citrussinのチラシの裏

ゲームや読書感想、日々のことを適当につづる日記。TwitterID @sinensis197

おお、偉大なれオタク文化よ。スピルバーグ監督渾身のオタク讃歌映画「レディプレイヤー1」見てきたので雑記感想

3D、IMAX、字幕で
レディプレイヤー1見に行きました。
wwws.warnerbros.co.jp


予告編で、デロリアンの傍らにリュウが歩いてたり、トレーサーと春麗が一緒になにかに立ち向かっていたり、AKIRAのバイクがはしったり。
チャッキー人形がアクションしたり、ガンダムが種ポーズ決めたりしている。
あれデス。
www.youtube.com


せっかくなので、魅力の1%ぐらいでも伝わりゃいいなと雑記感想書きます。


注:この記事は「レディプレイヤー1 」の致命的でない軽いネタバレを含みます

前置き

見に行くことになった経緯

偉大なるやる夫スレ製作者の一人、リョーマ ◆VJ7AYBjnhk氏の雑談所でダー様待ちしてたら、
氏がレディプレイヤー1の一言感想を書き込んでて。

レディプレイヤー1、

スピルバーグが俺たちの人生最高だったよなって叫んでる映画だった……。
ヤベェものを見てしまった。
古今東西のオタクに、俺達が熱中したものは最高だったよなと叫ぶ映画だった。

ーーーー雑談所のレビューより引用


・・・・・いやぁ、いい感想書くなぁ。
こんなん、こんなん言われたらさぁーーーーー


見に行きたくなるやん


んなもんで、ファーストデイ使って行きました。

よかった。
面白かった。

3Dと字幕でみた理由

  • 3Dの印象。

3Dを選ぶと、ゲーム世界に入った際の絶妙な作り物感が増してよりリアルです。
また、3Dをことさら強調するようなシーンは無かったので、酔わずに楽しめました。
通常でもいいと思いますが、ゲーム感は3Dがやはりいい感じですね。

ただ、「細かな部分に目をやろう」「隠れた小ネタを見つけよう」とするならば、3Dは見づらい可能性も高いですね。
そこは好きずきかと思います。

私はせっかく大画面で見るので3Dにしました。

  • 字幕を選んだ理由

クライマックスで一言だけ「日本語」が登場します。
吹き替えで見てたらナンノコッチャわからんかとおもいますが。
スピルバーグも「日本のサブカルチャーはかなりリスペクトしている」と言っているので、そのシーンを効果的に見るならば字幕のほうがいいです。

また、アクションが強めなので効果音が重要です。
長い説明セリフも少ないので、字幕の情報漏れ(字幕が画面に入り切らず情報を削る)も少ないかと。
吹き替えの場合はどうしても後から入れる分、音に加工が入ってしまいますしね。


好きずきだと思いますが、私は前述の「日本語が出るシーン」も気になっていたので字幕で見ました。


あらすじ

2045年。
様々な問題が起き、世界が衝突し、ついには人々が「現実世界でおこる諸問題の解決」を放棄してしまった近未来。
環境汚染や気候変動、政治の機能不全により、世界は荒廃していた。
現実に居場所をなくした人類の大半が、20余年前に開発された没入型VRゲーム「オアシス」を最後の拠り所としていた。
ココにはなんでもある。
富も、名誉も、友も、愛さえも。
なにより、ここでは誰もが大好きなヒーローになれる。
次世代ゲームとして開発されたオアシスは世界一位の企業となり、今や全世界の人々のすべてを握る巨大な経済インフラとなっていたのだ。


そして5年前。
オアシス創始者ジェームズ・ハリデー氏の死亡とともに、氏が遺した遺言「アノラック・ゲーム」が開始する。
「3つの鍵と、イースターエッグをオアシス内に隠した。関門をくぐり抜けて鍵を全て集め、イースターエッグを見つけたものに、我が遺産を全て授与する」
勝者には莫大な賞金と、そしてオアシスの管理者の地位。
オアシスが最後の拠り所となった今、それは世界の全てを握るという意味である。
突然の宣告に誰もが沸き立ち、鍵をめぐって子供から巨大企業まで全世界の壮大な争奪戦が始まった。


