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ゲームや読書感想、日々のことを適当につづる日記。TwitterID @sinensis197

オーバーウォッチ講座:オーバウォッチの歴史、ストーリーまとめ その1-1 オムニックの発明とオムニッククライシス

キャラに愛を持つのはとても大切です。
オーバーウォッチはゲームだけでなく、「コミック」「PV」「アニメムービー」「各種資料やブログ」によってマルチメディア展開する世界です。
各種バックボーンやストーリー、キャラ設定を知っておくと、キャラに愛着がわきますよ。
各位歴史、ストーリーについて知っておくと、ゲームをもっと楽しめると思います。

が、各種に展開しすぎていてイマイチ歴史がわかりにくい。
自分用にもまとめておこうと思います。

注:

  • まだ出てきていない設定、追加資料が多分にあり今後変化する可能性大。(今後新キャラや新マップも追加されていくわけで)。
    • 新マップや新キャラが追加されていっているので、現在基本的には報告なしにこのストーリー記事は修正され続けています。
    • ある程度規模の追記修正があった場合、Twitter(TwitterID @sinensis197)にて更新告知はしています。
  • わかりやすさ重視のため、一部補完妄想や省略を行っています。各キャラのバックボーン重視。
  • 幾つかの出来事も詳細を端折ります。キャラを知ること重視。
    • エピソードには、原作たる「公式ブログ」や「ムービー」、「コミック」などの外部サイトへのリンクを貼ってます。より正確な話はそこを読んでいただくということで。
    • また、「エピソードがあったことはわかっているが、それがどんなものなのか詳しくはまだ発表されていない」出来事も省いています。エピソードが追加されたら記事を更新していくということで。

私なりに理解しているストーリーだと思ってください。
正しくは自分で調べましょう。


各ストーリー記事の最後に「関連記事」として、次の記事へのリンクを張ってます。
出来ればこの「その1-1」から、1-2、1-3、2-1・・・・と順々に読み進んでいただければと思います。


2018/04/13に大幅改定。

 


詳しく知りたいなら海外wikiが資料リンクと合わせておすすめ
Overwatch Wiki
Overwatch Wiki | FANDOM powered by Wikia

キャラの話だけなら公式HPがいいかも
www.jp.square-enix.com



ではまず大きな歴史の区切り。
オーバーウォッチの歴史は、大まかに分けて5つに区切れます。
つまり
1.オムニック技術開発=>オムニッククライシス=>オーバーウォッチ結成=>オムニッククライシス終結
2.オムニックとの和平とオーバーウォッチ黄金時代
3.オーバーウォッチ凋落=>オーバーウォッチ解体(ペトラス法成立)
4.テロ組織の暗躍とヒーローのいない世界=>オーバーウォッチ再招集
5.現在
とりあえずこの流れに沿って、ストーリーの中でキャラを理解する上で大事な歴史事件をまとめていこうと思います。
今回は第1回目、「なぜオムニックが生まれそしてクライシスが起きたのか」

