この間の雑記
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にて教師をしている友人と「読書感想文を丸パクリで書いてくる生徒に困っている」的な話をしたことを書いた。
とはいうが、下記 浅井博章@dj_asai さんのツイートがリツイートされまくったり、#読書感想文の書き方なんてタグがあったりと、やはりみんな読書感想文には困っているのだ。
まず本を読むのが苦手な人はそこから詰まるし、興味のある本を探すのも一苦労。
そこまで苦労してようやく一冊読んだと思ったら、”感想文”を書けという。
せめて書き方を伝授してくれてもいいんじゃね?
と思っても許されるのではないんだろうか。
いやいや逆に考えよう。
一応ラノベのおすすめを書いているブログとしては、読書感想文の書き方をこの夏休み終盤のタイミングで書けばいいねやはてなスターをがっぽがっぽもらえるみんなに喜んでもらえるのではないだろうか。
そうと決まれば私もやってみようではないか。読書感想文の書き方アラカルト。
いろんな読書感想文の書き方を簡単に書いていこう
文章量は大体2000文字、つまり400字詰め原稿用紙5枚分を目標とする。
注:私の所感であり、私が勝手に思っている書き方なので本気にとらえすぎず適当に参考にしてください。
注2:記事内で例に挙げた物語は全て架空の物です。書き始める前に適当に頭の中でストーリーを組んでそれを読んだ気で感想を書いてます。このような本は存在しません。丸写ししても意味ないです
- 読書感想文の書き方の基本
- 書き方例1 読みながら書く(短文感想をつないで書きたい人向け)
- 書き方例2 読んだ後に自分の体験を主軸に物語内の出来事と絡めて書く(おもにリア充向け)
- 書き方例3 全体を通してある一人の人物やエピソードに絞って書く(正統派)
- 折木奉太郎式感想文
- 総括
- 読書感想文にお勧めのラノベを紹介する記事
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読書感想文の書き方の基本
基本的に宿題や課題で出される読書感想文というのは、”君が何を感じたか”を聞いてきている。
本の内容は二の次であることが多いということを気を付けよう。
どれだけあらすじを詳細に書こうがそんなことはどうでもいい。
あらすじを書くとしても精々2割程度にとどめ、のこり8割がたを読書の感想に掛けなければならない。そもそも2000文字のあらすじを書くのは現実的ではない。
がんばってあらすじを大げさにしただけの感想文を書いている人が多いが、えてして書くのがつらい割に読みにくい文になっている。
読書感想文は自分の経験と照らし合わせ、シーンやセリフ、キャラクターにスポットを当て膨らませて書いていくのが基本だ。
膨らませ方は色々あるが、3つほど紹介していくことにする。
まず読み始める前に1段落書いとく
さて、そうはいってもあらすじで文字が埋めれるのはとてもいいことだ。
1段落というか原稿用紙1枚埋めるやり方は教えておこう。
読み始める前に表紙裏なり、背表紙なり、書店紹介ページなり、amazonなりで短文あらすじを見ておくといい。
あんまりあらすじが長いとよくない(し書き写すのもめんどい)ので、随時短くまとめるとなおいい。
最初の段落はこのあらすじと、読む前の印象を書いておく。
- なぜ手に取ったのか。誰かに薦められたのか等読み始めの理由
- ~のジャンルが好み、部活で~をしているから気になったなど、自分の体験を絡める
- その本と出会った時の様子など
特に本と出会った時の様子と、なぜ手に取ったのかを複合して書くとあっという間に200文字は埋まってしまう。
まだ読んですらないのに原稿用紙の半分が埋まってしまったぞ。。。。
よってあらすじとともに書くと、原稿用紙1枚の大半が埋まる。あと原稿用紙4枚書けばゴールなわけだ。
例えば
~あらすじ(省略)~
この本は本屋で見つけた。もともと本はあまり読まないが読書感想文用に近くの本屋に立ち寄った時のことだ。大きなポップが目についた。”この夏中学生におすすめの青春ミステリー”だそうだ。ミステリーというと刑事ものや探偵もののようなものだろうか。漫画やドラマではよく見ている。文字で読むのは初めてだが、表紙の男女の表情と後ろの建物が気になって購入してみた。購入した本は意外と質量があり、家に持って帰るまでに不思議と心が沸き立った。大体200文字強