オハイオ州のスラムに住む若者ウェイド・ワッツは、現実世界では冴えないオタク。
加えて生粋のジェームズ・ハリデーギークである。
彼も他の大勢と同じ様に現実の辛い出来事から目を背け、オアシスで友達ともに鍵探しに没頭していた。
ある日、彼は「絶対クリア不可能」と囁かれていた第一の関門を、オタク知識から得たヒントで突破。
更にこの鍵探しの”意図”に気付き、彼とその友人たちのグループはアノラックゲームのTOPランカーへと躍り出ることとなる。


しかし、それによって世界2位の大企業IOI社と、その社長であるノーラン・ソレントを敵に回すこととなる。
金儲けのためにオアシスの管理権を欲するソレントは、手段を選ばない方法でウェイドと鍵を付け狙い、彼はゲーム世界でも現実でも窮地に追い込まれていく。
ソレントの野望を阻止し、オアシスというもう一つの世界を守るため、ウェイドとその仲間たちの戦いが始まった。




ということで、スピルバーグ監督のエンターテイメント満載SFアドベンチャー。
「流行りのVRMMO系ジャンルをスティーブン・スピルバーグ監督がアレンジしたら」って作品です。
原作はアーネスト・クラインの小説「ready player one」(邦題:ゲームウォーズ)

ゲームウォーズ(上) (SB文庫)

ゲームウォーズ(上) (SB文庫)

ゲームウォーズ(下) (SB文庫)

ゲームウォーズ(下) (SB文庫)

悪役となる巨大企業IOIは、ゲーム料金徴収で金儲けを行う極悪な集金業者。
彼らは神ゲー「オアシス」へ「広告や課金要素」をふんだんに入れ、ゲームを「彼らにとって都合のいい」金儲けの道具にしようとしている、謂わば全ゲーマーの敵と言える存在です。
そんな敵に対するは、重度のオタク:ウェイド・ワッツとそのゲーム仲間たち。
そして、謎の美少女アルテミシア。
大切な居場所であるオアシスを、少年達は悪の巨大企業に邪魔されず、守り通すことができるのか!!


80-90年代の様々なサブカルチャー(特に映画が多い)のオマージュがふんだんに出てきます。
2000年台の作品もある程度出てきます。
そして、中身は王道の主人公立身出世です。


VRMMO系ジャンルって?

※説明不要なら読み飛ばしてください


ダイブ型ゲーム(VRMMO)を舞台にする小説で、特にネット小説界隈で大人気のジャンルです。
日本ラノベのVRMMO系の走りといえば、たぶんクラインの壺=>クリスクロス=>SAO、.hackの流れになるんですかね。
とは言え、クラインの壺はSFがメインで、ゲーム世界のウンタラカンタラはギミックに近いですが。
ライトノベル、閉じ込められといえば、まぁクリス・クロスでしょう。
当時、家の本棚にもタイム・リープと並べて置いてありました。
そしてやはり、現在の勢いを作った金字塔はSAOと.hack。
ゲームと個人HPのネット小説という違いはあれ、ほぼ同時期に発表されているのも面白い。
そして、ネット小説(特にArcadiaとなろう)での盛り上がりとともに、今では数え切れない作品が世に送り出されています。

特にこのジャンル(特に閉じ込められデスゲーム)が好きならクリス・クロスとSAOは鉄板でしょう。

クリス・クロス―混沌の魔王 (電撃文庫 (0152))

クリス・クロス―混沌の魔王 (電撃文庫 (0152))

ソードアート・オンライン1 アインクラッド (電撃文庫)

ソードアート・オンライン1 アインクラッド (電撃文庫)