まずはじめに

とは言え、ざっと歴史の年代整理しないと話ができません。
以下、ゲームのあらすじ

未来の地球、
オムニックと呼ばれるロボットの反乱により、
人類は終わりの見えない戦争に突入していた。

「オムニック・クライシス」と呼ばれた
この戦いを終結させるため、各国の精鋭が集い
「オーバーウォッチ」が結成された。

戦争は終結したが、
人々がオーバーウォッチ不要論を唱えたため、
2042年にペトラス法が成立、

オーバーウォッチは違法だとされ、
組織は解体されてしまう。

メンバーは犯罪者として扱われ、
一部は傭兵になった。

しかし、紛争が再び勃発。
人々は再びオーバーウォッチを必要とした。

自分たちで犯罪者扱いして排斥したヒーローを困ったら呼び戻す人類ぇぇぇぇ

とりあえず年号整理しましょう。
各種資料から、

  • オーバーウォッチ発売トレーラーの博物館襲撃事件が起きた年を”現在”とする。
  • ペトラス法成立は2042年。(あらすじより)
  • クライシス開始から”現在”まで30年。
    • これは、オーバーウォッチ創設の5年前にクライシス発生。結成から5年後にクライシス終結のためクライシスは10年行われたことと、博物館はクライシス終結20周年イベントであるため。ただ、ブリギッテが23歳なので、33年前かもしれない。
    • よって、おおよそ”現在”の25年前にオーバーウォッチ結成。
    • 注:ゲーム発売後、ブリギッテの年齢修正やアッシュの登場等でストーリーが進む度に、ここらへんの時系列がかなり無視され始めてます。おおよその数字と思ってください。
  • ”現在”は、オーバーウォッチ発売当日の世界。新生オーバーウォッチとタロンがヌンバーニの博物館を襲撃した都市
  • ”現在”と同時期ぐらいに出たアトラスニュースに「6年前にジャック・モリソンが死んだ」とあるため、おおよそ現在から5,6年前にオーバーウォッチ解体。
  • 76が「5年前にオーバーウォッチは解体された」といっているので、オーバーウォッチ解体から5年後に76がドラドに。
  • オーバーウォッチ結成からペトラス法成立まで20年間
  • ゲンジのオーバーウォッチ参加は10年前ぐらい
    • ゲンジの父が死亡し、シマダ兄弟が割れたのはゲンジが25歳のとき。かつ”現在”のゲンジの年齢は35歳
  • ヴェネチア事件は8年前、ヌルセクター反乱は7年前

ということなので大体

  • 2010年ごろ? 超高度なAI、知覚機能、自動開発・製造能力があるロボット”オムニック”が発明される
  • 2017年ロボットが反乱、オムニッククライシス開始
  • 2022年初代オーバーウォッチ設立(国連直轄の独立軍事部隊)
  • 2027年オムニック・クライシスが終焉。オムニックと人間の和平交渉
    • 同時期 オーバーウォッチの暗部”ブラックウォッチ”が密かに結成。隊長はレイエス(現リーパー)
  • 2028-2038年頃まで オーバーウォッチ黄金期
    • マーシー、ウィンストン加入。
  • 2038年 世界各地でテロが起き、原因が全てオーバーウォッチによるものとの噂が異常な速度で広まる
  • 2039年 オスロ襲撃事件
  • 同年 ヴェネチア事件
    • この事件によりブラックウォッチの存在が一般市民にも漏洩。さらに内部告発によりブラックウォッチの違法行為が暴露。
  • 2040年 トレーサー正式加入。ヌルセクター反乱(通称アップライジング)
  • 2040-42年 オーバーウォッチ凋落
    • ジェラール、アナ死亡。ラインハルト引退。市民がオーバーウォッチ弾劾に向けて暴動。
    • レイエスがブラックウォッチ内部で反オーバーウォッチ組織を結成。
  • 2042年 レイエスとモリソンが決闘。ペトラス法成立。
    • オーバーウォッチのトップ2人の死亡と、ペトラス法成立をもってオーバーウォッチ解体。
    • 以後ヒーロー行為は全面的に違法となる。
  • 2042-現在:セカンドオムニッククライシス
    • オムニックと人間の対立による抗争の激化や治安悪化現象の総称
  • 2045年前後:ウィンストンがオーバーウォッチを新生するためにリコール。
    • 同年、ウィドウメイカーによるテサルカ・モンデッタ殺害事件
    • 同年、メイがアンタークティカから帰還
  • 2047-8年現在 オーバーウォッチの展覧会にてトレーサー、ウィンストンVSウィドウメーカー、リーパー
  • その後:ドゥームフィスト脱獄騒動

とりあえずあってるとも限らないので、それぐらいという適当な指標として見てください。
ではOW世界のストーリーをまとめて行きたいと思います。

=>最初にも書きましたが一括で流れを見たい場合は目次へ行ってください。

=>特定キャラのエピソードだけ総ざらいしたいならば、キャラ別ストーリー概要もあります
www.citrussin.com


2010年頃 オムニックの発明と狂気の始まり

オムニック技術の発明

オムニック・クライシス勃発以前、世界の企業はこぞって人工知能ネットワーク技術を発展させていった。
個々のコンピュータがネットワークを介し、大量につながることにより並列化され、大規模な演算リソースが生まれる。
その”超性能”を利用し、知覚と知能を持つ高度なAIを開発しようとしていたのだ。
自己改良、自己修復、自己製造、自己増殖を行う完全な自動AIロボット。
それは人類の夢でもあった。

