citrussinのチラシの裏

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オーバーウォッチ講座:オーバウォッチの歴史、ストーリーについて知っておくと、ゲームをもっと楽しめる その3 オーバーウォッチ黄金期

初めての方はストーリー記事その1へ(リンク)


では第三回やっていきましょう。
前回
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はオムニッククライシスが終わった後の戦後復興の様子と、人間とオムニックの関係についてお話しました。

今日はそんな復興とともに仲間を増やし名実共にヒーローとなるオーバーウォッチと着実に燻る悲劇の火種について語ろうかと思います。
前回の”その2”と同時期の話なので混乱しないように注意



2018/05/22 記事大幅改定



  

オムニッククライシス終結後とヒーロー集団オーバーウォッチ

オムニッククライシス終結後、オーバーウォッチは独立治安部隊として黄金期を築く。
築き上げた人脈と信頼は新たな資金と資源と呼び、今や公的機関に非常に大きな影響力を持つまでになっていた。
そう、もともとオムニウム軍(再稼働した暴走オムニウムの軍隊)に対抗するために組織された独立部隊は、もはや一つの機関、一つの組織となっていたのだ。
彼らオーバーウォッチは、その資金と資源を使い世界中の熟練者、著名人、才能豊かな戦闘員、科学者、医師を集めて、平和維持のための究極の組織を設立する。
ココに”ヒーロー集団”オーバーウォッチが誕生したのだ。

国連や国際社会からある程度の”お目付け役”を派遣され監視されながらも、オーバーウォッチは独立組織として駆動していった。


守護天使アンジェラ・ジーグラー博士

=>アンジェラの前回エピソードは1-2参照
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オーバーウォッチが招集した天才科学者や天才医師の中に、ひときわ著名な女性がいる。
スイスのチューリッヒに住み、世界に名を馳せる名医 Dr.アンジェラ・ジーグラー
大学を卒業したアンジェラは、研究していた細胞修復技術を発展させ数々の医学的成功をおさめる。
彼女は応用ナノバイオロジーにおけるパイオニアとなり、重篤な病気や怪我の治療技術を根本的に改善し、医療技術を飛躍的に発展させた。
稀代の癒し手、優秀な科学者、平和の唱道者、守護天使。
様々な呼称をされる彼女は、クライシス後故郷のスイスの有名病院で外科手術の責任者を務めていた。

アンジェラの評判は、当然オーバーウォッチにも伝わる。
再生技術の第一線を持ち、数々の科学医療の知見をもつ大医学者。
そしてオーバーウォッチ技術開発責任者であるトールビョーン・リンドホルムと親しく、オーバーウォッチの古参たちと面識のある天才。
オーバーウォッチの組織固めの技術メンバーとして当然ながら期待され、クライシス終了後程なくして彼女のもとにオーバーウォッチへの参加オファーが来た。


だが、戦争で両親を亡くしていたアンジェラは、(たとえ”地球の平和”という題目があるとは言え)もともと軍隊から組織され未だ軍国主義的な一面を持つオーバーウォッチの方針には反対していた。
彼らは「軍隊」である。
平和の使者を名乗ろうとその本質は戦闘行為にあるのだ。
しかし、参加をためらう彼女にオーバーウォッチが求めたのは「戦うことではなく戦いで傷ついた多くの人命を救うこと」だった。
オーバーウォッチの任務は非常に危険なものであり、多くの死人がでる。
現に家族ぐるみの付き合いであるトールビョーンは左手を失ったではないか!
オーバーウォッチには”彼らを治癒する人”が必要である。
その重要性を理解していた彼女は、最前線で治癒のために自らの技術を活用しようと最終的にオファーを受け、オーバーウォッチの医療研究責任者となった。

