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ろくろっ首少女の甘酸っぱい青春ラブコメディ。二駅ずい「 彼女はろくろ首」は起承転結がきれいにまとまった良作ラブコメ。

二駅ずい「 彼女はろくろ首」。

彼女はろくろ首(1) (週刊少年マガジンコミックス)

彼女はろくろ首(1) (週刊少年マガジンコミックス)

モン娘好きの私としてはだいぶ前からチェック入れてたんですが、積んでる期間がくっそ長かったな。
すっごい甘酸っぱくて、ろくろっ首の良さに溢れてて。
揺れ動く乙女心と青春の香りがなんとも言得ない作品でした。
そして、起承転結の転の部分で明かされる伏線回収。
ストーリー部分もあなどれない。


ピクシブコミックで一話無料です。
一回覗いてみて。
comic.pixiv.net

ということで、極力ネタバレを避けつつ感想

注:この記事は「 彼女はろくろ首」の致命的でない軽いネタバレを含みます


あらすじ

鹿井なつき、高校1年生。
活発でちょっと勉強苦手な女の子。
そして、ちょっと首を伸ばしがち・・・・・・・

そんな彼女が気になっているのは幼馴染の男の子。
気のおけない。でも一歩先に進めない。
ちょっとしたことで悩んだり、嬉しかったり、ワクワクしたりドキドキしたり。
そんな、ゆるやかな青春の一ページ。


ゆるやかに流れる淡い青春、笑いあえる友達、幼馴染との恋。
一歩先に進みたいけど、勇気が出なくて、でも出したくて。
いいですね。
こういうの大好きです。
なつきちゃんのテレ顔や焦り、首を伸ばしちゃうところなんかが素晴らしいです。
表情一つ一つに感情がにじみ出ていたり、意外と男の子の方も葛藤していたりとキャラの良さがすごくいい。
後述しますが、さり気ないフェチズムにあふれている作品で、なんといいますか「妙に清々しい艶かしさ」みたいなものがあります。
学校の友人達もいいキャラしてるんだよ。
特に親友二人は特に。
二人がいなかったらなつきは前に進めてなかった。
取り巻く面々の気持ち良い性格も、このゆるやかな青春物語に一役買ってます。



一進一退しつつ、ちょっとづつ進める幼馴染との恋。
応援してくれる友達。学校で笑い合うひととき。
気になる男の子と、もどかしさに震えながら、一歩づつ仲が進んでいくような。
じれったい。でも勇気が出せない。

ああああああああああああ、いいなぁ。こういうのいいなぁ(´;ω;`)



青春の甘酸っぱさと、ろくろっ首だからこそのあれこれ

生け垣にね、突っ込んで引っかかった少女を少年が引張って助けようとするんですよ。
思いっきり引っ張るために、少女のお腹へと回される少年の腕。
でもって、力を込めたせいで腕がおっぱいに当たってね。
真っ赤になる少女=>一切気にしない少年=>助かった後に恥ずかしがりながら頭突き
っていうね。
あああああああああああああ
甘酢っぺぇなぁ・・・・(´;ω;`)

課題が終わらんなぁとおもって悩んでたら、気になる男の子(一人暮らし)から無遠慮に
「うちくる?」
とか言われて、ああでもないこうでもないとか悩んで結局断って、
「行けるわけ無いでしょ・・・」
って自問自答するわけですよ!