みたいな感じだ。別に本屋だろうが図書館だろうが構いはしない。帰宅途中に友達と会ってネタにする程度の内容を書けばいいのだ。
書き方例1 読みながら書く(短文感想をつないで書きたい人向け)
読みながら章ごとや気づいたことがあったときに1文づつトピックをめもっておくのは手っ取り早くてよい。
そんな書き方はどうだろうか。
手元にまずメモを用意する。(PCやスマホでもいい。スマホならgoogleドライブで音声認識させておくと書く必要すらない)
読んでいくうちに気になったことや印象に残ったことを一文だけ書き留めておくのだ。
長いと書く気がなくなる。短文書きたいことをメモる。ページ数も走り書きしておくとなおよし。
あとは読み終わった後にそのネタ数文段落を作っていくのだ。
2000文字なのだから、大体8段落1段落300文字弱程度で埋まる。(300文字はすぐ埋まってしまう。嫌なら段落減らせ)
長文は書きづらいが、意外と箇条書きは書きやすい。
例えばあるシーンで”面白い”と思ったときに、
「なぜ、”面白い”とおもったのか」
を書いておこう。
一言でいい。
「XXなところがあって脇役のAが好き」「主人公がXXだから気に食わない」
といった、下線部の”理由”が感想文の種になる。
とりあえず「なぜ」が欲しい。
とはいえ、なぜを書き出そうとしても意外と詰まる場面が多い。
各段落を作る上でのヒントを下記に示す。
セリフとともに感じたことを書く。
意識に残ったセリフや情景描写は何を感じたかとともに一文メモっておこう。
セリフはとにかく便利な導入ワードになる。当然あとから書くためにページ数もメモる。
原稿用紙に書くときには、なぜそれが意識に登ったのかを膨らませて書く方法が一般的
- 感情移入してしまう出来事が自分には身近にあったから
- それまでの物語を象徴する、または心を動かす一言だったから(びっくりした、悲しくなった、うれしかったなど書いておくといい)
- その後の流れや話に影響をもたらす一言だから
まぁ、理由はそれぞれだろう。上の3つに限らないので自由に書いておこう。
まず一文目は象徴となるそのセリフや描写から始めると自然。さらに、気づいたこと、自分の考えを添えたりすると文章量が稼げる。
できれば300~400文字程度を目指したい。
例えば、
木のそばでうずくまり膝を抱えて泣いている彼女を見て、僕の心は張り裂けそうだった。
ーー僕の中の君はいつも理不尽で、とても強い人だった。だけど本当は、こんなに弱弱しくて、守ってあげなきゃいけない女の子だったんだ。
p144~抜粋
いつも先頭に立ってみんなを引っ張っていたリーダーだった明美が泣いているシーンがとても印象的だった。
考えてみればどんなに強い人に見えても同年齢なのだ。
人というのは外面と内面が違うということに気づかされた。もしかしたら年齢さえ関係ないのではないだろうか。大人だって泣きたいときもあるのではないだろうか。自分にとって父親は強い人だけど、もしかしたらこの明美みたいに弱い面も持っているのかもしれない。
きっとこの時から”僕”はこの時明美を意識するようになったんだと感じた。
中盤にかけて”僕”は大きな事件に巻き込まれていく。このことがなかったら明美を守れていただろうか。
後々にかけても重要な場面なので、非常に印象に残った。約400文字強
みたいな感じだ。とはいえ余り重い場面はチョイスしない方がいい場合が多い。
本を読みなれていないと、重い場面では感情が動かされにくい。そして無理に感情が動かされていない場面は書かない方がいい。文字も増えないし何を書けばいいのかわからなくなる。それよりも、何でもない場面でアレ?っと思ったことや、かっこいい!!と純粋に思った場面をチョイスする方がよっぽどいいものが書ける。
「いかせるか!この町を守るんだ!」
p152の主人公のセリフは特にかっこよかった。自分にはとても言えないセリフである。
だってそうだろう。この町の住人に虐げられた回数は100や200じゃ足りないほどだ。
最初のほうのエピソードで、買い物も自由にできない描写があった。なんとひどい人たちだろうと思ったものだ。
でも、主人公と私は知ってしまったわけだ。その理由を。今までの過去を。
そのうえで、彼らを守るのか見捨てるのかを選択しなければならない。
他人事だったらたぶん、助けろよって思ってしまう。やっぱり助けなきゃいけないのだ。
その町が自分の親にとってどんな存在かを知ってしまったのだから。