個人的にVRMMO系は、
1. デス可能かどうか
2. ログアウト可能かどうか
3. ストーリー進展でゲーム内だけでなく現実世界との人間関係や立場が相互影響、変化していくか
の3点分けがわかりやすいと思ってます。
あくまで個人的に、ですが。
そこに更に加えて、「ゲームよく似た異世界へ転移」や、「何の問題も起きずただゲームを楽しむだけ(デス可能ログアウト可能現実への影響なしのただのVRゲーム)」というジャンルもあります。
ゲーム転生まで含めると、悪役令嬢系ジャンルや複数ユニット所持系も話さないといけないからコレ以上は割愛。



レディプレイヤーワンは、デス可能、ログアウト可能、現実影響系VRMMOものですね。
ただし、デス=全ロストなので、主人公とその仲間たちのデスは不可です。
ある意味、半デスゲームと取れるでしょう。
前半で、デスしたプレイヤーが現実世界で絶望して自殺を図った場面もありますし、借金まみれになる人も多くIOIの悪行とも関わってきます。
特に全破産なので、鍵集めを行うプレイヤーはデスは絶対してはいけません。
逆にIOIは何度死のうが企業のマンパワーで復帰してきます。
ちなみに、インタビューにて原作者:アーネスト・クライン氏は押井守のアヴァロンに影響を受けたと言ってますね。
アヴァロンまだ見てないんですよねー(;´Д`)


このジャンルは特にネット小説界隈やラノベですっげー流行ってますね。
クリス・クロス、SAOは金字塔すぎて言うに及ばず。
SAOはその後電撃文庫で書籍化し、続編のALOからはログアウト可能非デスゲームなど、様々な方向からのVRMMOものを描いてます。
瀬尾つかさのスカイワールドみたいに、条件付きデス可能ログアウト不可デスゲームとかも登場しました。
=>昔、感想記事書きました。
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オバロ、ログホラ、猫耳猫みたいな転移・転生系というジャンルも人気ですね。
猫耳猫完結おめでとうございます。

オーバーロード1 不死者の王

オーバーロード1 不死者の王

ログ・ホライズン1 異世界のはじまり

ログ・ホライズン1 異世界のはじまり

この世界がゲームだと俺だけが知っている 1 (ファミ通クリアコミックス)

この世界がゲームだと俺だけが知っている 1 (ファミ通クリアコミックス)


変わり種では、ゲーム世界内に転移するが帰ってくるいうものも。
「迷宮恋姫」とか好きでした。恋姫の二次SSですが。


デスゲームやクリア必須ではなく、単純にゲームを楽しむパターンというのも結構あります。
オンリーセンス・オンラインやVRMMOをカネの力で無双する、あたりが有名ですかね。

VRMMOをカネの力で無双する (HJ文庫)

VRMMOをカネの力で無双する (HJ文庫)

個人的にはダイブ型じゃない普通のMMORPGですが、ネトゲ嫁とかが好きです。

ネトゲの嫁は女の子じゃないと思った? (電撃文庫)

ネトゲの嫁は女の子じゃないと思った? (電撃文庫)

あと、七人のオンラインゲーマーズ 。


「デス可能、ログアウト可能、現実影響系、クリアが世界を左右する」ってので言えば、この間なろうで読んだ 「幻想と現実のパンドラ」がそうでしたね。
ヤンデレヒロイン勢やハッチャける大人たちに終始笑い転げながら、面白楽しく読ませていただきました。

  • 書籍化してないので、なろうのリンク貼っときます。

=>https://ncode.syosetu.com/n7831dm/



閑話休題。
そんな日本サブカルのなろう系御用達なジャンルであるVRMMO系を、スピルバーグがアレンジしたらこうなりましたってのがレディプレイヤー1です。
めちゃくちゃ王道を進みますし、オタクな主人公が知識無双しますし、ヒロインがちょろい。
すっごいベタにベタを重ねてきます。
主人公が舞い上がって直結厨になるのが少々心に痛いなぁ。


慣れている人はいいんだろうけど、人によっちゃ違和感あるかも。
ゲームと現実の価値観がごっちゃになってるところとか、主人公全肯定なところとか。
でも、エンタメってそういうものだし。
それにご都合主義なのは、ハリデーの項で後述しますがちゃんと理屈が付けられてますしね。


