citrussinのチラシの裏

ゲームや読書感想、日々のことを適当につづる日記。TwitterID @sinensis197

読書感想文用の小説にこんなのはいかがでしょう。ラノベ1巻完結もの

しかしまぁ、短編編で書いた条件
1. 長文でない
2. 登場人物が最低限
3. 状況が把握しやすく簡潔である
ってのはイメージの挿絵がない小説に限るんじゃないかなと考えている。
いきなりの話だが、前回をよんでくだせい
www.citrussin.com

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その点ラノベはいい。
もともと中学生前後が読みやすいような小説を作る目的で始まっているので、
1.難しい表現はない
2.難しい漢字に振り仮名
3.登場人物は覚えやすいように配慮
4.挿絵あり
5.基本的に短文の連続
という内容が多い。
ライトノベルってのは萌え小説ではなく

「中学生〜高校生という主なターゲットにおいて読みやすく書かれた娯楽小説」
榎本秋

なのです。

しかし私の学生時代布教経験上、読みなれてない人はまず見た目でうっとくる。
なぜなら、表紙がアニメ調で、巻数が多いから。
特に、巻数が多いのはいただけない。10巻とか軽くいくと読む気力が失せるわな。
萌え系が流行りだしたのは大体2005年以降、ハルヒとか禁書が爆発的な人気になったぐらいからなので結構最近です。ラノベにもいろいろあります。

ということで、読書感想文用おすすめ小説第二弾。
ラノベ1巻完結ものはどうでしょう。
特に萌え系ではなくジュブナイルの枠内でお勧めしましょう。

VRMMO閉じ込められものの原点

ソードアートオンラインはアニメ化もされ若者の絶大な人気を得ました。
ログホライズンも非常に有名になり、NHKでのアニメも絶好調でした
いや、その話はよそう。
とにもかくにもゲームという身近な世界と、閉じ込められた中での主人公の活躍というのは非常に受けが良い。
特にゲーム世代の共感を呼ぶことが入り口の広さにつながっているといっていいでしょう。
しかしながら、ラノベでVRMMORPG物を最初に切り開いたのは両者のどちらでもありません。
コンパクトにまとめつつテンポよく世界の魅力を1冊にまとめきった名作
高畑京一郎の「クリス・クロスー混沌の魔王」です

クリス・クロス―混沌の魔王 (電撃文庫 (0152))

クリス・クロス―混沌の魔王 (電撃文庫 (0152))

私のブログで以前高畑先生のタイムリープは紹介しました
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この人のテキストは非常に読みやすく、話もきっちりまとまっているため初心者にも安心してお勧めできます。
特にソードアートオンラインはこの作品の影響を非常に受けており、SAOが書籍化されアニメ化された時には非常に物議を醸しました。
なんだかんだ言いながらも仲間を見捨てない主人公の盗賊ゲイルや、責任感が強くパーティーをまとめる(嘘はついていない)女戦士リリスなど個性豊かなキャラクターたちが閉じ込められたゲーム世界を冒険します。
当時まだMMO黎明期であった時期に1994年にここまでのVRMMOを想像したのも驚くべきことで、この発刊から3年後のウルティマオンライン発売に伴いMMORPGは爆発的に普及しました。
ゲーム好きな方は、自分のゲーム体験と絡めながら感想文を書いてみてもいいかもしれません。

飛空士の悲恋

恋愛ものは非常に受けがいいです。
やはり恋愛というのは身近なモチーフですから、感情移入がしやすくわかりやすいという特徴があります。
メインは二人に絞られるため関係性を頭に描きやすいのもいい。
当然ライトノベルには幾多の恋愛ものがありますので、1作だけ例示しましょう。
犬村小六の「とある飛空士への追憶」

とある飛空士への追憶 (ガガガ文庫)

とある飛空士への追憶 (ガガガ文庫)

アニメで知っている人もいるかもしれませんが、身分違いの恋と飛行機乗りの戦いを爽やかで切ないタッチで描き上げた傑作です。
人気が出てその後シリーズ化しました。
シリーズ化した飛空士シリーズはともかく、最初のこの一冊は完全にこれだけで完結しています。
挿絵が欲しい人、原典を読みたい人は、挿絵削除やシリーズものに加えるための修正が行われた新装版は避けましょう。
ローマの休日をモチーフに描かられた本作の魅力は何と言っても次期皇妃であるファナと被差別階級であるシャルルの身分違いの恋でしょう。
ファナを彼女の許嫁の下へ護衛することになったシャルル。
いつしか惹かれあっていく二人、許されぬ恋。
ラストは余りの切なさに涙なしでは語れません。
自分ならどうするか、だれがキャラクターの中で好きか、などをテーマに感想を書くもよし、自分の恋愛体験と絡めてもよしと、感想文系と恋愛小説は非常にマッチします。
........どうしても本が読めない方はTUTAYAでアニメを借りてくるウルトラCが可能です。(おすすめできる立場にはいませんが)

SF物を二作ほど

なぜかSF物や空想科学物は中学生や高校生に人気です。
私も好きです。
空想科学ものと言えば、シュタインズ・ゲートとか流行りましたよね。
なぜかはわかりませんが、非日常性や、妄想の余地が広いのがいいのかもしれません。
反面SF物は小難しい話が多く読みづらいと嫌う方も多いです。
しかし、ライトノベルはさらにわかりやすく、さらに娯楽性を高く書く文芸です。わかりやすいSF物が読みたいならラノベを読んでみることをお勧めします。
近未来SFから一作ご紹介します。
ハリウッド映画化も行われた桜坂洋の「All You Need Is Kill」