けど、私だったらどうしていただろう。たぶん見捨てていたんじゃないだろうか。家族ももういない。友達も山向こうの町に行っている。
どう考えたって個人的には恨みしかないだろう。
この主人公の思いきりはどこから出てきているのだろう。
幼いころに言われたあの教訓だろうか。それとも前エピソードにあった親切な一言だろうか。
それにしたって、戸惑ったっていい場面だ。命がかかっているのだから。
勇気の一歩を踏み出せるその姿勢は、とてもかっこいいと思った。約500文字弱
みたいな。
そもそも400文字が無理なら段落を増やせばいい話なので、難しく考えずに適当に書こう。結果200文字だろうが1000文字だろうが構いはしない。
主人公をはじめとする登場人物に自分を重ねてみる
大抵上の方法を3~4つ書けば5枚は埋まってしまうわけだが、そうもいかん場合がある。
その場合は原稿用紙1枚を埋めるための秘策を用意しておくといい。
色々手段はあるが、簡単なのは気に入ったキャラについて思いを書くことだ。
気に入ったキャラの気に入った場面があったら何章の何ページかをメモっておこう。
できれば気に入った理由も書いておくと後で手間が省ける。
- 自分があこがれるような存在だから。
- 知り合いに似た人がいて応援したくなったから。
- おもしろいキャラクターだったから。かわいいキャラクターだったから。かっこいいから。など
どんな理由でもいい。
読み終わった後で、名前を覚えてられた脇役なんてのがちょうどいいことが多い。
難しく考えない方がいい。自分もこうなりたい、または自分はこうはなりたくない。などでまとめると非常に簡単にまとまる。
他にもテクニカルに
- 将来~という職業を目指すのもありかと思った
- 昔~ということをしていたが、その時を思い出した。
など、未来や過去の自分と照らし合わせる手もある。できれば300~500文字で最後の原稿用紙を埋めたい。
最悪ひねくれて道化役に加担してみるといい。それが君自身の感想であるならばストーリーの上げ足を取ってみるのも面白い。
例えば
本当に情けないし、みんなからもバカにされているけど、自分はミシェルのことをすっごく気に入った。
結局この作品に出てくる人たちって、主人公のことを何も疑っていない。そこに疑問を感じる。
そりゃ最後はどうにかなってハッピーエンドだけど、普通に考えればただ単に運が良かっただけだ。
岩が落ちてこなかったら?助けが間に合わなかったら?
そもそも海の大荒れがいきなり収まるっておかしいと思う。
そんな状況下で逃げ出したって仕方がない。そもそも逃げ出したんじゃなくて、助けを求めに行っているわけだし。
それまでは必死に街を支えてきたじゃないか。税金の問題、上からの難問。
本編では描写はされていないけど、多くの問題が立ちはだかっていたはずだ。
そのすべてを解決しながら10年間も守ってきた功労者を、ただの一回逃げただけで道化呼ばわりするのはどうなのか。
主人公はそれはすごい。大きな問題に恐れず勇気をもって解決したのだから。
でも、それをなすまでに陰で支えていた彼のことを誰もいたわらないのは納得がいかない。
思えば、この作品の主軸はミシェルだったのではないだろうか。
主人公を誘ったのも、街の問題に先に気が付いたのも彼だった。
大きく扱われてはいないものの、陰からみんなを支えたもう一人のヒーロー。
どんなに無様でも私にとっての最大の憧れである。約550文字
みたいな。
最後に「私にとっての~だった」とかつけとくと、感想文がきれいに追われるから楽ですね。
「この主人公の本当の良さは~だと感じた」とかの亜種である。終わりの文に自分の一番の感想を乗っけるのは基本中の基本。
最後に段落をつなげよう
ここまで段落を作れば、最後はつなげることが大事だ。
何せぶつ切りの関係ない話を転々と書くだけでは読みづらいし書きづらい。
まず主軸を一本に絞ることだ。
どのキャラクターをクローズアップしたのか。
感動したのか、共感したのか、驚いたのか、うれしかったのか、悲しかったのか。
この主題とそこに感じた思いが一貫していると非常に読みやすい文になる。
出来ればある程度の量の一文メモを書いておき、その中から一貫した感情やテーマを取り出すといい。
つなげおえたら、各メモを段落にすればいい。
あと、最低限前の段落と次の段落用につなぎの言葉や伏線を張っておくことを意識しよう。
便利な言葉は色々ある。つながっていればなんでもいい。