この夢を現実のものにしたのは、新鋭企業「オムニカ・コーポレーション」であった。
彼らは、この並列化で生まれたネットワークリソース「オムニックネットワーク」を用いて完全自動の次世代AIシステム(とそれを搭載するロボット)「オムニック」を開発。
オムニックネットワークによって生み出された膨大な計算リソースと情報は、つながっているオムニックへ”知覚”と”考える力”を与えた。
(開発したエンジニアやオムニカ・コーポレーションの詳細についての公式エピソードはなし)

さらに、オムニカ・コーポレーションは、オムニック搭載ロボットの生産システムにもオムニック技術を導入。
AI工場「オムニウム」を開発する。
もはや人間が何かをする必要はなく、オムニックは全て自動で「自己生産」、「自己開発」、「自己成長・研究」、「自己修理」を行う理想の機械となった。
そして、オムニックネットワークを「ゴッドプログラム」と呼ばれる幾つかの大規模システムによって統制、制御することで、オムニックを管理するシステムを構築した。
人類の夢はココに形となったのだった。


オムニカ・コーポレーションは、世界中にオムニウムを建設し、オムニックを大量に生産し急成長。
この「オムニック時代」を引っ張る時代の旗手となっていった。
当然、あらゆる政府や企業がオムニック業界に参入。
様々なオムニックを開発し、この全自動人工知能システムは瞬く間に民間に普及していく。
そう、あらゆる産業に革命をもたらしたオムニック技術は世界中の人々にその利益を与え、オムニックは新時代の象徴とも言える技術となったのだ。

注記:
「オムニック」とは、正確には”オムニックネットワークにつながった次世代AIシステム”の名称ですが、一般的にはそのオムニックAIを搭載したロボットのことを指します。
っていうか、オーバーウォッチ世界の一般人はオムニウムとオムニックとネットワークと搭載したロボットを全て「オムニック」と呼んだりします。
そこらへんは文脈を読んでいただければと思います。

オムニック時代

さて、オムニックが開発される以前から世界中の兵器・武器システムの開発に携わる若き天才エンジニアがいた。
名をトールビョーン・リンドホルム。
彼の生み出す機構は画期的かつ素晴らしいもので、多くの障害を解決してきた。
研究開発グループ「アイアンクラッドギルド」に所属していた彼は、数多の新技術を生み出し超巨大重機タイタンを開発。
さらにSST研究所では、驚異的な可変機構を開発し、暴徒鎮圧用ロボット「SST E54バスティオンロボユニット」を創り出した。
彼は「全ての武器の生みの親」と称され、世界中で名声を獲得していた。
「テクノロジーはより良い人類の未来のために使われるべき」との信念を胸に、彼は自分の才能を遺憾なく発揮していた。
ーーーーだが、彼の奮闘は最悪の事態を引き起こすことになる。

  • アインクラッドギルド時代のトールビョーン

アインクラッドトールビョーン



バスティオンはプレイアブルキャラクターにもなっている。
巨大兵器タイタンについては、下記公式デジタルコミックを参照。
Blizzard | Overwatch Comic



オムニック技術が開発されると世界中の企業や政府は「全自動兵器」を求めるようになった。
そして、当然ながら「トールビョーンが開発した様々な画期的兵器」に、このオムニックを搭載し制御したいと思うようになった。
だが、トールビョーンは知覚を持つ人工知能と「全自動の兵器」に対し深い疑念を抱いていた。
人の手を介在しない兵器は暴走する。
オムニック兵器はかならず人類にとっての危機となる。
彼はオムニックの兵器転用を辞めるよう警鐘を鳴らし続けたが、企業も同業者たちも、そして多くの市民も彼を誇大妄想家だと笑い飛ばした。


トールビョーン一人の手では、このオムニック時代の流れを止められない。
世界中の企業や政府は、様々なオムニック兵器を生み出していった。


バスティオンロボユニットはAIを搭載したことで自動で敵を殺す兵器と化し、重機として作ったタイタンも武器とオムニックが搭載された。
他にもナイジェリアでは、人命救助用オムニックとしてOR-14「アイディーナ」が開発されたが、これも企業によって兵器転用された。

  • 画像は、後にテロ組織ヌルセクターが使用したOR14ヌルセクターモデル

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誰も「オムニック」について疑問に思わず、世界中のオムニウムは兵器を学習して自己改良を行っていくこととなる。