医療主任ジーグラー

実際にオーバーウォッチに着任した彼女を待っていたのは、傷ついた多くの人々であった。
そして、前線で戦う彼らは彼女のもとに運び込まれる前に命を落とす。
「前線で戦う人々を癒すにはどうすれば最善なのか」
オーバーウォッチの医療責任者というその重責を真剣に悩み考えた彼女は、一つの決断を下す。
「自分も前線で共に彼らの横に立つ」
アンジェラは自ら開発した飛翔する鎧【ヴァルキリースーツ】を装備し、オーバーウォッチの数々の任務に同行するようになる。



”マーシー”(慈悲)の名で呼ばれる稀代の天才名医アンジェラ・ジーグラー博士。
彼女の庇護を求める者にとって、その姿はまさに守護天使である。
マーシー立ち絵





月から降りてきたゴリラ

前回はその2のホライゾンルナコロニー反乱を参照
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ホライゾンルナコロニーの反乱から逃れ、自作ロケットで地球に降りてきたゴリラ”ウィンストン”。
敬愛する師の名を受け継いだ彼は、遺伝子改良された天才的知能を持つ稀代の科学者でもあった。
オーバーウォッチに拾われた彼は、そこで自らの科学力を平和のために貢献することを誓う。
彼の新しい故郷”オーバーウォッチ”
オーバーウォッチの人たちは皆、ウィンストンが信じ、愛する人間のすばらしさを体現していた。
ジーグラー博士(マーシー)の協力の下、(ピーナツバター中毒の後遺症は残ったものの)遺伝子操作による弊害も改善し、彼はオーバーウォッチ所属の科学者となった。

「発明の起源は想像にある」
ハロルド・ウィンストンの名を継ぐ月のゴリラ”ウィンストン”
彼はどんなことが起きようとも人間の可能性を信じている。
ウィンストン立ち絵


天才技師の娘「ブリギッテ・リンドホルム」

  • 前回の話はストーリーその1のホワイトドーム作戦にて

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ホワイトドーム作戦後、腕を失ったトールビョーンから娘の名付け親を託されたラインハルト。
トールビョーンの末娘が生まれると、彼はその赤ん坊に「Brigitte(ブリギッテ)」と名付けた。

  • 英語読みではブリジット。ブリギッテ参入前のストーリーコミックではブリジット表記で語られてました。
    • ブリギッテ参入後も、昔のオーバーウォッチストーリーにはブリジットで明記
    • 例えばドラゴンスレイヤーなど

ブリジット時代

幼い少女は、トールビョーンやラインハルトに武勇伝を聞かされながら育つ。
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そして彼女は父親の作業場に入り浸り、様々な技術を幼くして習得していった。
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その溢れんばかりの才能は、いずれ「すべての兵器の父親」と呼ばれた父トールビョーンを受け継いでいくかに思われていた。

しかし、彼女にはもうひとりの父がいた。
その人物は父親の友人、そして彼女の名付け親。
ラインハルト・ヴィルヘルム――彼は幼いブリギッテに数々の武勇伝や英雄譚を聞かせていた。
そして、その話を聞くたびに彼女は思うのだ。

名誉と栄光はヒーローのもの。
おとぎ話の中ではそう決まっている。
ただ、私の目には彼らの武器や鎧を創る職人が何より輝いて映ったの

ブリギットオリジンストーリーより

そして、武器設計の天才として知られるトールビョーンとは相反して、ブリギッテは鎧や防衛システムの設計に才能を発揮していく。

トールビョーンの信念と失われた腕。
ラインハルトの友を守るという誓い。

世界一の天才技師の娘 ブリギッテ・リンドホルム。
彼女は正しく二人の英雄の子供だったのだ。

=>ブリギッテのストーリーはその6に続きます。
=>オーバーウォッチ講座:オーバウォッチの歴史、ストーリー その5-1 オーバーウォッチの混乱とニューカマー - citrussinのチラシの裏

=>PVに頻繁に映る猫については、キャラ用語記事のジェットパックキャット参照
=>オーバーウォッチ用語集:ジェットパックキャット



オーバーウォッチと世界危機

世界中のテロと暗躍するナニカ

クライシスが終結した後、戦後復興を目指す世界の国々では多くの問題が頻発することとなる。
貧富の差、オムニックとの関係、戦争孤児、強引な方法で台頭していく企業、そして様々なテロ。
暴走した機械を倒した先にあったのは、人間同士のエゴによる紛争であった。