コツは書こうとしているシーンやセリフ、キャラクターの話につなげるような一文を置くことだ。
例えば
- シーンは飛ぶが~の話も良かった。先ほどのセリフが生きてきたシーンでもある。
- ところでXXXは後々もこのことを引きづることになる。それが最大の事故を起こしてしまったのだがーーー
などなどだ。
一貫していればそんなに苦労はしない。
シーンの時系列順やページ順に段落を書くのも手だろう。
中盤では~
終盤に入り~
等から段落を始めるのは常套手段である。
この書き方は先に段落を多く作るので、どこまでも長く書いていけるのが魅力である。
もし原稿用紙数が多いほど得点が高いとか言われたらこの書き方一択だろう。
他にも、大抵3人分ぐらいは全く違った読書感想文を一人で作ることができる。
読書本が指定されている場合は友人との宿題分業が、、ゲフンゲフン。
ちなみにもしかしたら私は同じ本から5つの違った読書感想文を作ったことがあったかもしれない。
逆にコンパクトにまとめてこいと言われたら、下二つの書き方に軍配が上がる。
書き方例2 読んだ後に自分の体験を主軸に物語内の出来事と絡めて書く(おもにリア充向け)
部活をやっていたり、習い事をしていたり、ひと夏の体験をしたりとリアルが充実している人はこの手がおすすめである。
良くスピーチでも使われる、自分の体験を話すときに別の話を補強に使うという手段だ。
まず、話すための自分の体験を決めることからスタートだ。
当然最初の段落で本を選んだ理由もそれにちなんでおく。
部活動で夏休み合宿、浜辺でのアバンチュール。失恋や初恋など別に何でもいい。
飯がうまかった話しだの、家族での山登りだので十分だ。
仲間同士で笑いあえる話のほうが後々何かと苦労がない。発表とかの可能性を考えるなら恋の話は恥ずかしい。避けとくべきかもしれん。
この手法の多くの場合は自分の体験7、読書感想3ぐらいの割合でもいい。
例えば部活動なら、負けて悔しかったこと、苦しかったけどうまくできるようになってうれしかったことを中心に書くことになると思うが、
それに対する主人公への共感を書いていく形となる。
例えば500文字程度適当に書くが。
~中略~
他にも今年の夏合宿でのことを思い出した場面がある。P320で疲れ切った二人が語る場面だ。
今年の夏合宿は特につらくて、汗だくになりながらよく階段にへ垂れこんでいた。冷たい水がうまいけど体が本当に動かない。
そんな時は話すしかない。会話をして気を紛らわせるのだ。
ぜーぜー言いながら話すものだからほとんど短文で会話になっちゃいないけど、でも不思議と気持ちが通じ合う感じがする。
だからずっとしゃべってたという主人公の気持ちはよくわかる。
とにかくそんな状態だから話が弾む。いろんなことを話し合うことになるからやっぱり連帯感も高まる。
そもそも、つらい走り込みをみんなでやっていると仲間だなって感じられるようになるから、適当なバカ話でも楽しくなってくる。
親友との仲直りのシーンではあるが、もしかしたらスポーツをやっていない人には伝わり辛いのではないだろうか。
あの感覚は経験しないとなかなか理解しがたい。
それにしても、ポカリスエットがうまいという記述があったが、個人的にはうらやましいと思った。
うちの部も予算を増やしてポカリスエットの粉を導入してほしい。
その後主人公たちの最後の試合が始まるわけだが、
~後略~500文字弱
みたいな。
感想文の主軸は書き手が体験した話であり、随所随所に本の感想を入れていくスタイルとなる。
ほとんどの内容は自分のことであり、本への詳しい読み込みは必要ない。
そのため日記のように書いても相手に伝わりやすいところが魅力の書き方である。
書き終わりが思いつかなかった場合は、最後の原稿用紙では自分の体験の結果と、物語の結末を比較してみよう。
おさまりがいいことが多い。
- 主人公はこうなったけど、自分は失敗したままだ。次に生かしたい
- 主人公と自分の選択は一緒じゃなかった。なぜなら~
- 物語はビターエンドだったけど、私は最高の結末を迎えた。
とかとか。
原稿用紙が余ってしまった場合の対策にもなる。大体少なくとも200~400文字程度増やせる。
例えば下記のように書いてみてはいかがだろうか。
~中略~
さて、今年のインターハイは皆もご存じのとおり予選敗退であった。
応援していた側からも無念である。泣きはらした先輩たちの顔は今でも忘れられない。
物語の主人公と親友は見事強豪校を打ち破り二回戦に進出する。