オムニカ・コーポレーションと世界

オムニック・クライシス

そして、トールビョーンの懸念は最悪の形で人類に牙をむくことになった。


ある年、オムニカコーポレーションの企業詐欺が発覚、同年に発生したオムニカ・コーポレーション製オムニックの誤作動とその訴訟騒ぎも響き、時代の寵児であった大会社はあっけなく倒産することになった。
当然世界各地に大量に建築されたオムニカコーポレーションの工場(オムニウム)も閉鎖することとなる。
ーーーーこの工場郡は使用されることはなく朽ちるはずだった。。。。

だが2017年頃、原因不明のエラーにより完璧であったはずのゴッドプログラムが暴走。
世界中の放置されていた元オームニカコーポレーション所有オムニウムを一斉に起動させ、人類全てを虐殺すべく可動を開始した。

オムニウムは世界中で大量の戦闘用オムニック兵器を生産し、生産されたオムニックには全て「人類虐殺用プログラム」が搭載された。
そして、大量に生産されたオムニック兵器のすべてが人類を”敵”として攻撃し始めたのだ。




「人類史上最大の悪夢」、「midnight」、「夢にも思わなかったロボットたちの反乱」
様々な呼称で呼ばれる、最悪の10年間。
オムニッククライシスはこうしてはじまった。

オムニック・クライシスの始まり


注:あくまでもゴッドプログラムによって再起動したオムニウムと、その後生産された兵器オムニックが反乱を起こしただけです。例えば別の企業が建設したオムニウムや、そこで生産されている大衆用の家政婦ロボットやゼニヤッタ型の市民従事型ロボット等は反乱してません。
ただ、この事件を切っ掛けに"暴走していないオムニック"への対応として

  • オムニック全てを敵視する人間
  • 友好的なオムニックとは友好を求める人間
  • 暴走してはいないが”自らの意志で”人間を敵視するようになったオムニック(迫害されたオムニックや、オムニック至上主義者等)
  • 争いを収め、人間と融和を図るオムニック

の4つの派閥が生まれます。
また、この混乱にに乗じて暴力で目的を達成しようとするテロ組織が大量に設立され、世界は混沌の中へと叩き落されました。

オムニッククライシス前半と各国の対応

オムニウムは、オムニック時代に開発されたオムニック兵器を自己改良、過去の兵器開発データを元に自己開発を行い、人類へ襲いかかった。
タイタンやOR-14アイディーナなど、オムニック時代に開発されたオムニック兵器が生産され戦場を埋め尽くし、人類は自ら開発した兵器がオムニウムによって改良された姿を目のあたりにすることとなった。


特に暴走したオムニウムで最も建造され、運用されたのはバスティオン・ロボユニットだろう。
もともと平和維持活動目的で設計されたオムニック搭載兵器であったが、アサルトキャノンモードへの瞬時変形などトールビョーンが開発した様座な機構と独自の能力がオムニウムによって利用され、多くの人間を虐殺していった。
現在でも恐怖の象徴とみなされている。



さてオムニック・クライシスの最初期にオーバーウォッチはなく、各国が足並みを揃えることはできなかった。
まずロシアが戦火に見舞われ、独自の対抗策を打ち出し、それに続いて各国がそれぞれ独自政策のもとオムニウム軍に対抗するすべを開発していった。
そして、それは”人が操る兵器”で無くてはならない。
人類の手には、人工知能の恩恵はすでになかった。

多くの強襲と、それに対する人類の反撃により、オムニックたちは急速に「戦争行為」を学習。
様々な”チューン”を施されたバスティオンやタイタン、アイディーナなどが世界中の都市を破壊していった。
オムニカコーポレーションの工場は文字通り世界中に存在し、その全てが暴走したため戦火は急速に広がり、市民は恐慌に陥った。
戦線はあっという間に地球全土を覆い尽くし、各国は世界中に広がった戦場を渡って大量のオムニウム軍と立ち向かうことになった。

特に大きな戦場となったのはインド、アメリカ、エジプト、ドイツ、メキシコ、オーストラリア、ロシアだと言われている。
日本については後に出てくるシマダ一族以外はクライシス被害について言及されていません。おそらく島国であったため大陸ほどの被害を受けずに済んだのではないかと思われます