All You Need Is Kill (集英社スーパーダッシュ文庫)

All You Need Is Kill (集英社スーパーダッシュ文庫)

漫画、映画とメディア展開が行われており、漫画はデスノートの小畑さんが、映画はトム・クルーズ主演でハリウッド映画化されました。
非常に窓口が広いです。
所謂ループ物の傑作で、異星人との戦いに出撃して死んだ主人公が意識を取り戻すと出撃前日の朝に戻っているという現象を繰り返します。主人公は何度死んでも「記憶は蓄積される」ということを生かして経験を積み上げ、事態の打開を図ります。
ループ物はこの業界では非常に人気が高く作品数も多いです。現在絶好調アニメ放映中のreゼロや、爆発的な人気を得たシュタインズゲートやマブラヴなど、名作も数多くあります。
このAll You Need Is Killは一冊にきれいにまとまっており、本を読みなれていなくてもだれずに読み続けられるところがポイント。

現代SFからも一作紹介しておきましょう。
うえお久光の「紫色のクオリア」

紫色のクオリア (電撃文庫)

紫色のクオリア (電撃文庫)

うえお久光先生といえばどうしても「悪魔のミカタ」を薦めたくなるのですが、あれは10巻を超えている上に今だ未完ですのでやめておきましょう。
自分以外の人間が“ロボット”に見える少女とその友人マナブの物語で、全3篇からなる傑作SFものです。
そして、量子力学や認識論をはじめとするあまたの科学を基底としつつ、二人の友情物語(あるいみ恋物語)を”認識とはなんなのか”を主軸として描かれる物語です。
正直中学生では意味が分からんかもしれん。
しかし意味が分かりにくい小難しい古典SF物の面白さをここまでわかりやすく書いた作品はなかなかありません。
出来れば頭の柔らかい中高校生の間に読んでいただきたい一作。
読みずらい方は漫画もしっかり纏まっているのでそっちもおすすめ。
ただし嫌いな人は嫌いだと思います。いや、嫌いというか「意味わからん何言ってんだこいつ」って感じになると思います。
刺さる人には一生のバイブルになる作品。
気に入ったら同じ作者の「シフト」も読んでどうぞ。
シフト〈1〉世界はクリアを待っている (電撃文庫)

シフト〈1〉世界はクリアを待っている (電撃文庫)

死を身近とした作品

最後の選出は感動系作品を一作だしておきましょうか。
やはり感動ものは書いて字のとおり心が動かされやすいので感想文を書きやすいです。
ラノベには幾多の感動ものがありますが、その中でもこれを推します。
佐藤ケイの「LAST KISS」

LAST KISS (電撃文庫)

LAST KISS (電撃文庫)

kindleに来てないのであんまお勧めしずらいな。
もし図書館にあれば読んでみてください。
この作品は重病の妹との最後の夏を描いた傑作です。
こんな風に書くと、「 今日、海を見た。もう怖くない。」を思い出す方もおられるかもしれません。
psp出たしね。。。。高校や中学でもプレイできるしね。
まぁ、影響を受けているでしょう。確実に。3年後に出版してますし。

超王道、出てくるキャラ3人のみ。
非常に読みやすい上、ラストは本気で泣かせにきます。
2人と1人のひと夏の恋。そして精一杯生と死について向き合う物語。
主人公の智弘の一人称でつづられる切ない心の変化はこの作品を名作として不動のものにしています。
そして、最後の手紙は必見。
どこかで見かけたらぜひ読んでいただきたい。

ほかにも

前回お勧めした「ある日、爆弾が落ちてきて」

ある日、爆弾がおちてきて (電撃文庫)

ある日、爆弾がおちてきて (電撃文庫)

ゾンビアクションものの「オブザデッド・マニアックス」

オブザデッド・マニアックス (ガガガ文庫)

オブザデッド・マニアックス (ガガガ文庫)

淡い青春と驚きに満ちた「ワールズエンドガールフレンド」

ワールズエンドガールフレンド (ガガガ文庫)

ワールズエンドガールフレンド (ガガガ文庫)

学園青春の傑作「こうして彼は屋上を燃やすことにした」

こうして彼は屋上を燃やすことにした (ガガガ文庫)

こうして彼は屋上を燃やすことにした (ガガガ文庫)


あたりは非常にお勧めですね。かなり読みやすく中1でも問題なく読めるかと思います。
特に「こうして彼は屋上を燃やすことにした」と「オブザデッド・マニアックス」は非常に軽快に読めるので読書感想文にはおすすめです。
キノの旅の旅感が気に入ったなら「旅に出よう、滅びゆく世界の果てまで。」とかもいいですね。


童話系が好きなら
「森の魔獣に花束を」

森の魔獣に花束を (ガガガ文庫)

森の魔獣に花束を (ガガガ文庫)

「ミミズクと夜の王」
ミミズクと夜の王 (電撃文庫)

ミミズクと夜の王 (電撃文庫)

は外せません。
どちらかというと高校中学の女の子におすすめの二作です。


以上。
最後書きつかれてしまい、予定していた6作をまとめてすっ飛ばしてしまった。
”ほかにも”にまとめたのでゆるしておくれ。
紹介した11作品。気に入ったやつを手に取ってみてはいかがでしょう。
正直とりあえず表紙で選ぶぐらいの気持ちでいいと思います。
一冊完結なのでスムーズに読めるラノベ選出でした。

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