女の子が、
女の子に
恋をするということ
はい。
仲谷鳰「やがて君になる」
可愛い女の子達が”特別とはなんだろう”と悩みながら惹かれ合ったり触れ合ったり落ち込んだり喜んだりする学園ガールズラブモノです。
- 作者: 仲谷鳰
- 出版社/メーカー: KADOKAWA/アスキー・メディアワークス
- 発売日: 2015/10/24
- メディア: コミック
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大切だから壊したくない。大切だから踏み込めない。
些細な行き違いが人生最大の難関に思える思春期ならではの揺れ動く乙女心にキュンキュンしましょう。
逆に、女の子が百合百合するのが苦手な人はブラウザバックお願いします。
これなー。気にはなっていたんですが、結局一巻即買いはしなかったんですよね。
で、このあいだ、サークルスーパーユリスキー会員の友達がおすすめしてきたので、全巻読みました。
(注:サークルスーパーユリスキーは”発想の常勝無敗”こと天原さんが提唱した新たな組織です)
”恋”に一方通行な片思いをし、特別を求め、こじれにこじれまくった少女たちが織りなす学園ラブストーリー。
いいよね。
ガールズラブやボーイズラブ作品には独特の静謐さがあります。ピュアピュア的な。
私雑食なので、ライトな内容ならばBL(ボーイズラブ)とかGL(ガールズラブ)とかも読みますんで。
たとえば、BL直球ならば「BANANA FISH」
BANANA FISH(1) BANANA FISH (フラワーコミックス)
- 作者: 吉田秋生
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2012/09/25
- メディア: Kindle版
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ライトなものならばCLAMPの「カードキャプターさくら」を読みましょう。中学生編も始まりましたしね。
[まとめ買い] カードキャプターさくら(なかよしコミックス)
- 作者: CLAMP
- メディア: Kindle版
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カードキャプターさくら クリアカード編(1) (なかよしコミックス)
- 作者: CLAMP
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2016/12/09
- メディア: Kindle版
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間違いなくCCさくらは多くの人の性癖の裾野を広げまくりました。
そんな丁寧で切なくて、静謐で胸を締め付けられるようなラブストーリー。
面白かったです。感想。
アニメ化に合わせて6巻までの内容を含めて再度おすすめ記事書きました。
=>
www.citrussin.com
あらすじ
だから、侑
私を好きにならないで
「恋愛漫画の中で語られる恋の言葉は、キラキラして美しくて、辞書を引けば言葉の意味はわかるけど、私のものにはなってくれない」
恋愛に憧れはあるけれど、誰のことも"特別"と思えない。
高校に入ったばかりの小糸侑は、そんなモヤモヤを抱えたまま、中学卒業の時にされた、仲の良かった男子からの告白にも返事をできずにいた。
姉も友達も恋をする中、彼女はまだ特別がわからない女の子だ。
そんな折に出会った生徒会役員の七海燈子は、誰に告白されても”ドキドキ”しないという。
優等生にして学園のあこがれである燈子にとって”誰かの特別”はいらない。
彼女は”誰かの普通”になりたかった。
そんな燈子に、特別な誰かを持てない小糸侑は、とてもとても大事な存在になっていき、それはいつしか恋心に変わっていく。
小糸侑もまた、”特別”がわからない中で、好意を正面から伝えてくる燈子に徐々に”特別な何か”を感じ始める。
燈子には特別はいらない。もし侑の気持ちが彼女への恋ならば、彼女は絶望するだろう。
侑は特別がわからない。でも、燈子のことを知る度に、彼女のことが気になっていく。
それはきっと、好きと言えない恋の始まりーーーーー
はい。
ガールズラブストーリーです。
物語は小糸侑が生徒会役員の七海燈子に相談し、それによって燈子が侑への恋心に目覚める所から展開していきます。