ネタだらけオマージュだらけのお祭りアクション

最近のものより、PVで語られたように1980-90年代が中心ですね。

でも1980年代に生まれたかった。
大好きなヒーローだらけだから

PVより抜粋

知らなくても、スピルバーグのアクション映画として楽しめると思いますが、知ってたほうが何倍も楽しいです。


初手レースゲームのデロリアン、AKIRAバイク、マッドマックス、etcの様々な乗り物に始まって、ジェラシックパークからのキングコングまでの疾走感がすごいです。
大迫力のクラッシュレースも相まって、大迫力。
つかみはバッチシ。
あと、一番最初にゲームへ主人公がログインした後に、画面端に地味に出てくるトレーサーが、すっごい違和感あって笑いました。
つうか、オレンジ基調に時間制御装置のせいで数あるヒーローモチーフの中でも筆頭クラスに目立ってますよレナ・オクストンちゃん。
名作FPSチームゲーム:オーバーウォッチをよろしく
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VRMMOのゲームが舞台ということで、数々のオマージュ以外にも何かと色んなゲームを模した構成シーンが多かったですね。
様々なところで出てくるFPS・TPSや初手のクラッシュ系カーレースはもちろん、ヒロインが敵地にいるときは画面づくりがめっちゃステルスゲーでした。
敵が別のことに気を取られて移動している間に、円柱を周りながら移動してソファーにカバー変更するところとか、すっげーステルス。
ネタバレになるから伏せますが、格闘ゲームもあれでしたね。
アレのネタがあれしました。


オーマジュは、どちらかというと西洋オタネタ、とくに映画のネタのほうが多い印象ですね。
日本のアニメキャラがバンバン出てくるとかを期待する人はまずいないとは思いますが、一応注意。
ただ、もちろん画面に映るキャラは現在でも有名なキャラが多かったです。
君は全て特定できるか!
私は無理です(;´Д`)

怒涛のネタラッシュで、知っているものだけニヤっとすればいいと思われます。
ゲームキャラで言うと、
ストリートファイターとか、オーバーウォッチのトレーサー、Starcraftのレイナー、HALOあたりは目立ってましたね。
PVでも一押しされてたガンダムとかの巨大メカ対決も見どころ。

最後のカギの決戦地は雪と四足歩行ロボットのせいで、どう見てもSTARWARS。
もっと言うならば、STARWARS バトルフロントの光景。


ただあえて言えば、メインの3つの鍵、特に映画:シャイニングのネタは知っておくといいのかもしれません。


その他、様々な作品にオマージュされてきた鉄板ネタや有名ネタも多いです。
例えば重要シーンでいきなり登場する「聖なる手榴弾」は若い方はテラリアで知っている人が多いでしょう。
私としてはWizardryのキーアイテムです。
でも元ネタはモンティ・パイソン・アンド・ホーリー・グレイル。
どれで反応しても楽しめますね。

チャッキー人形やデトロイトもしかり。
いろんな知識と照らし合わせながら、知っているものがあればニヤリと笑うのが楽しい。


その他、ゲームやサブカルチャーのあるあるネタや様式美を知っているとより理解が深まるかなぁと思います。
知らないと???になってしまうところもあるやもしれない。
例えば、ゲーム世界の有名人が現実でもてはやされるとか、トップランカーの掛け声でみんな集まるとか。
MMOプレイヤーはみんなイベントに飢えているんですよ。
1コインの下りは「コインの冒険」のオマージュ?かと思いましたが、「胸ポケットに1コイン入れてて助かった」って定番のあれかもしれません。
もしくはアーケードゲームの「コインを入れて復帰」


