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おすすめコミック紹介(完結):女の子になってしまった元男の子の恋愛模様を描くTSFコミック、杉戸アキラ「ボクガール」は主人公が納得の可愛さのラブコメ良作

ところでTSFってジャンル知ってます?
性転換(TS)を扱うフィクション(F)でTSF。
主人公や親友が性転換、つまり男=>女、または女=>男に変わってしまう作品です。
このテーマ、ジャンルを扱う場合、ラブコメものが多いです。
「天使な小生意気」,「かしまし 〜ガール・ミーツ・ガール〜」「けんぷファー」あたりが有名。
特に有名なのは

  • 多くの人が知っているであろう高橋留美子のコミック「らんま1/2」

らんま1/2〔新装版〕(1) (少年サンデーコミックス)

らんま1/2〔新装版〕(1) (少年サンデーコミックス)

  • ニコニコ等でアニメがバズった水沢夢のラノベ「俺、ツインテールになります。」

俺、ツインテールになります。 (ガガガ文庫)

俺、ツインテールになります。 (ガガガ文庫)

あたりかね。
ただしらんまは最初から公にしていることであんまりジレンマや性差でのギャップといった、TSによくある問題があまり表立たないです。

とりあえずそこら辺の作品を思い浮かべてもらえばいいかと。

このジャンルの魅力といえばやっぱりTSしたことでおこるあれこれでしょう。

  1. 好きな人と同性になってしまう恋愛関係のジレンマと決断
  2. 性差のギャップや転換したことを隠すうえで起こるハチャメチャコメディ
  3. TSした主人公が可愛い<=重要

ということで、この三点をきっちり抑えた上できれいに完結させた良作「ボクガール」
ちょっとTSFの世界覗いてみませんか?

ボクガール 1 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)

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ところで、公式で試し読みも出来ます。
試してみるといいかも。
http://www.s-manga.net/omf/omf_978-4-08-879840-0.htmlwww.s-manga.net



あらすじ

「男らしくありたい!」
そう願う男子高校生の鈴白瑞樹は、しかし見た目は完全なる美少女。
生まれつきの女顔と、華奢な体型によりいつも男に告白されてばかり。
想い人藤原夢子からは男に見てもらえず、親友一文字猛の男らしさに憧れる毎日。
そんな彼にさらなる受難。悪戯好きの神様ロキに目をつけられてしまい、ある日起きたら本当の女の子に変えられてしまっていた。
なぜ性転換したのかわからず戸惑う彼は、猛に相談し”男に戻る方法”を探しながら女であること隠して生活することになる。
特に夢子に知られたら。。。想像もしたくないーーー
しかしそんな日常はうまくいくはずもなく。
女性に変わってしまった”彼女”に惹かれていく猛と関係性が変わっていく夢子。
もっとイタズラするために転入生に化け人間界に降りてきたロキ。
そして徐々に瑞樹の心の中も変化していき。。。。。


間違いなく瑞樹ちゃんがかわいい!!!
基本的にはまずその一言を言っておきたい。
女の子に変わってしまい、不安に揺れ動く姿、夢子にバレないように頑張る姿、猛の男らしさにときめいてしまう姿。
めっちゃかわいい。
そしてこの度、非常にTSFのお約束や見どころを踏襲しながら、ちゃんと起承転結とストーリーの起伏をつけて感動のフィナーレを迎え11巻で完結しました。
見事な、、、、見事な最後でした。
9巻ぐらいから、瑞樹、猛、夢子の心が変わっていく様が丁寧にかかれていて、最後の顛末が非常に納得できる終わり方でした。
とくに瑞樹の決断シーンが神。
猛と夢子にたいして自分はどんな気持ちを持っていたのか、自分は”何に憧れ””何に焦がれた”のか。
ボーイミーツガールとしても、ラブロマンスとしても非常に上手い落とし所だったと思います。
最後に瑞樹が猛、夢子とそれぞれ二人きりになって”あること”を告白するのですが、まじで必見です
(このブログは著作権違反が怖いのでマンガコマ抜きを使えないという縛りがあり伝えるのが難しい。。。)