オーバーウォッチが表から、ブラックウォッチが裏から様々な手段を用いてテロを解決していった。
だが、その裏で世界の正義を名乗るオーバーウォッチを疎む者も多く存在した。
しかしそれはまだ致命的な問題にはならず、各国もある程度の暴走を許容しながら「国家の垣根を超える活動を行う超法規的集団」の存在を黙認していた。

そして、世界の裏側では、ちょっとづつ”奴ら”とタロンが動き始めていた。
が、それを知るものはあまりに少ない。


暗殺集団シマダ一族

日本の闇に深く根をはる犯罪集団シマダ一族。その起源は数百年前にさかのぼる。
彼らは時とともに暗殺集団としての力をつけ、武器と違法薬物の取引から得た膨大な利益で、巨大な犯罪帝国を作り上げた。
彼らの一族は暗殺術を極め、特にシマダの奥義とされる技は”龍”をも操る。
頭領息子の2人も、兄弟異なる龍を使いこなす凄腕である。

死の商人として、各地で紛争の種を巻き様々な暗殺を企てる彼らを、当然オーバーウォッチは取り締まろうとしていた。
しかし数百年もの間磨き続けたシマダの技は、オーバーウォッチの精鋭を持ってしても捉えられるものではなかった。
一進一退の攻防を繰り広げながらも、オーバーウォッチはシマダ一族に対し有効な手立てを一切見いだせずにいた。



一方、今代のシマダ一族もあるお家問題を抱えていた。
次期頭領と目される現頭領息子シマダ・ハンゾーとシマダ・ゲンジ。
兄ハンゾーは問題ない。
才気に優れ、シマダの兵法も技も全てを習得し、さらなる研鑽を積む、まさに次期当主にふさわしい器の持ち主であった。
兄弟二人の仲も良好であり、後継者問題も平和に終わる予定であった。

が、問題は弟ゲンジである。
忍術に優れ、訓練も嫌いではなく、才能も豊かで龍さえ操る彼だったが、肝心の「一族の闇稼業」に一切の興味がなかった。
次期当主も優秀で優しい兄に決まっており、責任もない彼は日がな女遊びにうつつをぬかし、勝手気ままな暮らしを送っていた。
周りがどれだけ口酸っぱく訴えても、頭領シマダ・ソウジローは「ゲンジの好きにさせてやれ」というばかり。
息子たちにダダ甘な現当主に守られている限りはわがままし放題。
ニート生活を謳歌するゲンジであったが、一族の多くは「ゲンジが何れ害になる」と考えていた。


兄弟の不幸は頭領がこの世を去った時より始まる。


世界気象異常

クライシスを乗り越えた世界に待っていたのは、まれに見る異常気象であった。
その原因を、新たなテクノロジーの弊害だと謳う学者もいれば、急激に増えるオムニックのせいだと弾劾するものもいた。
当然、資源消費量の劇的な増加を理由にする人も、はたまた何かしらの陰謀だと囁く噂もある。
断言できることは、この説明不能な異常気象が世界に危機を及ぼしており、しかし結局のところ本当の理由を知る者は誰もいないということだけだった。
誰も手を付けようとしない状況で、オーバーウォッチはこの異常気象対策へ独自に動き出すこととなる。


まず手始めに世界各地に観測所(ecopoint)を建設。
世界中の気象データを集め分析を開始した。
更に世界中から気象学者や知見を持つ様々な分野のスペシャリストを召集。
数多に集めた学者は、この「謎の異常気象」の原因究明に奮闘した。