様々なサービスとオマージュに溢れていて、見ているだけでワクワクする愛に溢れた作品でした。
全部探すために何度も見に行く人もいるんじゃないかな。


スピルバーグ監督によるオタク讃歌な映画

スピルバーグから、ヲタ達に向けて。
盛大なエールと大事なメッセージが込められた映画でした。

かつて下に見られてたオタク文化にエールを

はっきり言えば、スピルバーグによるオタク讃歌です。


クールジャパンなんて言葉が取り上げられて、日本経団連がエンターテインメント・コンテンツの専門部会を設けたのはいつ頃でしたかね。
あんだけこちらをバッシングしてたマスコミが手のひら返して、嘗て私達を鼻白んでたジョックたちがキャイキャイ騒いで。
オタクがある程度の市民権を得始めたのは、さていつ頃からでしたかね・・・


かつて私らのようなオタクは排斥されていたし、蔑まれる対象だったし、
マスコミはオタクを「犯罪者予備軍」と扱って「われこそは正義でござい」とこぞっていじめの先頭に立っていたし。
大人は口を揃えて「漫画/ゲームばかり読んで/遊んで」「そんなのは子供のうちに卒業するべきだ」と今でも言うし。

まぁそんな彼らの大人たちは、嘗てギターを奏でる彼らを不良と蔑んでたんですけどね。

まぁ、別に。
教室の角片隅で「新フォーチュン・クエスト」やら「僕の血を吸わないで」やらを読んでた私世代は、ガチ暗黒期に比べればまだマシな方でしたが。
それでも、彼らの急な手のひら返しには形容しづらい違和感やわだかまりがあるんですよ(´・ω・`)


「21ジャンプストリート」ってくっそ面白いコメディ映画がありまして。
世代は全てを変えていくんだなと思います。
そして、今やり玉に上がっている「子供に害を与える」という”ゲーム”も、きっと興行のために、商業のために、一般理解という彼らの理屈の元いつか市民権を得るのでしょう。

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そんなオタの好きな、一般的にはナードとか言われて蔑まれたサブカルチャー(ゲームとか、アニメとか、映画とか)たちに。
それでも良かったよな!と。
俺らの世界って最高だったよな、と。
俺たち、愛してよかったよね、すごかったよねと。


たとえ、「子供がやるもの」「幼稚」「子供の健全な成長に害悪」などと言われようと。
無意味に視野狭窄な理論を振りかざして、良くもわからぬ「一般的な健全」とやらの枠にはめようとされたとしても。
好きなものは好きで、すごいものはすごい。

サブカルチャーの、それを愛した私達だけが知っているあのパワーが。
自分の人生の何もかもを動かし、変えていったあの愛すべき主人公たちが。
そして、それはきっと自分だけではなく、周りも世界も、何もかも変えていく。
俺たちの愛したものは、きっともっと素晴らしいものなんだよと。



どんなに排斥されても、どれだけ理解されなくても。
あの熱中した日々は、もう戻ってこないとしても。
一つ一つの作品に心を鷲掴みにされて、日が暮れるまで語り合った素晴らしい日のことを。
いつか、みんながみんなしてそれを愛しはじめて、素晴らしいということがわかってもらえる日まで。
いつまでも語り継いでいこうじゃないか。と。


そういう映画です。

でも現実は絶対に大事しないといけないというメッセージを

ゲームにのめり込み、借金をする人。
滞納で強制労働の末死んで行く人。
ゲームにのめり込むあまり、世界を荒廃させたレディプレイヤーワンの人々。
ガチャ破産・・・シンデレラフェス・・・・タントウガデナイ・・・・うっ頭が(;´Д`)



見方を変えましょう。
素晴らしく、愛すべきだからこそ、「現実」を見ないといけません。
それは虚構であり、虚構であるからこそ素晴らしいのです。
この映画は、我々に「愛したことは間違ってない」と背中を押しながら、最後はきっちり「現実はそこにはないんだよ」と語りました。
最後のハリデーの言葉を我々も胸に刻まねばならない。
虚構では決して得られないいろんなものが、現実世界にはあるのだから。