困ったことにここは現実で物語のようにうまくはいかなかった。
教訓として、友達は大事にしよう的な結びがされていたが、それだけではやはり越えられない壁がある。
来年に引き継ぐといって二年を鼓舞した先輩の顔が思い出される。
握った手は熱かった。
それでもこの本から学んだことは多い。
それはあきらめない心であったり、自分の立ち位置であったりいろいろだ。
でも、一番はチームメイトは例え学校生活が終わっても友達であり続けるだろうと思える気持ちだろうか。
私もこの主人公と親友のようにいつまでも笑いあえる仲間と一緒にいたいと思った。350文字
みたいなー。
そんな感じ。
自分の結果と本の結末を比較して、その中で本から学んだことを書くのが一番書きやすいかと思う。
そこにワンエピソード入れられると500文字ぐらいは埋められる。
そのエピソードも別に何でもいい、試合後に食べた弁当の味でもいいし、学園祭で開いたコンサート打ち上げでもいい。
図書館に通いづめて勉強した一日を切り取ってもそれはそれで物語になる。何もしていない日などない。
一日中ただ遊んで暮らした思い出も、比較するに値する青春である。
セミの取り方を主人公に教えるように書いたり、プレイしたゲームで培った考え方を絡めてもいい。
結局そこから何を感じ取ったかは君だけのものなのだから、それを素直に書けばそれでいい話である。
せっかく自分のエピソードを使っているのだから、何でも書いてしまえる利点があるし、無理な展開にもならずに済む。
それと、適当にあとでどうとでもごまかせる嘘をつくことを覚えるともっと表現の幅が広がるだろう。
別に泣いてなくても悔しがってる先輩がいればいいです。別に握った掌が冷たくても問題ないです。
すべては最後に自分がどう思ったかを盛り上げるスパイスなのだ。
もし自分のエピソードを書くのが嫌だというならば、下の書き方3を選んでもらえばいい話だしな。
書き方例3 全体を通してある一人の人物やエピソードに絞って書く(正統派)
一般的に読書感想文と言われればこれを書くのが基本的に簡単である。
基本なのになぜ3番目と思われるかもしれんが、そもそもこれを書ける人は読書感想文など悩まないと思うからだ。
長文をかけない人向けの1や、部活や遊びに忙しい人の2に比べてあまり利点がない。
しっかり本を読んで、自分なりの共感や考えを書く必要がある。
まずは、どのエピソードについて書くか、どの人物について書くかを決める。
ポイントは必要以上に説明しないことだ。エピソードの内容は重要ではなく、そこに君が何を感じたのかが重要である。
既によんでいる人に共感を求めるように書いてもいい。
エピソードが決まれば共感か考察を踏まえて書いていくのがおすすめだ。
他の方法もあるが、この二つが一番書きやすい。
共感で書く
共感はキャラや出来事にたいして「自分がその場にいたなら」や「自分がそのキャラクターなら」を主軸に書くのが楽。
その場合は物語の内容と自分の妄想を比較して書いていくと楽である。
XXXは逃げたが、僕だったら立ち止まる。
XXXは義憤に駆られたが、私ならそうは思わない。
など、どう感じたかを中心に話を広げていこう。
すなわち「僕はここに同意する。」「私はここは違うと思う」という意見を書くということだ。
疑問に思ったこと、わかるわーと思ったこと。それらをキャラクターと共に考えるような形で書くことを決めてみよう。
他にも「エピソードのこの部分が好き。なぜなら」や「私はこういう結末が好み」のような書き方もある
好みの理由について書いていくのだ。
どちらにせよ、できれば1~2エピソードですべての原稿用紙を埋めたい。
出だしは、
- 「一番印象に残ったシーンは」
- 「一番好きなキャラは」、
- 「この話の中で肝の部分は」
- 「最初は~と思っていたが、○○のシーンを読んで考えが変わった」
などで始めると楽。
そのあとは、エピソードの短文解説=>自分の共感点=>思ったこと感じたこと=>締めで終わらすが順当か。
締めは、物語の結末や、エピソードの終わりについての考えを述べるやり方と、自分の読後の状態(どう考え方が変わったか)を述べるやり方が多い。
例えば、いろいろ端折るが
~あらすじ~
~本を選んだ理由~
この本の中で一番私が好きだったエピソードは、龍が街に降りてくるシーンである。
今まで争っていた東側と西側が、とたんに協力して街に防壁を築く。
協力し合っているうちに双方に理解が生まれ、わだかまりが徐々に溶けて行った。