しかもそういった甘酸っぱい青春が、「ヒロインがろくろっ首である」ことと見事に融合している。
ろくろっ首である理由。首が長くなるということで生まれる新たなシチュエーション。
そういった「ろくろっ首ならでは」をきっちり入れてくるのが心憎い(・∀・)
マンション高階のベランダから、前方の道路にいる好きな男の胸の中へ、首を伸ばして頭だけダイブする。
それがろくろっ首ロマンチシズムなんですよ!
描写の端々から感じられるろくろっ首のキャラクター性、ろくろっ首だからこそ出来るフェチズムや甘酸っぱい表現がうますぎる。
第一話の、二人でふざけてて、なつきが伸ばした首の喉元へ、幼馴染の男の子が飲み物を当てるシーン。
長くなったうなじがゾクゾクってなって、真っ赤になるなつき。
ああ、これこそフェチズムなんやなって(*´∀`*)

他にもなつきの友人として妖怪娘が出てくるんだけど、それぞれがそれぞれの「現代女子高生生活」をしてましてですね。
実に見事なもんなんです。
甘酸っぱい青春ものの中に、自然に溶け込む妖怪としての個性。
よくぞこのシチュエーションを思いついたと膝を打ちたくなる場面。
作者のフェチズム感には偉大なものを感じます。

理科の実験で、彼女の頬をムニムニしてヨダレを出させる場面。
とてつもないフェチズムを感じる。
ヨダレフェチだと謎の彼女Xを思い出しますね。

謎の彼女X(1) (アフタヌーンコミックス)

謎の彼女X(1) (アフタヌーンコミックス)

ただ、こちらはろくろっ首、つまり顔と首なんですよ。
女の子の頬をムニムニする。
これはもうドフェチズムでしょ!


起承転結きれいにまとまった終わり方

1冊ごとに起承転結進んで、きれいに4巻で完結します。
起承できれいに貼った伏線が、転と結で見事に回収される。
一樹のどことない疎外感や、登校時の違和感。
弟が一樹を苦手とする理由
二人の関係から感じるある種の不自然さ。
転で明かされる世界設定を持って、それらの違和感の正体が判明し、二人の恋の行方が新たな姿を見せる。
そして4巻で訪れる試練と、それに対する二人の決意。
一切ダレず終了まで突っ走った傑作です。

惜しむらくは、体育祭編でキャラを増やしたのに、その後一気に物語が進んで完結したことでしょうか。
始まりから終わりまで非常によくまとまっているので、これはこれでよし。とは思いますが。

聞いた話雑誌版では最後のアレがあれしなかったそうですね。
確かにテーマとしてはビターエンドもありかとは思うんですが、ハッピーエンドが好き私としては単行本の終わり方がすごく好きです。

二週目に気づく「彼の恋物語」

ネタバレをするつもりはないので、非常にあやふやな書き方になるんですが。
全部読み終えた後に、あのエンディングの後に、ちょっと置いてからの二週目がいい。

再度一巻を読み進めるとわかる。
幼馴染の男の子である一樹のよくわからない遠慮や、そのことで起こるじれったいと勘違いしていた・・・・・・・あらゆる世界が新たな側面を見せます。
彼は別に鈍感なわけでは決してなかったんじゃないだろうか。
2巻終了=>3巻から怒涛のように押し寄せる一樹君の思いと、その真実に。
そう考えてみると、最初期の二人のやり取りがすごく、何ていうか心に迫るんですよ。

子供だからって、世間がどうだからって。
どうしようもないことって色々あるんですけど、最低限この「想い」に嘘をつかなかった彼は。
本当の意味で、この物語の主人公であったのではないか。
しみじみと、そうしみじみと思いながら再読を4周しました。

そう考えると、雑誌版でビターで単行本でハッピーというのも、単行本では読者は彼とともに・・・・・この物語のやり直しをしたと取れるのではないだろうかと。
そんな考えがよぎるわけですよ。
穿ち過ぎですかね?



総括

すっげぇ可愛くて甘酸っぱかった。
ろくろっ首のうなじと喉元はエロい。
そして二人のこれからに幸あれ。

首を伸ばしがちで、幼馴染の彼に首ったけな女の子の。
胸がキュンキュンしそうな甘酸っぱいラブコメディ。
そして、シチュエーションのいたるところに感じる作者のフェチズムに圧倒される。
素晴らしい青春ラブコメでした。


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