現実があるから虚構があり、虚構は逃げ場ではない。
我々の愛したものは現実の置き換えなのではなく、共に走る2本の線なのである。



そういう映画です。




誰も彼もがゲームに夢中

一言で言えば、印象的なシーンがいっぱいある映画でした。
大企業から子供まで、みんなして「たかがゲーム」に夢中になる。
大企業の研究室に集められた専門家が白衣を来て、難しい顔でホワイトボードに書きなぐりながら「最も適切なATARIのゲームソフトは何か」を探すシーンなんて、笑い転げたくなりました。
IOIに集められたオタク集団である「ゲーム専門家」たちの変遷や、仕事でありながら何処か楽しんでいる「大人たち」の姿はどのシーンでも何かワクワクするものを感じさせます。


唯でさえ排他的なオタク(ウェイド)に、ゲームを見下す敵役ソレントが、「サブカルチャーに馴染みのない仕事人間と思ってるのか?」と言いながら必死にオタクが好きな作品を並べ立てるシーンも好き。
裏ではイヤホンに「どういう言い回しで何の作品を言うかが一番オタに響くか」を必死に伝えるオペレーターが、コレまた笑いを誘う。
このオタの屈折したルサンチマンと選民主義は、なんだかボダラン2のDLC「Tiny Tinaとドラゴンの城塞」のやり取りを思い出しますね。
「お前ら、どうしてそんなに排他的なんだ」とは、ボダラン2のとあるキャラのセリフ。




終盤、オアシスプレイヤー達の力を借りて敵の城に攻め上がるシーン。
現実世界では、町の全員がゲームに夢中で悪役の女がその異様な光景に目をむくシーンがあります。
コレを正義側がやるってのも、印象深いなぁ。
普通はそういう表現って今現在バッシングの対象じゃないですか?
「ゲームにのめり込んで現実との境がない」とか「現実をおいてゲームに走るとか」
でもそうじゃなくて、どっちも大切で、かけがえなくて、それは認めてほしいんですよ。
IOIのソレントやその部下の女は、ゲームを基本的に徴収手段としてしか見てなくて、その光景の意味がわからないわけですけど。


パスワードをPC横の机に貼っちゃう無理解な大人ってのも、まぁいろんなものの揶揄ですね。
思わず笑いました。
っていうか、隣の席と後ろの席の人も吹き出してました。



映画全編に渡って徹底的に「ゲームの良い面を理解しようとしない」「サブカルチャーをただの道具としてかみていない」ソレントを悪役側とみなしてます。
だけれど、その上で最後のソレントのシーンですよね。
なぜ諦めたか。
あれはなかなか意味深で、見終わったあとにもちょい悩みました。
あれをご都合主義なんて言葉で思考停止するのはあんまり楽しくないですよね。


論理的に言えば、全てが決してしまって、このまま手を下しても自己満足以外にならないってことなんですが、それもなんだかな。
もしかしたらソレントは、それがたとえオアシスへしきりに徴収システムを入れようとしていた「ゲームを楽しむものの敵」だとしても、
彼も「ゲームの面白さ」の一端を知ったのかもしれません。
多くの障害を超えて迎えたゲームのエンディングに、無粋な横やりは入れられなかった。
ゲームオーバー(日本的に言えばゲームクリア)の瞬間は神聖なものである。
そう取っておきましょうか。




様々なオマージュの中で語られるスピルバーグの愛が、何とも言いづらいんですけど、不思議な感動を手渡してくれた作品でした。





最初から出来レースだったアノラックゲーム

単純に映画をみると、いろんな疑問が出てくると思うんですよ。
第一関門に比べて第二第三が一気に進みすぎじゃね?
とか
主人公に有利すぎない?ご都合主義すぎない?
とか。
IOIは急ぎ過ぎじゃない、高々第一鍵を先に取られただけじゃん?
とか。

まま、「エンタメだから多少の不自然は許容する」ってのもあるんですが。
でも、ハリデーが望んでたことがわかれば大体の疑問はある程度氷解するんですよね。
彼の求める「バラのつぼみ」とは何か。