ロシア

ロシアは最初に戦火に見舞われ、急ぎ戦端を開くことを余儀なくされた。
ロシア有数の兵器開発企業Volskaya Industriesは都市防衛及びオムニウム軍撃退用に人間が操る巨大兵器を開発した。
巨大メック「Svyatogor(スヴャトゴール)」である。
マップのVolskaya Industriesの工場は未だこのSvyatogorを生産し続けており、次世代機も開発準備を進めている。
ちなみにSvyatogorとは、ロシアのおとぎ話にある英雄の一人。その名前の由来は”神聖な山"を象徴する。

  • 司令部の会議机には次世代Svyatogorのホログラム

次世代Svyatogor構想


  • Volskaya IndustriesB拠点に、製造中のSvyatogor

製造中のSvyatogor


ロシアとオムニックとの戦争はシベリア辺境で開かれた。
ロシアは優秀な兵士たちを集め、Russian Defense Forces(The RDF)を結成。
「Svyatogor」を駆って戦った彼らは、唯一オーバーウォッチの助力無しで自国からオムニウム軍を駆逐することに成功した。
RDFは今でもロシアの街を守っている。
ロシアを守るRDFとSvyatogor


この「世界で唯一国土を守りきった国家」と「最初にオムニックに襲われた国家」であるロシアは、オムニックを強く憎み独立心が一層強くなる。
そして、国家を勝利へと導いた「Svyatogor」を製造したヴォルスカヤ・インダストリの社長カティア・ヴォルスカヤは、ロシアの英雄と呼ばれるようになる。

ーーーしかし、svyatogor開発の裏に「国民には到底明かせない裏取引」があったことは、殆ど知られてはいない。
表向き、カティアは祖国を守り抜いた英雄となったのだった。

アメリカ

アメリカ政府はオムニウム軍に対抗するため、通常の軍隊に変わるスーパーソルジャーを生み出す極秘軍事プログラムを推し進めた。
“強化兵計画”だ。
投薬や手術などを含む手段を選ばない。(リーパー曰く「化物にされた」,76曰く「なんでもやった。本当になんでもだ」)
その訓練は、兵士たちの身体能力を大幅に向上させ、多くの力をもたらした。
そして様々な強化を施されたスーパーソルジャーたちは後にオーバーウォッチの戦闘兵へとなっていく。

さて、強化兵計画で”強化”された兵士には最も著名な2人の人物がいる。
一人は、インディアナ州の片田舎から一兵卒で入隊し、その勇敢さから計画参加に抜擢された青年。スーパーソルジャーNo.76「ジャック・モリソン」(後のソルジャー76の正体)。

  • No.76 ジャック・モリソン

ジャック・モリソン


そしてもうひとりは、ロスアンゼルス出身でアメリカ軍のシニアオフィサーに上り詰め、ベテラン兵士として計画に志願した青年。スーパーソルジャーNo.24「ガブリエル・レイエス」(後のリーパーの正体)。

  • No.24 ガブリエル・レイエス

ガブリエル・レイエス



彼ら二人は目覚ましい活躍と成績を残し、国連主導の独立部隊計画「オーバーウォッチ」のリーダーを担うこととなる。
性格も、出自も、もとの階級さえ全く違う二人であったが、長く戦場をともにした彼らは生死を分かち合う親友同士となった。

ドイツ

片田舎のEichenwaldeや、その後方に位置するシュトゥットガルトが戦場と化したドイツでは、ドイツの兵器企業「J8」が特殊武装鎧「クルセイダーアーマー」(ラインハルトが使ってるあの鎧)を開発。
クルセイダーアーマーを着込んだ特殊部隊”クルセイダーズ”が戦闘となってオムニックと争った。

バルデリッヒ・フォン・アルダー将軍が率いるクルセイダーズ部隊。
ロケットハンマーでバスティオンをなぎ倒し、備えられた大型シールドでオムニックたちの凶弾から味方を守る彼らは、多くの功績を残す。
クルセイダーズ部隊には、初代オーバーウォッチへ参加することとなるラインハルト・ヴィルヘルムもいた。

  • クルセイダーズ時代のラインハルト

クルセイダーズラインハルト


メキシコ

特徴的な対抗策を打ち出せずにいたメキシコでは、広範囲に渡り国土が荒廃することとなる。
地上と空の双方から攻められ、メキシコのインフラストラクチャーと電力網の多くが破壊された。
街は明かりが消えてメキシコ全体が暗闇に呑まれ、通信で連絡を取ることも叶わず、ただただ逃げ惑う人々とオムニックが吐き出す弾幕の中、かろうじて踏ん張っていた。
その凄まじさと恐ろしい記憶から、メキシコの人々はクライシスのことを「La Medianoche」(ミッドナイト、真夜中の意)と呼ぶようになる。


