから事故or自殺」か、「そこに行けたのは一人だからこいつが犯人」。
で、「それに納得がいかない容疑者or関係者からの依頼」という流れ。
それが今回は
「あの榎本が嵌められて、侵入した先には死体が。密室にいたのは榎本一人」
となってる。
探偵が凄腕の泥棒ということで、絶対いつかやってくるだろうなと思ってた展開です。
ただ、結構入り組みまくっている上に印象的なオブジェクトや仕掛けが多い。
更に犯人候補が「錯覚を利用したアートが得意な芸術家」なんで、こっちも小説より映像映えのほうが良さそう。
ドラマでも鏡の国やったらしいですね。
さぞインパクトの有るハンプティ・ダンプティだったでしょう。

総括

多様な密室。榎本という魅力的な泥棒探偵。
そして青砥のポンコツ残念美人具合と、二人の掛け合いを楽しむ作品。
映像映えしそうな舞台設計、動機づくり、ストーリーテーリングがうなります。
ドラマ化したってのもよく分かる。
ちなみに、トリックは「少なくとも物理的にあり得るのか」の検証をしてから描いていて、非常に大掛かりな密室トリックに見えても実現可能だそうです。
(ドラマ化時の作者インタビューより)


ココまで奇怪な密室にこだわった探偵シリーズ物も珍しい。
榎本径の曲者感あふれるキャラクター像や、青砥純子のポンコツワトソン感も素晴らしく、読んでて非常に楽しかったです。
犯人の外道さはたまにドギツくてウッときたけど。
それもそれでまたよし。



貴志祐介の何処か不思議とコメディチックな密室ミステリ
「防犯探偵・榎本シリーズ」

  • 第一巻

硝子のハンマー (角川文庫)

硝子のハンマー (角川文庫)

  • 最新巻

ミステリークロック

ミステリークロック

気になったら手にとってみてください。

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