それを見て、龍が女の子に話しかけるのだ。
「恩は返したよ」
なるほど。こんな風に事態を収めてしまうのか。
女の子に感情移入していた私としては、仰天の解決策である。
絶対にこの仲たがいは終わらないと思っていた。
街に防壁を築くシーンで床屋と八百屋が双方譲らなかったあの木を切り倒すところにはうきうきした。
「お前は気に食わんがこの町は好きだ」「それは俺もだ」
なんて最高だ。
きっと彼らはもう喧嘩はしないだろう。
誇らしげに建てられた物見やぐらの脇で酒でも飲むのではないだろうか。
「あの物見やぐらは俺とこいつで建てたんだ」なんて自慢をして回るかもしれない。
女子と一緒に街を歩いて今までの問題がどのように解決されていくかを見て回った。
あんなに争っていた隣通しの主人が二人して甲冑をきて街を走るのだ。
女の子とともにくすくす笑う。どんどん明るくなっていく街に希望の明かりがともった気さえした。
ああ、こんなに街は明るかったんだ。
考えてみればいっぱいあった問題の根っこは同じだったのだ。
双方の理解不十分と、意地っ張りの心である。
これはこの話だけではなく私たちの周りでもよく起きていて-----~中略~
しかし、女の子の「みんなが仲良くなってほしい」をかなえた龍の手腕は見事なものだけど、
結果龍は恐れられる対象となってしまった。
女の子が最後に龍のところへ出かけるシーンで終わるのが少し物悲しい。
彼女は思慮深く、包容力があり、知恵と勇気にみちた私たちの友達なのに。
私もきっとみんなの反対を押し切って龍の下へと急ぐだろう。
そしてバスケットにはミルクとパンと、とっておきの花飾りを入れるのだ。
みたいな
ワンエピソードに絞ってはいるが、テクニックは書き方1で書いたものが流用できる。
違うのはいつでもどこでも引用できる分、話の流れには気を使わないといけない点。
考察で書く
考察は客観的に疑問に感じたことを書いていく。
悪役の動機や、語られていないことへの推測、キャラクターの性格への疑問などなど。
自分の考えを客観的に物語と比較することで、行数を稼ぐ。
非常にうがった読み方だが、それも一つの手であることに間違いはない。
しかしちゃんと書くならば時代背景を取り入れたり、筆者の考えについて述べたりと熟読が必須となる。
適当にやりたい人にはお勧めしない。
書き方としては、問題を提起し、仮説や自分の考えを述べ、物語の中を抜粋しながら比較し、結論を出す。
提起する問題は、上記書いた事柄のほかに、筆者は何が言いたいのかや、時代背景から見る変遷、現代に置き換えるとどうなるかなども含む。
例えば、昭和のミステリー小説の中に携帯電話を持ち出すとどうなるかなどの考察も可能。
物語の本筋や教訓を自分なりに読み解いて、それ最初に提示し、その後自分の考察を書いていくのが基本となる。
- なぜ「かぐや姫」は月に帰らなくてはならなかったのか
- なぜ「そして誰もいなくなった」は11人目が見つからなかったのか
- もし「はてしない物語」でバスチャンが帰れなかったらどうなっていたか
などのなぜ?もし?考察から
- この本の読み方はほかにもある
- この本が言いたいことはxxxと思われているが私はこう思う
- 最後の終わり方はXXXとなっているが、ここには秘められた意図があるのではないか
などの物語の意図を別方向から読み解く考察までいろいろある。
恐らく理系教科を好きな人は好きな書き方ではないだろうか。
エピソードや自分の体験を書いたりするよりは理論的に書いていけるので、書きやすい人もいるはずである。
他にも、幼いころ特に気に入った絵本があるならやってみるといい。
今はこう感じている、こういう意味だったのかと再認識したという主題を軸にするスムーズに書ける。
箇条書きでナンバリングをふると考察は書きやすいかもしれない。
とりあえず、1番めに紹介した箇条書き方法で、兎に角「一番言いたいこと」の理由をつらつら書き下そう。
例えば「つまらん」といいたいだけならば、つまらんと言ってしまえばいい。
理由があればそれは感想文になる。
>>
本題「この本はつまらない」
理由1. 主人公がクズで共感できないから
=> XXで周りから賞賛されているが、結局自分の失敗を反省していない
=> 自己中心的なのに、取り繕う姿がはっきり言って理解できない。
=> 主人公が気持ち悪いので共感できない
理由2. 目的が不明瞭
=> 最初はXXのために頑張っていたのに、最後は〇〇となった
=> 結局なにも解決してない
理由3.