キス有り、ハグ有り、女の子同士の三角関係有り、同棲している大人百合もありと。
苦手な方はスルーで。それか、まずCCさくら読みましょうCCさくら。
拗れに拗れた三角関係
- 特別を探して、特別が見つけられず、特別を知りたい侑
- 誰かの普通になりたくて、特別扱いしてほしくなくて、侑に恋する燈子
めんどくせー。
あまりにもめんどくさい二人。
そんななか、燈子の友達
- 燈子の特別でいたくて、でも燈子のそばにいるために言い出せない、彼女の相棒 佐伯沙弥香
が登場します。
沙弥香は侑の登場に焦燥感を感じ、侑は”一人ぼっちの”燈子のために自分の中に芽生える感情を押し込めようとします。
そして、一番拗れまくっている燈子は、”特別にしてほしくないけど””特別でいたい”という思いのまま、この関係が進んでいきます。
あ”あ”あ”~。
いいっすね。こういう拗れに拗れた女の子たちが、日々”恋愛感情”という大きくて姿が見えない難問に立ち向かっていく姿は。
清々しさすら感じるほどに美しい。
そこに”女の子だから”とか”男の子だったら”なんていらないんですよ。
ある種のピュアな思いがあって。
より純粋に相手を思うからこそ、こんがらがっていって複雑になっていく。
その関係性が愛おしい。
恋に片思いし続ける主人公がいい
押しに弱いが、頑固な一面があり、ただただ”人がいい”小糸侑ちゃん。
自分を慕ってくる橙子へ、母性を灯した包容力と、年相応な意地悪な顔を見せてくれるのがたまりません。
それでいて、”特別とは””恋とは”という延々に恋に片思いし続けて悩む”女の子”な面もあって。
やっぱり主人公が魅力的でないとこういうラブストーリーものは息切れしちゃいますよね。
ニヤニヤと橙子をおちょくったり、橙子の陰鬱な”ひとりぼっち”に心を痛めて膨大な包容力を見せたり、佐伯沙弥香とぶつかりながらも根っこではわかり合ったり。
性根の真っ直ぐな良い女の子です。
個人的には膨れ上がる橙子への思いに振り回されながらも、彼女をからかったりするその悪戯顔が大好き。
心の中の暴風雨を隠しながら、目の前の友人を愛おしいと思い続ける尊さがね。
素敵。
余りにめんどくさい先輩
とってもめんどくさい七海燈子先輩。
くっそめんどくさい。
もう、これは読んでもらうしか無いですが、そもそもあらすじ時点でめんどくさい。
過去の姉との因縁とか、延々と優等生扱いされてきた歴史とか、緩められる人が少ないとか。
そういう背景はあるとしても
「好きにならないで、でも好きになって」
って、さぁ?
ふざけんなと。
どうしろと。
でもね、そんなめんどくささが、そしてみんなの前ではそれを押し殺して優等生ぶるその小さな背中が愛おしい。
支えてあげたい。
しっかり前を向いて進もうとするから、せめて止り木になりたい。
ああ、めんどくさい先輩っていいなぁ。
そういうふうに思う今日このごろです。
恋とはこんなに苦しいものなのか
やっぱりコレが本題なのですかね?
ときに支え合い、ときに手を取り合い、七海燈子とともに学園生活を送る侑。
でも、それに”愛”があってはいけないのです。
それを気付いた瞬間に、七海橙子の脆さが最大限に崩壊するから。
燈子は侑に、”特別扱いでないただの七海燈子”を要求しているのですから。
さて、侑ちゃんは恋心がわかりません。
”ドキドキ”して、”急転直下”で、きっとファーストキスはレモンの味なみの夢を抱えてそうな膨大な片思いです。
でも、それでも彼女は燈子に惹かれていきます。
様々な言い訳を持ち出しますが、それら一切合切を切り捨ててしまう説得力。
胸の痛み、苦しさ、不安、それでも大切だという気持ち。
恋とは素敵なだけじゃないんです。
相手を思えば思うほど、自分では抱えきれない、溢れかえるもので溺れそうになって、苦しくて。
そんな、切ないガールズラブストーリーですね。
まぁ、基本的にサークルスーパーユリスキー勢はもう買ってると思いますし。
もし、「たまには萌え悶え苦しめる純粋なラブストーリー読みたいな」ってときに。
ガールズラブ、挑戦してみませんか?
仲谷鳰 「やがて君になる」
萌え苦しめる一作です。
- 作者: 仲谷鳰
- 出版社/メーカー: KADOKAWA/アスキー・メディアワークス
- 発売日: 2015/10/24
- メディア: コミック
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