そんな中戦っていた部隊の中に、ギジェルモ・ポーテロ(Guillermo Portero)という男がいた。
彼は故郷ドラドを守るため奮闘し、メキシコの英雄と讃えられるようになる。
クライシス終結直前に、彼はメキシコの大統領に選出されることとなった。

  • Doradoマップ教会前には大統領Guillermo Porteroの銅像が飾られている。

ドラドのGuillermo Portero銅像

インド

特徴的な対抗策を持たなかったインドは、次第に国土を奪われ、戦争終結まで悲惨な生活を過ごした。

この未曾有の危機を利用すべく、とある企業がその野心を隠して動き出す。
多国籍企業ヴィシュカー・コーポレーションは、まだ戦火に脅かされていなかったインド南部に拠点を置く。
そして戦火に追われ移住してくる人々を”収容”する新しい自立都市の建設を開始した。
将来ヴィシュカーが世界に打って出る、ある布石のためにーーーー


注:
オーバーウォッチストーリー上でも有数の”表舞台に出る悪の企業”であるヴィシュカーですが、
発足エピソード、社長は何者なのかなどの情報は一切明かされておりません。

エジプト

エジプトもオムニクライス時代に大きな戦場となった場所である。
暴走したオムニックによってもたらされる「紛争」はエジプト国庫に多額の損害を与えていた。
多くの兵士が倒れ前線を守る治安部隊が枯渇したエジプト軍は、遠距離から敵を確実に始末する「エリート狙撃兵」の教育と支援へ重点を置くこととなる。

そんな情勢の中、代々優れた将軍を生み出してきた一族であるアマリ家は、「世界一のスナイパー」と呼ばれる兵士を輩出することなる。
アナ・アマリ。
一度視界に映った敵を確実に屠るその腕前から、彼女は「ホルスの眼」と讃えられることとなる。
彼女の眼は特別な力を持ち、スコープなしの裸眼でも超遠距離の敵を封殺した。
アナ・アマリ


オーストラリア

オーストラリアはほぼ何の対抗策も取れなかった。
彼らは国土のほぼすべてを失い、国内は徹底的に破壊された。
この事件で「オムニックの怖さと有用性」を知り、さらに国土復興もままならなくなったオーストラリア政府は、クライシス終結後とある”極端な政策”をうちだすこととなる。




世界的テロ組織タロンの発足

偶然だろうか、それとも何らかの必然が合ったのか。
オムニウムの暴走とほぼ同時期に、現在まで脅威を及ぼすテロ組織タロンが設立されたと見られている。
彼らの真の目的は不明だが、その活動内容は「人間とオムニックの対立を激化させ、世界に混乱をもたらすこと」を中心に活動している。


彼らは、「紛争と戦いだけが人類を進化させる」という教義をもち、静かにそして急速にメンバーを増やしていった。
その構成員は概ね残忍かつ非情であり、何の力も持たない一般市民や非戦闘員をなぶり殺すことに明らかに喜びを示している。
彼らとオーバーウォッチとの戦いは、今後長きに渡るセカンドオムニッククライシスの前哨戦でもあった。


そして様々な計略と策略によりオーバーウォッチが崩壊した後は、彼らの暗躍を止めるものはいなくなり、セカンドオムニッククライシスが世界中で頻発するようになる。
構成員の中には元オーバーウォッチだった人間も含まれると噂されているーーーー

間違いなく現在においても世界で最も危険な組織であろう。


ホライゾン・ルナ・コロニー(月面)

中国に籍をおく大宇宙開発企業Lucheng Interstellar社の知恵の結晶。
人類の今後を占う宇宙科学の象徴。
人類の新たな宇宙進出の一歩として建造された、ホライゾン・ルナ・コロニーにオムニックの手は及ばなかった。
ホライゾン・ルナ・コロニー


