huluを契約してみていると、非常に悩むことがある。
なにせ海外作品が多いものだから日本語じゃなく英語が多い。
よって大きな問題が発生する。つまり、「この作品は字幕で見るか吹き替えで見るか」。
場合によっては作品への印象をごろっと変えてしまうがゆえに非常に悩む問題だ。
多くの対立を生む宗教問題とも言えるだろう。
映画館で見る場合は、字を読んで雰囲気と再現性を重視するか映画に集中することで没入感を高めるかで決めればいい。
映画館の画面は大きく、字幕を追うならばどう頑張ろうが画面に目が行かないからだ。
それでは家ではどうか。
たいてい画面は視界の中の一部にとどまるので、多少字幕を読んでも大丈夫。
一時停止もあるので再度見直すことも可能である。
では、家で海外ドラマなり映画を見る際には吹き替えと字幕どっちを選べばいいのだろうか。
To be, or not to be. that is the question.
ということで、海外作品を見るときに非常に問題になってくることを考えてみる。
吹き替えの利点と欠点
日本の吹き替えは非常に良く出来ており、世界でもピカ一だと言われている。
とは言え問題は多い。確認してみよう。
字幕と比べた際の利点
- 利点1 声が日本語で聞き取れる
- 文字を追う必要が無いため画面に集中できる。
- がや ”周りのモブが発している言葉”がわかる。(字幕はメインキャストしか表示されない。サスペンスや刑事もので顕著)
- 間を利用したネタバレがない。字幕だと先に最後までセリフが表示されるため、まだいい終わってないのに次の展開が予測できる時がある。驚くにも喜ぶにもタイミングがずれる。
- 文字を追わなくていいので疲れにくい。
- 利点2 セリフにある程度の情報量を込められる
- 表現やニアンスをストーリーに即しつつ日本人にわかりやすいように変更できる
- 文字制限がゆるいため表現豊かな言い方になる。
- 利点3 字幕がない
- 字幕があると、画面が隠されるのでたまにうっとおしい。
- ただただ字幕は読むのに疲れる。
字幕と比べた際の欠点
- 欠点1 雰囲気を損なう
- 声優の声をかぶせるために周辺音や環境音に加工が施され、臨場感を損なう。
- 口が合わない。顔や感情の演技と声の演技が完全には一致しない。(別人がやってるから当たり前といえば当たり前)
- 特にアクションシーン等で、セリフが体の動きや衝撃によって途切れたりかすれたりするのが表現できない。
- 欠点2 日本語化できない言葉
- 翻訳ではわかりやすく意訳するため英語を使ったジョークや暗号は伝わりにくい。
- 頭文字が同じ、同音異義語、変形英語など様々なところで翻訳者の技量が問われる。特にジョークは日本語しづらい。
- 最悪ある程度英語ができれば問題を解決できる字幕が安定性では優れている。
- 欠点3 声優の実力
- うまい声優ならいいが、下手な声優を使われていると全く面白くなくなる。意味も伝わりにくい。
- 声優の印象に引っ張られてしまう。
- 聞き取れない時も。。。。まぁ、耳が聞こえにくいなら字幕一択でOK。
比べてみると
まず言っておく。
一度どっちかで見たシリーズは、途中で変更するのはやめよう。
英語の声質と日本語の声質は当然異なるので非常に違和感を伴う。
よって最初からこのシリーズは字幕or吹き替えで見ると決めて見たほうがいい。
その上で利点欠点から考えてみると下記の様な状況に私はなった。
ゆっくりみたいなら
ゆっくり見たいなら吹き替えだろう。
字幕は頭をつかうし目が忙しい。要するに読むのに疲れる。
当たり前だが、耳で聞くほうが文字を読むよりもストレスが少ない。
ちょっと目を話したりしても言葉がわかるので話についていけるのもポイント。
ジャンルや内容で選ぶ
内容を追うならば日本人向けに言葉を選び、文字数制限もない吹き替えのほうが総合的に優れている。
例えばトリックを追うミステリやサスペンスなんかは頭に入ってきやすく情報欠落が少ない吹き替えに軍配が上がるだろう。
モブのセリフや、主人公たちのちょっとしたやり取りなどわかりやすいほうが作品に集中できる。
しかし、表現内容しだいでは字幕に軍配が上がる場合もある。ジョークは日本語化できない。英語がある方がジョークとわかりやすいし、文字で表現もしやすい。他にも差別表現や英語でしか通らないウェットに利いたやり取りは吹き替えでは完全に無視される。
逆にアクションやコメディ等、役者の演技や表情と声が合わないといけないものは字幕を好む人は多い。
特にアクションは欠点で述べた”吹き替えを入れるために環境音を加工する”という問題が非常に大きく露出する。
当然だが音声、音響がオリジナルのままであるほうが、臨場感が非常に大きい。
爆発音やカーチェイス、銃撃戦など声が入らないシーンはやはり字幕がいいだろう。
そもそもアクションで長台詞は少ない事が多い。字幕の欠点が最小化される。
しかし、アクションで字幕を読むということは画面よりも文字に目が言ってしまってもったいないということでもある。
できれば一挙手一投足から目を話したくない。その場合は吹き替えに軍配が上がるだろう。
声優で選ぶ
素人が声優なら字幕で見る。
逆に好きな声優がやってるなら吹き替え。
例えばシュワちゃんはもうあの声が本人よりもシュワちゃんらしいと思ってしまう。
英語の力量で決める
ある程度その作中の単語がわかるならば字幕のほうが安定度は圧倒的に上だ。
早口が少ない作品や、単語単語が飛び交うアクションなら問題ないという人も多いだろう。
字幕と自ら聞き取った内容を頭のなかで整合させれば最もいい体験ができるはずだ。
ただし結構疲れる。
総括
つまり、ストーリーを深く理解したい、楽に見たいという物語優先ならば吹き替えが有利である。
逆にオリジナルを楽しみたい、下手な声優に付き合いたくないという臨場感、空気感をエンターティメントの基軸に置くならば吹き替えがいい。
ジョークや言い回しが素敵と評判なら字幕だし、ストーリーが重厚と評判なら吹き替えだ。
また、ストーリー重視作品は吹き替えで、声優が下手なら即刻字幕へというのが正しい。
身もふたもないことを言えば、吹き替えが良く出来ていると評判なら吹き替え、そうでないなら字幕という手が一番安牌な気がする。
要するに使い分けたらいいということだ。
字幕派と吹き替え派の宗教戦争は度々起きるが、どっちもを手段として持っておくほうが断然喜ばしい。