今後の世界の行方を左右する数年に渡る大プロジェクト。
そこには優秀な気候学者として名を馳せるメイ=リン・チョウ(周美灵)もいた。
メイ


彼女は気象操作技術の革命児で、アジアをはじめとする危険地域保護に対して様々な革新を起こしていた。
機械工学にも優れ、自前で開発した自己学習型AIを積んだ相棒スノーボールは、オムニックに頼らずに自立思考をもち、局所的な気候変動を起こすスーパーロボットである。

  • スノーボール
    • 写真右側のロボット
    • ゲーム内ではULTで射出するアレ。

スノーボール


メイは、オパラ大尉をリーダーとするチームに配属され、南極観測所「エコポイント・アンタークティカ」での調査を開始することとなった。

  • 南極でのメイ

南極観測所メイ



オーバーウォッチ黄金期とオーバーウォッチ世代

不穏当なオムニックと人間の諍い。
各地で起きるテロリズム。
様々なイデオロギーを掲げる軍事独裁者。
世界に紛争の種をまこうとする闇組織やマフィアによる被害。

それらの誰もが、オーバーウォッチの力に長くは対抗できなかった。
活動を続ける組織も大幅な計画変更や潜伏を迫られていく。
(長期に渡りオーバーウォッチと渡り合えた組織は、今の所シマダ一族とタロンのみ)

クライシス以後の10年間。
オーバーウォッチは「平和な世界の安定」を目標とし、それは正しく遂行されていた。

世界中の街中にはオーバーウォッチのポスターが飾られ、市民はみんなオーバーウォッチに憧れた。
オーバーウォッチは次々と新しいエージェントが募集し、様々な偉業を成し遂げる。

この時期に育った人々は、「尊敬すべきヒーローが確かにそこにいた」という意味でオーバーウォッチ世代と呼ばれるようになる。
オーバーウォッチ世代の子どもたちにとって、オーバーウォッチは希望の象徴であり、彼らは「最高の人間たちの集まり」であると信じていた。

この期間はまさに、オーバーウォッチの黄金期と言えるだろう。


今後に繋がる話

とある恋人たちの出会い。

フランスの南東部アヌシーの見事な湖。
そこに巨大なシャトー(王族や貴族の住居)を構えるギラード家(Guillard)。

  • Château Guillard(シャトー・ギラード)
    • ゲーム内においてはデスマッチマップで闘うことになります

Château Guillard


数百年続く由緒正しい名家ではあったが、フランス革命以後徐々に衰退し、かつての栄光は色あせたものになっていた。

そんなギラード家の末裔に、一人の娘が生まれる。
彼女の名はアメリ・ギラード。
聡明であり美貌溢れた彼女の青春時代は、その多くをアネシーではなく、パリで過ごすことになる。
芸術の町の人気バレエダンサーとして、彼女はその力量と美貌で日々衆目の話題となっていた。


そんな彼女を射止めた男がいる。
その後オーバーウォッチに無くてはならない敏腕エージェントとなる男。
ジェラール・ラクロアだ。

ジェラールとアメリは熱愛の後に結婚。
幸せな家庭を築くこととなる。
この時はまだ。。。。





母を追うエジプトの忠誠心あふれる兵士

ファリーハ・アマリ(ファラ)は、天才狙撃手にしてオーバーウォッチのキャプテン”アナ・アマリ”の娘である。
代々偉勲をあげた兵士の家系に生まれた彼女は、名誉ある使命を果たそうと情熱を燃やしていた。

「母のようになりたい」
その一歩として母も所属していたエジプト軍に入隊する。
彼女はそこで不屈の精神と戦術的手腕が評価され、順調に昇進し、勇敢なリーダーとなった。
彼女は部下たちからも慕われ、優秀な軍人としてオーバーウォッチの目にも止まることになる。
順風満帆の彼女を襲う悲劇は、もう少し後の話になる。








以上。
とりあえず、オーバーウォッチ最盛期の話。
この時代の話はあまり公式では語られておりません。
次回はオーバーウォッチ最盛期後半。
ブラックウォッチ黄金期にして、オーバーウォッチ崩壊の序章を語りたいと思います。


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