~~~~~~~~~<<<
とかいって、なんで「つまらなかったのか」をとりあえず箇条書きにしていく。
あとは=>に書いたような理由をつけていって、つなげてみよう。
折木奉太郎式感想文
古典部シリーズ(アニメ氷菓)の短編「虎と蟹、あるいは折木奉太郎の殺人」で主人公が書いた書き方が素晴らしかった。
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主人公折木奉太郎は、山月記を書いてました。
それをちょっと私なりにアレンジした書き方。
最初の段落(200文字未満)で短文感想を書く。箇条書きでOK。
例えば桃太郎を題材に取ると、
めでたしめでたしで終わってホッとした。みんなで力を合わせて鬼を倒す時はワクワクした。凱旋する桃太郎のかっこよさもよかった。
キジも犬も喜ぶきびだんごとはどんな味だろうと気になった。いつか食べてみたい。
みたいな感じ。段落下げ1回の1段落で書ききる。
その後、この作品に感じた疑問から話を膨らましていく
ところで、そもそも桃太郎の街を襲った鬼はココの鬼だったのだろうか。
私は鬼の見分けはつかない。でも、彼らにも彼らの個性があって、きっと彼らの生活が合ったのだろう。
そもそも北海道で熊が人を襲ったとして、四国にいる熊が人食いだとは限らない。
- 中略-
そう言えば桃太郎自身は鬼の姿を見ていない。「鬼は悪いやつだ」という話を聞いただけだった。
そしてこの作品にあまり人間が出てこない。桃太郎は一体誰の味方だったんだろう。
- 後略-
その後最初に上げた短文感想の真の意図を明かす
結局、「めでたしめでたし」はそれを口にした人だけを通してみた話で、桃太郎側も鬼側も実はもっと葛藤が合ったんじゃないだろうか。
そう考えると、続編なんかも出してくれると嬉しいなと。実は悲劇話になるのかもしれない。
でも、悲劇であっても喜劇であってもやっぱりきびだんごの味は気になる。
みたいな。
総括
読書感想文ってのは大変です。
読みなれてりゃ何の問題もないけど、読みなれない人はさらに感想をと言われてもどうしようもないです。
そんな時は、感想をどうするかなんて考えずに読んだ方がいいですよ。
読んでいる最中に別のことを考えてたらいつまでたっても物語に没入できません。
それは読み手も書き手も不幸なことです。
幾つかよんで、気に入ったのがあれば何が気に入ったのか口に出してみてください。
それが感想です。
適当でも拙くてもいいんですよ。結局。
体裁が分からないなら上記を参考にしてください。
単行本が分厚いなら、ラノベや絵本でもいいじゃないですか。
コミカライズ作品やアニメ化作品でどうにかする手もありますよ。
anotherや氷菓なんてどうでしょう。アニメ化した作品を見てさも原作を読んだかのように語りましょう。
それでもし気に入ったら、よければ小説も手に取ってみてください。
四畳半神話大系や有頂天家族なんかもおすすめです。
アニメと小説に展開の違いがあって、感想文も捗ります。
物語を楽しむってのは、なんかの義務のためじゃないんです。
とかいいつつも、もう少し小説を好きになってくれるとうれしいなーと思います。
もし次があればせっかくカテゴリも作ったし、読書感想文におすすめのラノベでも紹介しますか。。。