この世界中の注目を集める一大研究Projectに参画すべく集められた研究者たち。

  • ハロルド・ウィンストン(Dr. Harold Winston)博士
  • ハモンド・チャン(Dr. Hammond Zhang)博士
  • フローレス(Flores:インドネシア)
  • ネフスキー(Nevsky:ロシア?)
  • グェン(Nguyen:ベトナム系)
  • 吉田(Yoshida:日本)
  • アザレッリ(Azzarelli:チリ?)
  • パテール(Patel:インド系)
  • オンヤンゴ(Onyango : ケニヤ・ウガンダ)
  • クーリー(Khouri:アメリカ)

彼らはコロニーで生活しながら長期の宇宙滞在が人体や動植物に及ぼす影響を確かめる実験と観察を繰り返していた。


注:ハロルドとハモンドはストーリーに関わる重要人物のため正式名称が公開されていますが、残りの研究者は資料から名前を見れるのみのため名字や名前の一部しかわかっていません。

この実験のためにコロニーには植物と、遺伝子改良されたゴリラや様々な動物たちが共に暮らしており、かれら赤ちゃんゴリラと一緒に研究者たちは暮らしていた。
コロニーにいるゴリラにはコードネーム、つまり名前が一人ひとりにつけられていた。
サイモン
ダイソン
カルヴィン
スーザン
ヒュパティア
マリー
エリー
そして、ウィンストン。

遺伝子改良されたゴリラたちの中で、特に研究対象としてキャラクター性を持つゴリラを、研究者が個別に親となっていた。
例えば、赤ちゃんの時からひときわ急速な脳の発達をするゴリラ。
彼はコロニーに在籍する研究者の一人、ハロルド・ウィンストン博士が親となり、他の研究者とは違った育て方(ともすれば本当の息子のように)をすることとなる。彼は赤ちゃんゴリラに科学を教え、様々な話を聞かせた。
彼は親の名前を引き継ぎ”ウィンストン”と名付けられた。


この頃のウィンストンについては下記公式短編アニメーション参照
www.youtube.com


ハロルドがウィンストンに西遊記を読み聞かせるエピソードについてはこちら
=>オーバーウォッチ2017旧正月イベント:year of the roosterと新パッチについて - citrussinのチラシの裏




また、ゴリラほどでは無いが他の遺伝子改良された知性動物も数匹いた。
特に検体番号8のハムスター。
ハモンド・チャン博士が無理を言って赤ちゃん状態から飼育を始めたかのハムスターは、親の名前をとって「ハモンド」と名付けられた。
遺伝子操作により、普通のハムスターより大きくて頑丈な体をもつ彼は、その頭脳と肉体を急激に成長させていく。

ハモンドの成長
ハモンド

成長したハモンドは問題解決能力と環境適応力への高い知能を持っていた。
更に遺伝子操作によって大きく強くなった体には、生来の俊敏性を合わせもつ。
そして何より、彼は好奇心旺盛であった。

優れた知性と大いなる好奇心を持った彼は、度々飼われていた部屋のケージから脱走し隠れてコソコソいろんなことをやっていた。
「果たして今度はどこにいって、何をしてるのやら」
彼の”かくれんぼ”の度に研究員たちは何日も費やしてハモンドを探さねばらなず、飼育担当ハモンド・チャンにとっては頭痛の種であった。
ただ一方、ハロルド・ウィンストンを始め研究員にとっては「次は何をするのか」と実に興味を惹かれる個体でもあったと言える。


検体番号28番遺伝子改良ゴリラ”ウィンストン”
検体番号8番遺伝子改良ハムスター”ハモンド”
共に特異な成長を遂げ、研究者と同じ名前をもらった二人は、共に仲良く成長していく。
今はまだ、その数奇な運命を知らずに。

ウィンストンとハモンド

滅びゆく世界

クライシス前半では、多くの国が自国の平和を守るために個別で戦った。
しかし、中には政治バランスや利権を追い求めるものや「クライシス終結後の国家間パワーバランス」という皮算用で妨害を図るものまで現れる。
事態を鎮圧できる軍事力を持つ大国は、十分な力を要しながらも各個人のエゴと政治闘争に振り回され身動きが取れなくなり、
世界各地では、タロンによる密かな暗躍やココぞとばかりに反政府組織や思想家たちが立ち上がり人間同士の争いさえ頻発する。

各国はシガラミから逃れられないままボロボロに崩れていった。
まさに、世界は地獄絵図と化していた




以上。
オーバーウォッチが結成される前の世界でした。
次は1-2 オーバーウォッチの結成

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