彼は、彼の財産を、行きた証を、自分を一番知ろうとした人に預けたかったんですよね。
たぶん。
だから、第一関門突破以後はすぐに解決するんですよ。
調べる方向性がわかったから。
単純なゲーム勝負じゃなくて、ハリデーの伝えたいことを探る戦いだってわかったから。
IOIも、だからこそ猛追するんです。
(それにしても、5年無駄にしたIOIの研究者連中は頭硬すぎだと思いますが)


加えて言えば、多分預けたかった人はモローでしょうね。
3つの鍵、モローだったら1年かからないでしょうねー・・・。
最初から、出来レースなんですよ。
だってそうでしょ?
3つの鍵で開けた先に待っていたもの。
アレを考えたらどう考えても、ね。

ですが、モローがそのアノラックゲームに対して返した答えが、アレなわけです。
それでちょいこじれただけ。
モローの自信のなさと、ハリデーの回りくどさのせいで5年潰したわけだ。


だから、そこにきた「ハリデーの人生記録を、ただの趣味で隅から隅まで読み尽くした生粋のオタ」が主人公に立ったわけです。
一人の人生の全てが記された博物館の膨大な内容を隅から隅まで見てまわるオタク。
そんな彼が、ハリデーを愛し、ハリデーに認められ、舗装された道を歩み、偶然英雄となった。


この物語は、ウェイド・ワッツとサマンサではなく、モローとハリデーの話であった。
そういうことでしょう。


ちょい残念なところ

原作からかなりエピソードを削ったのか、描写不足な点がある

ハリデーの過去の描写と、サマンサの描写と、ソレント周りが特に
ハリデーがモローとなぜ仲違いしたのかとか、サマンサが急にチョロくなる理由とか。


っていうかサマンサは、最後付近まで「こいつ純情な主人公にハニトラ仕掛けてるだけじゃねーか」って思ってました。
普通に見たらあんなん「直結厨が美人局に引っかかりました」ですわ。
ほんとゲームと現実の混同はダメ絶対。
違和感覚える人はめっちゃ覚えるだろ。
エイチが盛んに「騙されてる。男かもしれん。やめとけ」っていうのは、まじ当たり前の話。

まぁ、コレは王道ボーイ・ミーツ・ガールなので、不穏なこともなくハッピーエンドですが。


もっと出してほしかったキャラクター

原作では、レオパルドンとミネルバXとライディーンが出るそうです。
見たかったなぁ。
レオパルドン大活躍だそうです。
見たかったなぁ(´・ω・`)

まぁ、版権問題あるしね。
でも見たかったなぁ(´;ω;`)

原作読もうかなぁ・・・


クライマックスで出る日本語

折角の決め台詞なんだから、もう少し大きな声で滑舌良く!
聞き逃しかけた。

ガンダムの種ポーズ

=>種ポーズ(ピクシブ百科に飛びます)
dic.pixiv.net

ガンダムだからですかね・・・・。
でも、そこはサンライズ立ちかガイナ立ちにしてほしかった。

=>サンライズ立ち
dic.pixiv.net

=>ガイナ立ち
dic.pixiv.net



いや、SEEDはいい作品ですけどね。
種ポーズもすごくかっこいいポーズだけどね。
でも、ガイナ立ちで降りてほしかった。


・・・・・まぁキリがないな(´・ω・`)


総括

ソレントの最後片目付近の傷はサマンサの対比だよね、とかまだまだいろいろ語りたいんですが。
いつまでも終わらないので。


スピルバーグによる、ツッコミどころ満載の、ご都合主義ありありの、ベタベタな展開の。
それでも、すっげー面白い、ワクワクさせてくれる、なんだか理由はわからんけど涙が出てしまう。


知ってるネタにニタニタ笑い、ちらっと映ったキャラに思わず反応し、大迫力のアクションにハラハラし。
そして、たくさんの大好きな作品たちに囲まれて。

オタクの力ってすげーんだぞ!!
って叫ぶ。

そんな、愛に溢れたオタク文化リスペクトエンターテイメント映画でした。

スピルバーグ監督の「レディプレイヤー1」
気になった人は見に行ってみよう(*´∀`*)



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