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citrussinのチラシの裏

ゲームや読書感想、日々のことを適当につづる日記。TwitterID @sinensis197

どんでん返しの名作ミステリ浦賀和宏の「眠りの牢獄」を読んだので速攻レビュー

やる夫AAまじかよ!

騙されたとのたうち回ること数回。
落ち着いて考えて読み直すと確かにその通り。
ミステリでの結末というのは衝撃を持って迎えられるべきである。
当然、最後の仕掛けまで読みきりフフンと鼻を鳴らして勝ち誇ってもいい。
そういう楽しみもミステリの醍醐味だ。
ということで、読んで騙されてしまったので
浦賀和宏の「眠りの牢獄」を紹介します。

眠りの牢獄 (講談社文庫)

眠りの牢獄 (講談社文庫)

なんか、大どんでん返し系の作品を勧めてくれと友人に頼んだらこれを引っ張り出してきたのだ。
その筋では有名らしい。ドキドキしながら読み始めると即なんとも言えない違和感が脳裏をよぎる。
何かボタンが掛け違ったままセーターを着てしまったかのような感覚。
読み進めると中盤から一気にそれがほどけていく軽妙なミステリでした。
135ページ。短いのですぐに読めますよ。


あらすじ

浦賀は友人の北澤・吉野とともに、友人の亜矢子の自宅でパーティをしていた。そして前から亜矢子に恋焦がれていた浦賀は意を決して告白しどうにかOKをもらえた。有頂天になったその日の夜、何者かに押され浦賀と亜矢子は階段から落ち昏睡状態になってしまう。浦賀は数日で目を覚ましたが亜矢子はまだ目を覚まさない。それから5年、滂沱の涙が出尽くしながらもなんとか立ち直り亜矢子を過去のことにしてしまっていた3人。しかしある日、浦賀・北澤・吉野の3人は亜矢子の兄に呼ばれあの自宅に集められた。そこで3人は彼の手によってシェルター内に閉じ込められてしまう。彼の要求はひとつ。「ここから出たいなら、亜矢子を突き落とした犯人を突き止めろ」とのことだった。
そして別の場所では冴子という女性が憤っていた。彼女を振った男にだ。あんなに愛していたのに。。。。その恨みは増大し、とうとう彼女を完全犯罪の計画に導く。
一見関係のない2つの事件。その2つが交わった時世界が逆転し驚愕の結末が訪れる。






ミステリ界では有名らしいっすね。友人曰く「マジでまだ読んでなかったのかよ」だそうです。
不明で済まない。
最初に読み始めたところから中盤までは浦賀と冴子の視点で物語が描かれます。
その後ある事実とともに一気に事件は収束へ導かれていきます。
その過程で何度も事実の二転三転が行われるのが心地よい。ある事実がわかって疑問が氷解すると、そのせいで新たな矛盾が噴出することになります。
ここまで転がされると気持ちいい。
途中まではトリック読みきったんですがねー。最後に穴に落とされてしまった。
伏線と落とし穴が絶妙で、ネタ自体は単純なトリックなのに最後まですべての迷彩を晴らすことができませんでした。
言葉に出来ないのになんか矛盾があるという違和感を抱えながら進んでいき、最後の怒涛の展開で世界を逆転させましょう。

息が詰まる用な急展開と二転三転する事実

まぁ、途中まではいいです。
浦賀視点のシェルター閉じ込められと、冴子によるどろどろとした復讐劇が繰り広げられます。
大どんでん返し系ミステリと聞いてますしね、一応私もあれやこれや推測しながら読み進めました。
何だ、いろいろ考えるけどどうにもおかしな所がない。いや違和感はあるんだけど言葉に出来ない。
そして中盤にある事実が書かれています。その瞬間2つの関係ない事件はつながり、一気に急展開を見せてい行きます。
これが面白い。
その事実を知った瞬間からあらゆる矛盾が吹き出します。
「え?じゃあアレはどうなの?」「え?じゃああの時の発言おかしくない?」
それらが、次々と出てくる事実によって伏線回収され怒涛の展開で事件の全貌が明らかになっていきました。
途中までは伏線貼りっぱなしなので読むのが大変だったけど、そこからはもう一気読みでした。
なるほど!の連続はやっぱり面白いですね。頻繁に最初の方を読み返すことになります。
そして最後の種明かしへ。
あなたはどれだけ先に展開を読みきれるでしょうか。

最後の種明かし

さて、事件の犯人や結末を読みきっても非常に大きな疑問が横たわり違和感がすごいです。
しかしなぜこんなにも違和感がすごいのか。
私にはわかりませんでした。
そして迎える種明かし。
いや警戒してたんだが、まさか(軽いネタバレ伏せ字)最初に見るであろうこの小説の作者の名前「浦賀和宏」を読んでしまった所からトリックにハマっているとは思いませんでした。
いやはやなかなかびっくりな結末でした。
そうね、種を明かされてから読みなおしてみると自分が何に違和感を持っていたのかがよくわかります。
というか意識して読むとすっごい露骨だなこれ。
ここまできっちり古典的トリックをやられると逆に清々しい。


ということで135 ページという短い中にたくさん詰まったヒックリ返しトリックが面白いミステリ良作でした。
眠りの牢獄結構おすすめです。