瑞樹、猛、夢子の三角関係の間で揺れる心が素晴らしい

自分は男で、女じゃなくて、そして夢子が好き。
しかし女の子になったことで、猛に惹かれていく”女の子の自分”が彼の心の中で徐々に大きくなっていく描写がたまりません。

そういうとこう思うかもしれない。
いや猛に惹かれるって言うけどさ

やる夫:ホモかよ

違うんですよ
体に精神が引っ張られていき、頼りになる親友への好感が好意へ、そして次第に愛情へ進んでいってしまうのです。


そして3人の関係性がそれによって微妙に変わっていく展開が素晴らしい。
ストーリー半ばで夢子に性転換がバレ3人で秘密を共有する関係へ、そしてその後とうとう学校全体にバレてしまい女の子として生活することになる後半といったストーリーの起伏も後押しします。
特に「夢子は猛のことが好き」「猛は女の子になった瑞樹に惹かれる」「男瑞樹は夢子に、でも女の子の瑞樹は猛に好意を寄せる」
しかし、女の子としての気持ちを理解できてしまうようになった瑞樹は夢子の気持ちが痛いほどわかってしまうわけです。
その為、凄まじくごちゃごちゃになっている人間関係をベースに、夢子を応援する瑞樹と男の瑞樹を応援する猛、そして猛を諦める夢子という関係に発展するところが物語を面白くしています。



「彼女を恋人にしたい。。。でも男に戻れるかわからない。なら、信頼できる親友に彼女を任せよう」と諦めてしまう所から、
「なんだか夢子と猛が親しいと嫉妬する、これは猛に?それとも夢子に?」という男と女の心がせめぎ合うようになり、その狭間で揺れ動く描写がこの作品のいいところですね。


脇を固める個性的なキャラたち

瑞樹が男でも好きな変態たち

異彩を放つのは当然ボディービルにして男の瑞樹が好きなマッチョ先輩

あの”変質者”を体現する顔と行動はすっごい笑いました。
あれだけのインパクトはすごい。
最初の3ページ目から変質者なので試し読みを読んでみてください。
ボクガール 1|集英社マンガネット S-MANGA.net

こいつが引っ掻き回すコメディシーンが好きでした。
かしこまり!といって瑞樹の後を追ってトイレに入っていくシーンとか。
男同士の連れションなのにどうしてこんなに変態度が高いんだろう。。。。。
こいつの存在自体がギャグですわ。

物語途中から下着狂いの山田・V・七太郎も参戦。
二人の引っ掻き回し合ってこそのギャグパートだと思います。

瑞樹と離れがたくなっていく神様”ロキ”

恋愛模様を更にしっちゃかめっちゃかにかき回すために、転校生として降りてきたロキもすごくいいサブキャラでした。
イタズラのために降りてきたけど、どんどん瑞樹を友達として好きなっていってしまう。
神様として人間に一歩引いていたロキが、どんどんストーリーが進んでいくうちに”大好きな友達たち”という心変わりをしていく様がすごく伝わり、
特に最後に離れ離れにならなくては行けないくなったときに虚勢をはるロキがとてもかわいくてたまりませんでした。
最後のシーンは印象的ですね。
最初はおもちゃとしてみていた人間”瑞樹”がかけがえのない”友達”になっていしまったのでしょう。


そしてストーリーはクライマックスへ

最後彼は何の決断をしなくてはいけないのか、そして三人の恋模様はどうなるのか。
まぁ、それを言ってしまっては台無しでしょう。
ぜひ主人公の可愛さに萌えながら、そして最後は感動の中11巻読み切っていただきたいです。


自分は男なのか女なのか。
好きとは、あこがれとは何なのか。
性的アイデンティティが狂い、再度周りとの関係性を考えたとき、どう歩んでいくべきなのか。
そんな深いテーマを含みつつ、
恋する瑞樹ちゃんがすっごく可愛いラブコメ

杉戸アキラ「ボクガール」
よくまとまった良作でした。



ボクガール 1 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)

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